【Clip! アカデミー】 第118回 2008/4/22
第3週 展開号 「基礎心理学から2:学習(learning)」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆ http://www.clinicalpsychology.jp/
◆目次◆
1)【現在地】
2)【学習研究のレパートリー】
3)【解説:知識の展開】
【次回配信日】
【参考文献】
【編集後記】
※文中の図が正しく表示されない場合、等幅フォントでご覧ください※
メルマガの最後に【Outlook Express・Netscape Messengerの場合】
のフォント設定のやり方を載せてあります。
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○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○
◆ 【Clip!アカデミー】は、
心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
無料心理学メールマガジンです。
■ 基本サイクル ■
第1週「理論号」… 知識のタネをまく
↓ (用語説明から)
第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす
↓ (具体例を中心に)
※【今回はこちら!】 第3週「展開号」… 知識をつなげる
↓ (テーマを展開する)
第4週 基本的にお休み
(特別号が配信される場合があります)
↓
■ 第2サイクルへ続く ■
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 3巡目3ヶ月目 基礎心理から2
「学習(learning)」
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0ヶ月目 (ガイダンス号)
1ヶ月目 心理学の歴史から
2ヶ月目 基礎心理学から1
【NOW!】3ヶ月目 基礎心理学から2
| 4ヶ月目 臨床心理学から
| 5ヶ月目 心理学研究法から
| ↓
| 【※違うテーマではじめから繰り返します。】
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~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
知識は、知識とつなげることで、はじめて意味を持ちます。
取り入れた知識を、自分の中に根付かせるためには、
他の知識とつなげていくことを同時にやらなければなりません。
展開号では、
これまでに紹介してきたテーマを、さらに展開していきます。
関連する様々なテーマを紹介することで、
立体的な理解と、
心理学の中での位置づけが、
容易になるでしょう。
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2)【学習研究のレパートリー】
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● 社会的学習
バンデューラは、
他者(モデル)の行動を模倣することで成立する、
モデリングの理論から学習を捉えた。
モデリングにおける学習は、
本人が行動の強化を受けなくても学習が成立する。
これを代理強化と呼ぶ。
また、学習した行動は、
すぐに実行に移されるわけではなく、
自分の行動のレパートリーの中に組み込まれる。
この際、代理強化に加えて、
自分の内的な基準と
照らし合わせて、自分で自分に与える自己強化や、
環境から自分に直接与えられる外的強化によって、
行動が制止されたり、誘発されたりする。
● 洞察学習
ケーラーが、
道具を組み立てなければバナナが取れない、
という状況を与えたところ、
類人猿は、
事前に問題解決の手順を組み立てていたかのように
振舞った。
ここからケーラーは、
学習を、問題の解決に含まれる様々なプロセスの間の、
機能的関係について洞察するプロセスと考えた。
洞察学習では、
学習は一歩一歩手探りで前進するのではなく、
問題解決への見通しを得ることで、
認知構造の再体制化が行われ、一気に生じると考えられる。
● 受容学習と発見学習
教育心理学の分野では、
様々な学習方略が研究されている。
学習者の側から見たとき、
知識をどのように習得するか、という点については、
代表的な教授方略として、
有意味受容学習と発見学習がある。
受容学習においては、
学習者は教師の提示した知識を、
受容することで学習が成立する。
したがって、
いかに効率よく、理解しやすく知識を伝達し、
受容させるか、が問題となる。
発見学習においては、
学習者は、知識が成立する過程を踏まえて、
その知識を再発見することが求められる。
そのためには、
教材の提供の仕方や、学習者自身に探求させる場の作り方、
動機付けの高め方などが問題となる。
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3)【解説:知識の展開】
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はじめのふたつのトピックスは、
学習の基本原理に関する研究であり、
最後のひとつは、実際の教育の場における、
教え方に関する研究の代表的なものでした。
3つに共通する方向性をひとつ挙げるとすると、
それは、学習を条件付けとしてというより、
認知構造の変化として考えている点でしょうか。
両者は必ずしも矛盾するものではありませんが、
バンデューラのモデリング理論においても、
刺激と反応は一対一対応ではなく、
学習の結果は必ずしも行動の変容ではありません。
その意味でケーラーの洞察学習は、
ゲシュタルト学派の学習理論として、
認知構造の再体制化を強調した点において、
のちの認知心理学的な学習の概念に、
先鞭をつけることになりました。
発見学習や受容学習も、
こうした認知心理学的な問題意識を受けて
提唱されたものです。
このように、学習の研究は多岐に渡っています。
しかも、心理学の業績を分かりやすい形で
社会に還元できたという意味で、
心理学にとってとても重要な意味を持っているといるでしょう。
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【次回配信】
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次回 【応用号】… 2008年5月6日(火)にお送りする予定です。
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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣
● 誠信 心理学辞典 外林大作 辻正三 島津一夫 能見義博 編
1981 誠信書房
● キーワードコレクション 心理学 重野純 編 1994 新曜社
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【編集後記】
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今回は、「行動」に続いて、
「学習」という大きなテーマを3回でご紹介しました。
学習心理学は、
基礎心理学の中でも、特に重要な領域です。
そのために、
まずは基本的な専門用語について、
理解しておく必要があるでしょう。
ここまでは、受容学習。
しかし、
「学習」をめぐる心理学の歴史は、
単に学習に関する心理学というだけでなく、
心理学全体に深く関わっています。
そもそも、「行動」とは?
