【Clip! アカデミー】 第121回 2008/5/20
第3週 展開号 「臨床心理学から:行動療法(Behavior Therapy)」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆ http://www.clinicalpsychology.jp/
◆目次◆
1)【現在地】
2)【行動変容のための様々な方法】
3)【解説:知識の展開】
【次回配信日】
【参考文献】
【編集後記】
※文中の図が正しく表示されない場合、等幅フォントでご覧ください※
メルマガの最後に【Outlook Express・Netscape Messengerの場合】
のフォント設定のやり方を載せてあります。
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○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○
◆ 【Clip!アカデミー】は、
心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
無料心理学メールマガジンです。
■ 基本サイクル ■
第1週「理論号」… 知識のタネをまく
↓ (用語説明から)
第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす
↓ (具体例を中心に)
※【今回はこちら!】 第3週「展開号」… 知識をつなげる
↓ (テーマを展開する)
第4週 基本的にお休み
(特別号が配信される場合があります)
↓
■ 第2サイクルへ続く ■
○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○
※ 【初めてお読みになる方は、こちらもご覧ください。】
● 0ヶ月目 ガイダンス号
http://clipseminar.blogspot.com/2007/04/clip.html
● 0ヶ月目 ガイダンス号2
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 3巡目4ヶ月目 臨床心理学から
「行動療法(Behavior Therapy)」
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0ヶ月目 (ガイダンス号)
1ヶ月目 心理学の歴史から
2ヶ月目 基礎心理学から1
3ヶ月目 基礎心理学から2
【NOW!】4ヶ月目 臨床心理学から
| 5ヶ月目 心理学研究法から
| ↓
| 【※違うテーマではじめから繰り返します。】
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↓
● 第1週「理論」号
「臨床心理学から:行動療法(Behavior Therapy)」はコチラ↓
http://clipseminar.blogspot.com/2008/05/119behavior-therapy.html
● 第2週「応用」号
「臨床心理学から:行動療法(Behavior Therapy)」はコチラ↓
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● 第3週「展開」号
「臨床心理学から:行動療法(Behavior Therapy)」はコチラ↓
~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
知識は、知識とつなげることで、はじめて意味を持ちます。
取り入れた知識を、自分の中に根付かせるためには、
他の知識とつなげていくことを同時にやらなければなりません。
展開号では、
これまでに紹介してきたテーマを、さらに展開していきます。
関連する様々なテーマを紹介することで、
立体的な理解と、
心理学の中での位置づけが、
容易になるでしょう。
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2)【行動変容のための様々な方法】
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●系統的脱感作法(systematic disensitization)
ウォルピの開発した不安や恐怖症の治療法。
病的な不安や恐怖は、
特定の刺激に対する、
条件づけられた反応として生起する場合がある。
系統的脱感作法では、
これらの条件刺激に、
不安や恐怖と拮抗する弛緩反応を条件付ける
ことにより、不安や恐怖を治療する効果がある。
その手続きとしては、
1:不安階層表などの尺度により、
不安の程度が強い順に刺激を階層化する。
2:クライエントは弛緩法を習得する。
3:クライエントは充分に弛緩した状態で、
不安の程度の低い順から、
不安を呼び起こす刺激をイメージする。
4:強い不安を引き起こすイメージに対しても
不安を感じなくなるまで、
充分にこのプロセスを繰り返し行う。
●トークンエコノミー
望ましい行動を身に着けるために、
トークン(代理貨幣)を用いた代理強化を行う方法。
オペラント行動を強化するには、
行動を増大させるような刺激となる
強化子を提示する必要がある。
しかし、タイミングよく、
ちょうどよい大きさの強化子を与え続けることは、
日常の中では難しい。
そこで、
効果の高い強化子
(たとえばご褒美としてのお菓子や、好きな遊びなど)
の代わりに、一定量溜まると、
ご褒美と交換できるトークンを用いる。
これによって、
望ましい行動を強化することが容易になる。
●バイオフィードバック
精神状態の指標となるような
脳波や心拍数などの生理的反応を
セルフコントロールする手続きを指す。
