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2007年8月28日火曜日

【Clip!アカデミー】第92回:解答号「心理学研究法から:精神物理学的測定法」

【Clip! アカデミー】 第92回2007/8/28
第2週 解答号 「心理学研究法から:精神物理学的測定法(psychophysical methods)」

◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座
  http://www.clinicalpsychology.jp/


  
      ◆目次◆

            1)【現在地】
            2)【論述問題】
            3)【論述問題の解答】
            4)【論述問題の解説】
              【次回配信日】
              【参考文献】
              【編集後記】

 
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   ○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○

    ◆ 【Clip!アカデミー】は、
     心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
     1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
     無料心理学メールマガジンです。
   
            ■ 基本サイクル ■
            第1週「出題号」… タネをまく
                 ↓  (基礎概念と論述問題)
 ※【今回はこちら!】 第2週「解答号」… 深める 
      ↓    (論述問題の解説)
            第3週「確認号」… つなげる
                 ↓    (関連諸分野から)
           第4週 基本的にお休み
         (特別号が配信される場合があります)
               ↓
            ■ 第2サイクルへ続く ■

   ○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  ○


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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 4ヶ月目 臨床心理学から
        「精神物理学的測定法(psychophysical methods)」

       ================

        0ヶ月目 (ガイダンス号)   
        1ヶ月目 心理学の歴史から
        2ヶ月目 基礎心理学から
3ヶ月目 応用心理学から
         4ヶ月目 臨床心理学から
  【NOW!】5ヶ月目 心理学研究法から 
   |
   |  ================
   ↓

 
  ~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
  
  前回出題した、論述問題の解答例を取り上げます。

  第1週で取り上げたテーマを、
  深めていくことが目的です。

  その中から、今度はテーマを心理学全体に
  広げていくためのきっかけが見つかるでしょう。

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2)【論述問題】
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「ミューラー・リヤー錯視の実験において、被験者調整法で錯視量を測定
 する場合、どのような手続きを取ればよいか。」
 

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3)【論述問題の解答】
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錯覚とは、
客観的な刺激と、知覚された対象との間に、
著しいズレが生じる現象であり、
特に心理学においては、知覚過程の特性上生じるものを指す。

ミューラー・リヤー錯視は、
視覚に生じる錯覚のなかで代表的なもので、
ふたつの同じ長さの直線(主線)が、
修飾的な線分(矢羽や直線)を加えることで、異なる長さに見える。

このとき、知覚に生じているふたつの主線の長さの違いを、
錯視量と呼ぶが、実験的手続きを通して、
平均的な錯視量を測定することができる。

被験者調整法を用いる場合の手続きとしては、
どちらかひとつの図形を標準刺激とし、
錯視を体験している被験者自身が、
もうひとつの図形の主線の長さ(比較刺激)を、
標準刺激と同じ長さに見えるまで、調整していけばよい。

調整の方法には様々な工夫が考えられるが、
図形からの距離や、矢羽の角度など、
統制すべき点に注意する必要がある。

近年では、コンピューター上で錯視を再現し、
主線の長さを変えられるプログラムを作成したり、
専用の実験器具が開発されたりもしている。

調整が終わったら、標準刺激と、比較刺激との間の差を測定する。

これが、その被験者に生じた錯視量となる。

錯視量を記録し、再度同様の手続きを取る。

調整法は、複数回の施行の平均値を取って、
それを錯視量とするため、平均誤差法とも呼ばれる。

ただし、調整法は、最も施行が簡便な反面、
誤差も大きいために、実習以外の実験においては、
単独で用いられることは少ない。


 
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4)【論述問題の解説】
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精神物理学的測定法の中でももっとも簡便な、
調整法の実際の用い方を紹介しました。