そもそも、「学習」とは?
という問いは、
その道筋をたどる、
発見学習を通して、
様々な発見と疑問をもたらしてくれるでしょう。
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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 http://www.clinicalpsychology.jp/ ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座 に帰属します。無断転載・転用を禁止します。
2008年4月22日火曜日
【Clip!アカデミー】第118回:展開号「基礎心理学から2:学習(learning)」
2008年4月15日火曜日
【Clip!アカデミー】第117回:応用号「基礎心理学から2:学習(learning)」
【Clip! アカデミー】 第117回 2008/4/15
第2週 応用号「基礎心理学から2:学習(learning)」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆ http://www.clinicalpsychology.jp/
◆目次◆
1)【現在地】
2)【ふたつの条件づけ理論】
3)【解説:知識の根っこ】
【次回配信日】
【参考文献】
【編集後記】
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心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
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■ 基本サイクル ■
第1週「理論号」… 知識のタネをまく
↓ (用語説明から)
※【今回はこちら!】 第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす
↓ (具体例を中心に)
第3週「展開号」… 知識をつなげる
↓ (テーマを展開する)
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 3巡目3ヶ月目 基礎心理から2
「学習(learning)」
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0ヶ月目 (ガイダンス号)
1ヶ月目 心理学の歴史から
2ヶ月目 基礎心理学から1
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~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
知識のタネをまいたら、
次にすることは、水をあげること。
いろいろな方向から刺激してあげることで、
知識を様々なイメージで膨らませていくことが出来るでしょう。
応用号では、
理論号で紹介した概念について、
今度は具体例などを紹介しながら肉付けしていきます。
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2)【ふたつの条件づけ理論】
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前回の理論号では、
学習の生理的基盤や、
生得的要因との関係に触れました。
生得的要因の影響が強い学習は、
刻印づけなどの初期学習に見られるように、
まだ成熟していない個体が
生きていくために必要な学習を、
生得的な要因によって準備しているために生じます。
一方、パブロフの唾液反射の実験や、
ワトソンのアルバート坊やの実験などに見られる
古典的条件づけの理論でも、
唾液反射や、驚愕反応など、
生得的に備わっている行動が重要な役割を果たしています。
新行動主義者として知られるスキナーは、
学習によって身につけられる条件反射が、
●先行する刺激によって受動的に形成されるか、
●能動的な行動が結果的に条件反射になるか、
という違いから区別しています。
古典的条件づけでは、
驚愕反応を引き起こすような刺激が先行しています。
まず最初に刺激が存在し、
刺激への反射として驚愕反応が生じ、
そこに他の刺激が結びつくのです。
そのため、
お昼寝の時間になると同じメロディが鳴り出したり、
もう帰ってほしい時間になると蛍の光が鳴り出したりすると、
なんとなくその刺激に結びついた反応が
引き起こされてしまうことになります。
一方で、
我々が一般的にイメージする意味での「学習」に
大きな貢献をしたのは、
もうひとつの条件づけ理論である、
オペラント条件付けの理論です。
スキナーがソーンダイクの問題箱を改良して作成した
スキナー箱の場合、
プロセスはまず最初に箱の中のネズミが、
なんらかの行動(例えば中のレバーを押す)をとることから始ります。
この場合、
行動主義的な学習理論では、
ネズミの意図や意思は重要されません。
行動に続いて、
何らかの刺激(餌や電気ショック)が与えられると、
ここでも驚愕反応や唾液反射のような、
生得的な反応が生じます。
その繰り返しの結果、
レバーと餌→食べるという行動(無条件刺激-無条件反射)
の間に条件づけが成立します。
そのため、
オペラント条件づけにおいては、
まずはじめに、
「自分が行動した」という前提が常に存在します。
自分が行った行動への環境側からの返答によって、
またやったり、もうやめたりする。
朝「おはよう」と声をかけたら、
愛想のよい「おはよう!」が帰ってくると、
まだ挨拶しようと思う、ということが起こります。
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3)【解説:知識の根っこ】