この際、生理的反応を知覚可能な刺激に変換する
テクノロジーを用いる点が特徴である。
たとえば、
α波をリラックスした精神状態の指標として
採用する場合、
α波を検知すると音を出す装置があればよい。
音が強化子となって、
α波が生じるような精神状態を生起するような
行動が強化されることになる。
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3)【解説:知識の展開】
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条件付けの理論から、
様々な行動変容のための方法が考案され、
効果を挙げています。
ウォルピの系統的脱感作法は、
蛇やクモが怖い、といった、
ハッキリした対象への病的な不安や恐怖が対象です。
不安状況を比較し、明確にイメージできるほど、
その効果は確かです。
行動療法に含まれますが、
イメージを用いるため、
イメージ療法に近い部分も持っています。
トークンエコノミーは、
障害児の療育にも取り入れられることが多いようです。
生活習慣の確立を目指す場合、
対象となる行動を実行可能な大きさに分けて、
トークンエコノミーなどを用いて段階的に、
身につけさせることを目指します。
日本で用いる場合、トークンよりも、
シールを集めて、何枚集まったら、
ご褒美と交換、という形が一般的です。
そう考えると、
小学校時代に掛け算の九九やラジオ体操などで、
お世話になった方も多いのではないでしょうか。
バイオフィードバックは、
専用のフィードバック装置が必要であり、
普段目にすることはすくないかもしれません。
リラックス時の脳波がα波であり、
禅僧の瞑想時によく出ている、
という趣旨の報告が一時期よく行われ、
バイオフィードバックによって
精神状態をコントロールする訓練が行われるようになりました。
現在では、緊張性頭痛の治療や、
リハビリテーションなど
の領域で用いられるようです。
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【次回配信】
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次回 【理論号】… 2008年6月3日(火)にお送りする予定です。
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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣
● 誠信 心理学辞典 外林大作 辻正三 島津一夫 能見義博 編
1981 誠信書房
● キーワードコレクション 心理学 重野純 編 1994 新曜社
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【編集後記】
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このように見てくると、
行動療法的なことは、
われわれの日常でも、
よく見かける事に気づきます。
子どもは、夜のトイレでも、
親といっしょであれば行くことが出来るし、
ポイントやマイルが溜まるサービスがあれば、
どうしてもそちらの方で
買い物をしてしまう、という方も多いでしょう。
行動療法的に、
自分や他人の行動を分析して、
それをコントロールしよう、という発想は、
巷にあふれています。
そうした発想はあまりに当たり前に
日常の中にあるので、
それが自明の理のように見えることもあります。
しかし今日の行動療法では、
人間は自分の行動も、他人の行動も、
完全にコントロールしきろう、
という前提には立っていません。
その事例において、
その人のために、たまたま役に立つ道具。
有効な分、
そのくらいに考えておくという、
心の遊びが必要なのかもしれません。
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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 http://www.clinicalpsychology.jp/ ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座 に帰属します。無断転載・転用を禁止します。
2008年5月20日火曜日
【Clip!アカデミー】第121回:展開号「臨床心理学から:行動療法(Behavior Therapy)」
2008年5月13日火曜日
【Clip!アカデミー】第120回:応用号「臨床心理学から:行動療法(Behavior Therapy)」
【Clip! アカデミー】 第120回 2008/5/13
第2週 応用号 「臨床心理学から:行動療法(Behavior Therapy)」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆ http://www.clinicalpsychology.jp/
◆目次◆
1)【現在地】
2)【ADHDへの行動療法的アプローチ】
3)【解説:知識の根っこ】
【次回配信日】
【参考文献】
【編集後記】
※文中の図が正しく表示されない場合、等幅フォントでご覧ください※
メルマガの最後に【Outlook Express・Netscape Messengerの場合】
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心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