ミューラー・リヤー錯視においては、
実際には約2・3割ほどの錯視が生じるようです。

錯覚は、知覚の特性上生じるものであり、
我々の意思によってそれを変えることが出来ません。

そのため、逆に知覚の特性を調べるために、
盛んに研究されるようになりました。

特に錯視は、
図形によって簡単に引き起こすことが可能であるため、
よく用いられます。

この場合、主観的に生じている錯覚を、
数量化するために、
精神物理学的測定法が用いられることになります。

錯視量が数量化されることで、
様々な条件の変化によって、その錯視量がどのように変化するか、
という統計的な仮説検証も可能になります。

すなわち、主観的な現象(精神過程)を数量化し、
その変化を実験によって検証するという、
心理学のひとつのモデルケースが成立するわけです。

 
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【次回配信】
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   次回 【出題号】… 9月4日(火)にお送りする予定です。

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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣

● 実験とテスト=心理学の基礎(解説編)心理学実験指導研究会 著
  1985 培風館


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【編集後記】
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ミューラー・リヤー錯視は代表的な錯覚であり、
ほとんどどの教科書にも載っているので、
ここで実物を掲載する必要もないと思います。

それだけ、心理学のことを教えるためには、
よい教材だということでしょう。


ここでもやはり、
心理学実験の基礎や、その意味を教えるのに、
非常によい教材であることがお分かりになったと思います。

心理学が対象とするもの、
主観的な現象をどのように数量化しているのか、
条件の統制と、統計的手続き・・・。

科学としての心理学の、
まさに土台になっている要素ばかりで出来ているからです。


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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 
 http://www.clinicalpsychology.jp/  
 ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座に帰属します。   
 無断転載・転用を禁止します。

2007年8月21日火曜日

【Clip!アカデミー】第91回:出題号「心理学研究法から:精神物理学的測定法」

【Clip! アカデミー】 第91回 2007/8/21
第1週 出題号
「心理学研究法から:精神物理学的測定法(psychophysical methods)」

◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座
  http://www.clinicalpsychology.jp/
  
      ◆目次◆

           1)【現在地】
           2)【精神物理学的測定法
              (psychophysical methods)】
           3)【論述問題】
             【次回配信日】
             【参考文献】
             【編集後記】



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   ○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○

    ◆ 【Clip!アカデミー】は、
     心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
     1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
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            ■ 基本サイクル ■
 ※【今回はこちら!】 第1週「出題号」… タネをまく
                 ↓  (基礎概念と論述問題)
            第2週「解答号」… 深める 
      ↓    (論述問題の解説)
            第3週「確認号」… つなげる
                 ↓    (関連諸分野から)
           第4週 基本的にお休み
         (特別号が配信される場合があります)
               ↓
            ■ 第2サイクルへ続く ■

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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 4ヶ月目 臨床心理学から
        「精神物理学的測定法(psychophysical methods)」

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        0ヶ月目 (ガイダンス号)   
        1ヶ月目 心理学の歴史から
        2ヶ月目 基礎心理学から
3ヶ月目 応用心理学から
         4ヶ月目 臨床心理学から
  【NOW!】5ヶ月目 心理学研究法から 
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 ● 第1週「出題」号
  「心理学研究法から:
   精神物理学的測定法(psychophysical methods)」はコチラ↓


   ~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~

    今サイクルのテーマについて簡単にまとめるとともに、
    関連した論述問題を出題します。

    単に用語をまとめて暗記することに終わらず、
    そこから、自分独自の問いを立て、
    知識を広げていきましょう。

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2)【精神物理学的測定法(psychophysical methods)】
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今回は心理学研究法から、
「精神物理学的測定法(psychophysical methods)」
を通して、心理学について考えていきましょう。


==========用語説明==============

フェヒナーの精神物理学のために考案され、
感覚・知覚心理学の研究のために発展してきた研究法である。

感覚モダリティの閾値を測定し、
物理的刺激と被験者の反応の間の対応関係を、
尺度化することを目的としている。

フェヒナーの考案した調整法、極限法、恒常法、のほか、
スティーブンスのマグニチュード推定法などが
用いられている。

フェヒナーは、精神物理学的測定法を用いて、
主観的な感覚を数量化できたように、
いずれは感覚と精神(生理的興奮)の間の対応関係をも
同様に尺度化することを考えていた。