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ふたつの学習理論は、
一見対照的に見えます。
一方では、
「主体」は受動的に「条件づけられている」
ように感じられます。
他方では、
「主体」は能動的に
自分の行動を制御しているように感じられます。
おそらく、一般的な意味での「学習」は、
ふたつめのような意味合いで使われることが多いでしょう。
能動的に知識や行動を学びとっていく、
その前提には、主体的で自発的な存在としての人間がいます。
しかし、実際にはどちらも、
環境からの刺激に反応している、
という点では違いはありません。
あいさつの話にしても、
相手から「愛想のよい返事」が返ってきた
ことが、「あいさつ」という行動の生起水準を
高めるのであって、
そこには、いかなる主体的な存在や、
”自発的な”行動は仮定されていません。
逆にいえば、
そういったものを仮定しなくても、
動物や人間が日々おこなっている学習というものが説明できる、
という点が、学習理論の大きな成果であるともいえます。
つまり、
ある行動を学習したい・させたい場合、
人間の「根性」や「やる気」を発揚させるよりも、
まずは環境を整えることの方が、
学習には有益である、ということです。
このように、
現実的な教訓に着地しましたが、
もちろん、このような理論は、
実際に人間の行動を制御する上で効果があっただけ、
ほかにも様々な議論を巻き起こしましたし、
その多くは、今でも明確な結論が出ていないないものが多くあります。
皆さんはどんな印象を受けますか?
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【次回配信】
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次回 【展開号】… 2008年4月22日(火)にお送りする予定です。
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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣
● 誠信 心理学辞典 外林大作 辻正三 島津一夫 能見義博 編
1981 誠信書房
● 心理学の基礎知識 東洋 大山正 詫摩武俊 藤永保 編
1970 有斐閣
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【編集後記】
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前回理論号でも触れたように、
学習には様々な側面があり、
学習に関する統一理論というものは、
現在に至るまで体系づけられていません。
しかしその中で、
一般に学習理論と呼ばれる一連の理論があり、
研究があります。
それが行動主義における学習の理論です。
もっとも、「学習理論」という呼称は、
心理学的な意味では現在あまり用いられていないかもしれません。
とはいえ、「学習」の領域は、
基礎心理学の領域において
古くから熱心に取り組まれてきた領域であり、
学習の基礎を学ぶ上で、
学習理論を省くことはできないでしょう。
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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 http://www.clinicalpsychology.jp/ ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座 に帰属します。無断転載・転用を禁止します。
2008年4月8日火曜日
【Clip!アカデミー】第116回:理論号「基礎心理学から2:学習(learning)」
【Clip! アカデミー】 第116回 2008/4/8
第1週 理論号 「基礎心理学から2:学習(learning)」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆ http://www.clinicalpsychology.jp/
◆目次◆
1)【現在地】
2)【学習(learning)】
3)【解説:知識の種】
【次回配信日】
【参考文献】
【編集後記】
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◆ 【Clip!アカデミー】は、
心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
無料心理学メールマガジンです。
■ 基本サイクル ■
※【今回はこちら!】 第1週「理論号」… 知識のタネをまく
↓ (用語説明から)
第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす
↓ (具体例を中心に)
第3週「展開号」… 知識をつなげる
↓ (テーマを展開する)
第4週 基本的にお休み
(特別号が配信される場合があります)
↓
■ 第2サイクルへ続く ■
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 3巡目3ヶ月目 基礎心理から2
「学習(learning)」
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1ヶ月目 心理学の歴史から
2ヶ月目 基礎心理学から1
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| 4ヶ月目 臨床心理学から