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■ 基本サイクル ■
第1週「理論号」… 知識のタネをまく
↓ (用語説明から)
※【今回はこちら!】 第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす
↓ (具体例を中心に)
第3週「展開号」… 知識をつなげる
↓ (テーマを展開する)
第4週 基本的にお休み
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 3巡目4ヶ月目 臨床心理学から
「行動療法(Behavior Therapy)」
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0ヶ月目 (ガイダンス号)
1ヶ月目 心理学の歴史から
2ヶ月目 基礎心理学から1
3ヶ月目 基礎心理学から2
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~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
知識のタネをまいたら、
次にすることは、水をあげること。
いろいろな方向から刺激してあげることで、
知識を様々なイメージで膨らませていくことが出来るでしょう。
応用号では、
理論号で紹介した概念について、
今度は具体例などを紹介しながら肉付けしていきます。
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2)【ADHDへの行動療法的アプローチ】
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●「読んで学べるADHDのペアレントトレーニング
~むずかしい子にやさしい子育て~」
シンシア・ウィッタム著
から、落ち着きのないADHD児への
行動療法的アプローチの例について
検討してみましょう。
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5歳になるADHD(注意欠陥多動性障害)を持つ息子が、
電話をしているときでもお構いなしで騒ぎ続け、
いくらしかっても、
逆にちょっかいを出してきてとめられない
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という場合を想定してみます。
まず、子どもの行動を1週間ほど詳細に観察し、
●「してほしい行動」
●「してほしくない行動」
●「許しがたい行動」
に分類します。
これは、行動療法におけるもっとも
シンプルなアセスメントになっています。
「してほしい行動」を強化するための、
もっとも基本的な戦略として、
ここでは「ほめる」が挙げられます。
「してほしい行動」が、
「電話中はしずかにする」だったとすれば、
”うるさいとき”に怒るのではなく、
”しずかにしているとき”に、
「しずかにしていること」に対して、
そくざに「しずかにできてえらいね」と、
フィードバックすることが、それにあたります。
「ほめる」が有効に使えるようになったら、
次は「してほしくない行動」に対して、
「注意を取り去る」ことに進みます。
「してほしくない行動」が、
「電話中にうるさく騒ぐ」ことだったとすれば、
「騒ぐ」という行為に対して、
「騒ぐ」のをやめるまで一切の反応をせずに、
その行為に気づかないフリをします。
つまり、語弊はありますが、
一切の注意を向けずに、
”無視をする”ということです。
しずかにしているとほめてもらえ、
うるさくしていると自分に気づいてくれないようだ、
ということを学習すると、
次第に子どもはしずかにしているようになる、
というのが、このアプローチの概要です。
このふたつの方法に加えて、
「許しがたい行動」をする場合に用いる、
補助的な方法も紹介されています。
詳しくは、参考文献を参照してみてください。
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3)【解説:知識の根っこ】
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行動療法の中でも、
特にオペラント条件付けを中心とした、
アプローチの手順を簡単にご紹介しました。
参考文献の手続きは、
母親が自分自身で取り組めるように
構成されていることもあり、
非常に簡便なもので、特別な知識は必要ありません。
それでは、
これでうまく問題が解決するでしょうか。
おそらく、うまく行かない人も多いでしょう。
独学と、専門家との共同作業とでは、
どこが違うのでしょうか。
行動療法におけるアセスメントは、
生育暦や親子関係などを問題にするよりも、
具体的な行動について、
引き金となる状況、具体的な行動、周囲の反応、
などが詳細に検討されます。
それによって、
望ましくない行動を強化している要因、
すなわち強化子を特定し、
望ましい行動を強化するための手続きを
検討することが容易になります。
このプロセスが非常に重要であり、
取り組みの成否を分けることになるのです。
「ほめる」ことは、
オペラント条件付けにおいても、
もっとも一般的な強化子ですが、
行動療法的には、
いつ、どのタイミングで、どのような行動をほめるか、
すなわち、ターゲット行動を明確にしなければ、
効果は望めないとされています。
上述の電話の例では、
強化すべきなのは、
例外的に「電話中でもしずかにしている」ときです。
これは見過ごされている場合が多いため、
行動の観察と分析が重要となるのです。
「注意を取り去る」のは、
「してほしくない行動」を強化している強化子を、
取り去ることを目的としています。
それはたとえば、
