【Clip! アカデミー】 第81回 2007/5/15
第2週 確認号「心理学の歴史から:フェヒナー」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆
http://www.clinicalpsychology.jp/
◆目次◆
1)【現在地】
2)【フェヒナーの精神物理学の影響】
3)【心理学とのつながり】
【次回配信日】
【参考文献】
【編集後記】
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○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○
◆ 【Clip!アカデミー】は、
心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
無料心理学メールマガジンです。
■ 基本サイクル ■
第1週「出題号」… タネをまく
↓ (基礎概念と論述問題)
第2週「解答号」… 深める
↓ (論述問題の解説)
※【今回はこちら!】 第3週「確認号」… つなげる
↓ (関連諸分野から)
第4週 基本的にお休み
(特別号が配信される場合があります)
↓
■ 第2サイクルへ続く ■
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 1ヶ月目 心理学の歴史から
「フェヒナー」
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0ヶ月目 (ガイダンス号)
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| 3ヶ月目 応用心理学から
| 4ヶ月目 臨床心理学から
| 5ヶ月目 心理学研究法から
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↓
~~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~
個々のテーマについて考えた後は、
それを、より大きな視点から、捉えなおしていきましょう。
心理学全体の視点から、そのテーマを考え直してみる。
そうすると、違う文脈から、違うテーマが、次の問いが
浮かび上がってくるかもしれません。
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2)【フェヒナーの精神物理学の影響】
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●ウェーバー・フェヒナーとヴント
1987年、ヴントは、ライプチヒ大学において、
世界初となる心理学教室を設立したが、
そこには、ウェーバーとヴントが在籍していた。
フェヒナーは、もともとウェーバーについて生理学を
学び、後に同僚となり、ウェーバーの実験結果から、
精神物理学を発想する。
そしてヴントは、フェヒナーの方法に感化され、
心理学を体系化するに至ったとされている。
こうした心理学の誕生の歴史は、
ヴントの弟子ティチナーの、そのまた弟子である、
ボーリングによって初めてまとめられたため、
ボーリング史観と呼ばれている。
●感覚尺度の構成
外界からの刺激量と、その結果生じた感覚量との
関数関係を尺度化(数量化)したもの。
基準となる刺激との差異が感知される、
もっとも小さな違いを、丁度可知差異(j.n.d)、
もしくは、弁別閾という。
この差異を調べていくことで、
刺激量に対応して生起する感覚量の変化を、
数量化することができる。
●精神物理学的測定法
フェヒナーが感覚尺度を構成するためにもちいた、
3つの測定方法が、現在でも用いられている。
・極限法…差異を検出できるギリギリのところまで、
順に標準刺激と比較刺激を離していく。
・恒常法…強度の異なるいくつかの刺激を複数回提示し、
その結果から、統計的に閾値を推定する。
・調整法…被験者が、標準刺激と等しく感じられるまで
比較刺激を変化させる施行を繰り返し、
その平均誤差から閾値を推定する。
いずれの方法も、被験者に限界まで刺激を弁別させるために、
非常な負担を与えることになる。
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3)【心理学とのつながり】
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フェヒナーの心理学への影響は、
感覚の尺度化、すなわち、
感覚を測るためのモノサシの作り方を、
最初に確立した人、ということにある様子です。
あるいは、はじめて心を測定の対象にしようとした、
という点が評価されることもあります。
しかし、心的現象を測定する尺度なら、
因子分析による心理尺度が、
今では一般的に用いられています。
精神と身体の関数関係という、
フェヒナーが夢見た心と体の掛け橋は、
現代心理学によって実現したのでしょうか。
もちろん、そんなことはありません。
因子分析において構成された心理尺度は、
態度や性格特性のほか、イメージや印象など、
様々な心理現象を測定できますが、
構成された心理尺度が測定できるのは、
ある個人が被験者母集団の中に占める、相対的な位置関係だけです。
つまり、個人間の心理量の比較をしている訳であり、
外的刺激と個人内の感覚との比較をしている訳では
ないということになります。
そう考えると、因子分析によって構成された
心理尺度は、感覚尺度と比べると、
なんともあいまいなもののように思われてきます。
しかし、心理現象をそのようなものとして、
測定しようという方向に、
心理学がシフトしていったことによって、
現代があるということも、またいうことができそうです。
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【次回配信】
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次回 【出題号】… 5月28日(火)にお送りする予定です。
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【参考文献】
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● 心理学物語 -テーマの歴史- R・C・ボールズ著 2004 北大路書房
● キーワードコレクション 心理学 重野純 編 1994 新曜社
● 誠信心理学辞典 外林大作 辻正三 島津一夫 能見義博 編
1981 誠信書房
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【編集後記】
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勉強するということは、
単に知識が増えていくということとは異なります。
学習は、個体内に生じる、ある種の変化であって、
それが、知識体系の変化として現われる時、
それを知識が増えた、ということができます。
変化は、ほかにも様々なところに影響を与えるはずです。
どこまで影響が及ぶのか、それは、
学習の内容自体より、
学習を、どのようなつながりのなかに置くか、
ということに関係がありそうです。
自分が、何をどのような目的のために、どのように学んでいるのか、
という意識の持ち方が、
同じ内容の知識の学習によっても、
生じさせる変化に違いをもたらすのかもしれません。
抽象的ではありますが、
こんなイメージを持って、確認号をスタートさせてみましょう。
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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座
http://www.clinicalpsychology.jp/
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2007年5月15日火曜日
【Clip!アカデミー】第81回:確認号「心理学の歴史から:フェヒナー
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