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| 【※違うテーマではじめから繰り返します。】
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~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
用語説明は、知識のタネです。
勉強、特に受験勉強においては、まずはたくさんのタネを
自分の脳の中にまかなければなりません。
タネは小さくてかまいません。
逆に、完ぺき主義はいい結果を生みません。
はじめはできるだけコンパクトな知識からはじめましょう。
しかし、そこで勉強は終わりではありません。
そこからが、勉強のスタートなのです。
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2)【学習(learning)】
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学習とは、
経験によって個体内で生じる
比較的永続的な行動の変容であり、
生理的変化としての発達や成熟とは区別される。
また、疲労や空腹による行動の変容も、
それ自体は一時的なものとして、
学習からは除外される。
生得的行動に含まれる本能や反射が、
主に遺伝的要因に規定されるのに対し、
学習によって習得された行動は、
経験や環境によって規定される部分が大きい。
また、原生生物や虫類などが、
比較的単純な生得的行動に大きく依存するのに対し、
魚類や爬虫類、鳥類などは複雑な本能的行動を発達させており、
哺乳類や霊長類に至っては、
学習に基づく習得的行動が重要な役割を占めている。
走性や反射といった生得的行動は、
中枢神経を介さず刺激が直接行動を引き起こす。
一方、学習によって習得される行動の多くは、
刺激が中枢神経による複雑な処理を経て引き起こされる。
その処理のメカニズムやプロセスを
解明することが、
学習を研究することの重要なテーマとなる。
そのアプローチは、
以下のように多岐に及んでいる。
●パブロフの条件付け実験に代表される、
行動主義的なアプローチ
●エビングハウスの無意味綴りの実験に代表される、
記憶や知覚など、個々の認知機能や、
技能習得に関する研究
●学習における生得的要因を重視した
エソロジーや発達心理学における研究
●人工知能やニューラルネットワークなどを通した、
高次認知機能についての研究
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3)【解説:知識の種】
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学習理論というと、
行動主義的な条件付け理論が思いつくほどに、
学習の分野における
行動主義の貢献と影響は大きいのですが、
一歩引いて俯瞰的な視点から全体を捉えることにも、
大きな意味があります。
そのとき、
とくに生得的な行動と、
習得的な行動という対立軸は、
両者の違いを明確にしてくれる、
という意味で有用な視点となるでしょう。
現に、学習に関する研究自体が、
人間はどこまでが経験によって規定されているのか、
どこまでが、
学習によって変えられるのか、
という問題関心に、
大きく牽引されてきたということが出来ます。
その過程で、
氏か育ちか、についての議論が、
主に行動主義者と発達心理学者の間で
繰り返し行われました。
現在では、
生得的に大きく規定された本能的行動も、
学習と無関係には成立せず、
学習においても、
生得的な基盤が無視できないことは、
共通の了解事項になっています。
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【次回配信】
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次回 【応用号】… 2008年4月15日(火)にお送りする予定です。
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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣
● 誠信 心理学辞典 外林大作 辻正三 島津一夫 能見義博 編
1981 誠信書房
● キーワードコレクション 心理学 重野純 編 1994 新曜社
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【編集後記】
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人間を規定するものは何か、と問うた時、
環境か遺伝か、氏か育ちか、
という議論は、
心理学に限らず、
人類にとって長年の関心事になってきました。
人間は環境に規定され、
学習によって変えられる、
という考え方は、
人間の資質を、
階級や社会階層に帰属させてきた
社会にとっては、
単なる学問上の議論には終わらなかったためです。
ただし、
新しい視点とは、
ある程度偏った断定や区別から、
エネルギーを得なければ、
生み出されないものかもしれない、
というう点については、
常に意識している必要があるでしょう。
たとえ完全に正しいとは思っていなくても、
必要悪として「言い切る」ということは、
ときに必要になることがあります。
それが学説として、
歴史的に残ってしまうところに、
学問の難しさがあるかもしれません。
皆さんはそれをどう感じますか。
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