怒りの表情や視線、激しい口調や叱責、
など、広い意味で、
「注目しているサイン」になります。
この場合も、
母親本人は、自分では無視しているつもりで、
子どもをにらみつけ、イライラしている様子
はまったく変わっていないことがあります。
そのため、
子どもの行動に変化がないならば、
何が強化子となっているのか、
再度検討しなおす必要が出てきます。
こうした、
行動の観察→分析→仮説の修正→リトライ
のプロセスをていねいに検証していくところが、
行動療法の強みであり、
行動療法を用いる心理療法家の
専門性であるといえるでしょう。
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【次回配信】
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次回 【展開号】… 2008年5月20日(火)にお送りする予定です。
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【参考文献】
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● 読んで学べるADHDのペアレントトレーニング
-むずかしい子にやさしい子育て シンシア・ウィッタム著
明石書店 2002
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【編集後記】
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参考文献は、
ADHDを対象にしていますが、
実際には、ADHDの児童に用いて成功すれば、
どんな子にも用いられる方法です。
また、オペラント条件付けが、
我々の生活の中で、
非常に自然に用いられているし、
用いることができることも
お分かりになったのではないでしょうか。
こうした汎用性の高さは、
行動療法の魅力のひとつです。
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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 http://www.clinicalpsychology.jp/ ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座 に帰属します。無断転載・転用を禁止します。
2008年5月6日火曜日
【Clip!アカデミー】第119回:理論号「臨床心理学から:行動療法(Behavior Therapy)」
【Clip! アカデミー】 第119回 2008/5/6
第1週 理論号 「臨床心理学から:行動療法(Behavior Therapy)」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆ http://www.clinicalpsychology.jp/
◆目次◆
1)【現在地】
2)【行動療法(Behavior Therapy)】
3)【解説:知識の種】
【次回配信日】
【参考文献】
【編集後記】
※文中の図が正しく表示されない場合、等幅フォントでご覧ください※
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心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
無料心理学メールマガジンです。
■ 基本サイクル ■
※【今回はこちら!】 第1週「理論号」… 知識のタネをまく
↓ (用語説明から)
第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす
↓ (具体例を中心に)
第3週「展開号」… 知識をつなげる
↓ (テーマを展開する)
第4週 基本的にお休み
(特別号が配信される場合があります)
↓
■ 第2サイクルへ続く ■
○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○
※ 【初めてお読みになる方は、こちらもご覧ください。】
● 0ヶ月目 ガイダンス号
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● 0ヶ月目 ガイダンス号2
http://clipseminar.blogspot.com/2007/09/94clip.html
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 3巡目4ヶ月目 臨床心理学から
「行動療法(Behavior Therapy)」
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0ヶ月目 (ガイダンス号)
1ヶ月目 心理学の歴史から
2ヶ月目 基礎心理学から1
3ヶ月目 基礎心理学から2
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~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
用語説明は、知識のタネです。
勉強、特に受験勉強においては、まずはたくさんのタネを
自分の脳の中にまかなければなりません。
タネは小さくてかまいません。
逆に、完ぺき主義はいい結果を生みません。
はじめはできるだけコンパクトな知識からはじめましょう。
しかし、そこで勉強は終わりではありません。
そこからが、勉強のスタートなのです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