それは果たされることはなかったが、
主観的な心理的過程の一部を数量化し、
科学的に扱うことが出来ることを証明したことで、
ヴントをはじめとして、心理学の確立と発展を目指す人々に、
様々なインスピレーションを与えることになった。

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3)【論述問題】
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「ミューラー・リヤー錯視の実験において、被験者調整法で錯視量を測定
 する場合、どのような手続きを取ればよいか。」
 
 
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【次回配信】
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   次回 【出題号】… 8月28日(火)にお送りする予定です。

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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣

● 実験とテスト=心理学の基礎(解説編)心理学実験指導研究会 著
  1985 培風館


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【編集後記】
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これまで何度か登場している精神物理学的測定法ですが、
ここで、もう一度、きちんとご説明しておきたいと思います。

学部の心理学科においては、
ほとんどの場合、基礎的な実験の授業において、
精神物理学的測定法を用いた実験を実施し、
レポートを書かされることになります。

それくらい、実験心理学においては基本的な研究法です。

学部外から心理学の大学院を目指す場合、
こうした経験を得る場があまりありません。

ですから、なおさら、
頭の中で、きちんと理解しておく必要があるでしょう。



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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 
 http://www.clinicalpsychology.jp/  
 ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座に帰属します。   
 無断転載・転用を禁止します。

2007年8月7日火曜日

【Clip!アカデミー】第90回:確認号「臨床心理学から:幻肢(phantom limb)」

【Clip! アカデミー】 第90回 2007/8/7
第3週 確認号「臨床心理学から:幻肢(phantom limb)」

◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座
  http://www.clinicalpsychology.jp/

  
      ◆目次◆

            1)【現在地】
            2)【幻肢研究の広がり】
            3)【心理学とのつながり】
              【次回配信日】
              【参考文献】
              【編集後記】


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   ○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○

    ◆ 【Clip!アカデミー】は、
     心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
     1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
     無料心理学メールマガジンです。
   
            ■ 基本サイクル ■
            第1週「出題号」… タネをまく
                 ↓  (基礎概念と論述問題)
            第2週「解答号」… 深める 
      ↓    (論述問題の解説)
 ※【今回はこちら!】 第3週「確認号」… つなげる
                 ↓    (関連諸分野から)
           第4週 基本的にお休み
         (特別号が配信される場合があります)
               ↓
            ■ 第2サイクルへ続く ■

   ○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  ○

 

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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 4ヶ月目 臨床心理学から
             「幻肢(phantom limb)」

       ================

        0ヶ月目 (ガイダンス号)   
        1ヶ月目 心理学の歴史から
        2ヶ月目 基礎心理学から
3ヶ月目 応用心理学から
  【NOW!】 4ヶ月目 臨床心理学から
   |   5ヶ月目 心理学研究法から 
   |
   |  ================
   ↓



 ● 第3週「確認」号
  「臨床心理学から:幻肢(phantom limb)」はコチラ↓       

  ~~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~

  個々のテーマについて考えた後は、
  それを、より大きな視点から、捉えなおしていきましょう。

  心理学全体の視点から、そのテーマを考え直してみる。

  そうすると、違う文脈から、違うテーマが、次の問いが
  浮かび上がってくるかもしれません。

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2)【幻肢研究の広がり】
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●身体図式(body schema)