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2)【行動療法(Behavior Therapy)】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今回は臨床心理学から、
「行動療法(Behavior Therapy)」
を通して、心理学について考えていきましょう。
============用語説明==============
行動療法は、
行動主義の影響の下で発展した学習理論を基礎に、
科学的検証のもとに、
個人の不適応行動の除去や、適応行動の強化など、
行動の変容を目指す心理療法的実践の、
総称である。
行動療法においては、
無意識や人格といった、
従来の心理療法において、
不適応行動の背後にあるとされてきた要因には触れない。
ターゲットとなる行動の、
動因やレパートリーを観察・分析し、
オペラント条件付けや古典的条件付け、モデリングなど、
学習理論の概念を用いて、
不適応行動を消去したり、
段階的に適応行動を形成していくことで、
問題の解決を目指す。
代表なものとしては、
古典的条件付けによって、
恐怖症の治療に特に効果を発揮する、
系統的脱感作法、
生起頻度は低いが望ましい行動を強化するためには、
目的行動をいくつかのスモールステップに分け、
段階的に行動を形成していくシェイピングの
手続きなどがよく知られている。
==============================
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3)【解説:知識の種】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
行動療法的なアプローチにおいては、
常に治療の効果を科学的に検証していくために、
特定の症状への治療手続きを洗練し、
パッケージ化していく傾向があります。
それが行動療法の発展とともに増えていくため、
ひとくくりに行動療法という言葉で
まとめられない広がりがあるといえるでしょう。
ウォルピの系統的脱感作法では、
古典的条件付けの理論に基づき、
対象に条件付けられた不安や恐怖の消去のために、
段階的に対象に暴露したり、
不安や恐怖に拮抗する筋弛緩反応を条件付けたり、
といった手続きが取られます。
シェイピングの手続きは、
スキナーによって、
適応的なオペラント行動の強化や
不適応な行動の消去のために
体系化されていったものです。
まずは系統だった観察から、
行動のレパートリーを明らかにし、
望ましい行動がどのようなとき、
どのような場所で、どのような理由によって
引き起こされているか、を把握します。
そのなかで、
何が適切な強化子となり、
何が不適切な強化子となっているか、を区別し、
有効な強化を与えるための、
適切なプログラムを作成することが必要になります。
こうした手続きは、
子どもたちや、特に言語や社会性に
トラブルを抱えた子どもたちに、
必要な生活習慣やコミュニケーションを教えるために、
有効な手法にもなっています。
このように、行動療法といっても、
実際には幅広く、様々な用途に用いられたり、
取り入れられたりしています。
また、今日では、
同様な立場にありながらも、
認知的な側面を重視する認知療法的なアプローチと
ともに、認知・行動療法という、
さらに大きなくくりに入れられたりすることもあります。
このように、その内実は若干入り組んでいます。
中身を自分で整理し、
関係を理解しておくと、
後の学習がやりやすくなるでしょう。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【次回配信】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
次回 【応用号】… 2008年5月13日(火)にお送りする予定です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣
● 誠信 心理学辞典 外林大作 辻正三 島津一夫 能見義博 編
1981 誠信書房
● キーワードコレクション 心理学 重野純 編 1994 新曜社
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【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
近年、医療においては、
エビデンス・ベイスド・メディスン、
すなわち、科学的根拠に基づいた医療が重視される
風潮にあります。
心理療法においても、
臨床現場における工夫や実践が
その治療的効果の土台にあるのは確かですが、
同時に、効果の科学的根拠が厳しく求められる
ようになってきています。
この流れは、
臨床心理士という資格が社会的に認知されるにつれ、
社会的責任という形においても、
増しはすれども、減りはしないでしょう。
資格の規定の中に、
研究者としての役割が明記されていることからも、
それが分かるでしょう。
治療的効果のみならず、
その意味でも、
行動療法が臨床心理学に突きつけている
問いの意義は大きいものといえます。
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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 http://www.clinicalpsychology.jp/ ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座 に帰属します。無断転載・転用を禁止します。