身体図式とは、視覚や触覚、体性感覚、運動感覚など、
様々な感覚情報から形成される、
意識下の働きとされる。

身体図式は、
我々の身体の空間内における姿勢や、
身体の各部位の間の位置関係に関する身体像(body image)を成立させている。

幻肢は、四肢の切断による、
新しい身体図式の学習が追いついていない間、
過去の身体像が残存してしまう現象である、という説もある。

身体像のゆがみは、
幻肢や麻痺といった、器質的な原因が明確なもの以外にも、
拒食症や、一部の発達障害(自閉症スペクトラムやADHDなど)
にも見ることが出来る。


●ラマチャンドランのミラーボックス

脳神経科学者のラマチャンドランは、
たとえば切断していない方の手を鏡に移し、
その動きが、存在していない幻肢の動きと重なるようにすることで、
幻肢を動かせるようになったり、消失したりする事例を報告している。

トリックであっても、視覚的に、幻肢が動いている、
という情報がフィードバックされることで、
身体像の変化が促されたと考えることが出来る。

ここから、幻肢治療のためのミラーボックスが開発され、
治療に利用されつつある。

●メルロ=ポンティの心身一元論

現象学の立場から、幻肢について考察し、
身体論の分野で大きな業績を残したメルロ・ポンティは、
デカルト以後の心身二元論への反論で知られている。

ポンティによれば、
我々は、身体としてあるのであり、
主観的な心と客観的な身体が、
別々に存在しているわけではない。

その根拠となるのが、
体験の主体でもあり、客体でもある、”私の身体”である。

そして、私の身体は、
習慣化によって、自転車や鉛筆、キーボードさえ、
自分の身体の一部として感じることが出来る。

それは、身体図式の延長ともいえる。

幻肢も、その意味では、古い習慣が、
消えずに残っている状態と表現することが出来る。

身体図式の変化と再構築という現象は、
旧来の人間観、身体観に代わる、
新しい人間の見方につながっていくことが考えられる。


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3)【心理学とのつながり】
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幻肢研究は、
現在、脳神経科学の領域での目覚しい発展によって
牽引されています。

ラマチャンドランの研究も、
脳神経科学に裏づけされたものですが、
彼の研究の視点は、徹底して臨床的な試行錯誤とともにあります。

現に、ミラーボックスはダンボールをくりぬき、
手を入れる穴を作ってから、鏡を真ん中に嵌めるだけ、
という、誰でも実験可能な構造です。

感覚や知覚の領域の研究は、
もともと、錯視や精神物理学的測定法など、
身近で出来る実験によって支えられてきました。

それは、感覚や知覚が、
主観と客観の中間に位置するためであり、
人間のあり方と世界のあり方について、
我々に多くのことを教えてくれるためなのです。


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【次回配信】
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   次回 【出題号】… 8月21日(火)にお送りする予定です。

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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣

● 脳のなかの幽霊 V・S・ラマチャンドラン、サンドラ・ブレイクスリー 
  著 山下篤子 訳 1999 角川書店

● メルロ=ポンティ 哲学者は詩人でありうるか? 熊野純彦 著
  2005 日本放送出版協会


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【編集後記】
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ラマチャンドランは脳神経科学者であり、
メルロ=ポンティは、哲学者です。

ふたりが幻肢を扱う目的は異なりますが、
共通するのは、その現象学的な視点の在りようであるといえるでしょう。

現象学は、
もともとは実存主義哲学において、
対象とするものを分析するための方法です。

現象学的還元を、”「  」(括弧)に入れる”
という言い方で表すことがありますが、
まずは、あらゆる物事を、日常的な捉え方、見方から開放して、
括弧に入れてみる。

そうすることで、括弧に入れた対象のありのままを、
観察し、分析できると考えたのです。

現象学的な視点、というときは、
哲学よりも、もう少し広い意味で、
既存の文脈から離れて、対象のありのままを見据えよう、
という視点として使われることが多いようです。

ラマチャンドランも、メルロ=ポンティも、
目の前にあるものを、ありのままに捉えようとするところから、
幻肢の治療法や、我々人間が「生きた身体」としてあること、
などを考えていきました。

こうしたスタンスは、
臨床の場、研究の場に限らず、
常に意識していたい点であると思います。


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