【Clip! アカデミー】 第134回 2008/9/23
第1週 理論号 「臨床心理学から:ゲシュタルト療法(Gestalt Therapy)」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆ http://www.clinicalpsychology.jp/
◆目次◆
1)【現在地】
2)【ゲシュタルト療法(Gestalt Therapy)】
3)【解説:知識の種】
【次回配信日】
【参考文献】
【編集後記】
※文中の図が正しく表示されない場合、等幅フォントでご覧ください※
メルマガの最後に【Outlook Express・Netscape Messengerの場合】
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○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○
◆ 【Clip!アカデミー】は、
心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
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■ 基本サイクル ■
※【今回はこちら!】 第1週「理論号」… 知識のタネをまく
↓ (用語説明から)
第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす
↓ (具体例を中心に)
第3週「展開号」… 知識をつなげる
↓ (テーマを展開する)
第4週 基本的にお休み
(特別号が配信される場合があります)
↓
■ 第2サイクルへ続く ■
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 4巡目4ヶ月目 臨床心理学から
「ゲシュタルト療法(Gestalt Therapy)」
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0ヶ月目 (ガイダンス号)
1ヶ月目 心理学の歴史から
2ヶ月目 基礎心理学から1
3ヶ月目 基礎心理学から2
【NOW!】4ヶ月目 臨床心理学から
| 5ヶ月目 心理学研究法から
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| 【※違うテーマではじめから繰り返します。】
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~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
用語説明は、知識のタネです。
勉強、特に受験勉強においては、まずはたくさんのタネを
自分の脳の中にまかなければなりません。
タネは小さくてかまいません。
逆に、完ぺき主義はいい結果を生みません。
はじめはできるだけコンパクトな知識からはじめましょう。
しかし、そこで勉強は終わりではありません。
そこからが、勉強のスタートなのです。
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2)【ゲシュタルト療法(Gestalt Therapy)】
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今回は臨床心理学から、
「ゲシュタルト療法(Gestalt Therapy)」
を通して、心理学について考えていきましょう。
============用語説明==============
ゲシュタルト療法とは、
精神科医のフレデリック・パールズが提唱した
心理療法である。
精神分析やゲシュタルト心理学、
実存主義思想など、
様々な哲学、心理学の影響を受けているが、
その基本思想は、
「今、ここ(here and now)」の重視や、
「図と地の転換」に見ることが出来る。
ゲシュタルト療法では、
クライエントが「今、ここ」に留まり、
そこで感じていることを十全に味わい、
体験することを重視する。
また、問題状況を、
前面に出ている問題(=図)と、
その背景(=地)が、固定して動かない状態か、
逆に状況を図と地に分けて、
全体としてひとつのゲシュタルト(形態)にまで体制化
できていない状態であると考えた。
ルビンの壺と呼ばれる白と黒の図形が、
白い部分に注目するか、
黒い部分に注目するか、
によって、まったく異なる全体像が浮き上がるように、
問題以外の部分に注目していく中で、
問題を含む全体の状況の意味づけが変わってしまうことがある。
これを、図と地の転換や、
ゲシュタルトの再体制化と呼んだ。
こうした鍵概念を元に、
ホットシートや、エンプティーチェアなど、
感情を強調し、わざと怒らせるような、
過激な技法を駆使するところに独自性がある。
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3)【解説:知識の種】
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今回は、ゲシュタルト療法のご紹介です。
ゲシュタルト療法という名前はついていますが、
ヴェルトハイマーやコフカら、
ゲシュタルト学派と直接の関係はないようです。
様々な思想や心理学に影響を受けており、
用いる技法も様々です。
ゲシュタルト心理学を直接心理療法に応用したというより、
ゲシュタルトの再体制化を目指す、
といったニュアンスを表現している、
と見たほうがいいかもしれません。
フレデリック・パールズは、
その有能な手腕とともに、
非常にアクの強い臨床家として知られています。
特に、
カウンセリングの教材としてよく用いられるビデオ教材
『グロリアと3人のセラピスト』では、
来談者中心療法の創始者カール・ロジャーズや、
論理療法の創始者アルバート・エリスに対して、
さかんにクライエントを挑発し、
感情を引き出します。
感情を引き出される中で、
クライエントは
今ここで体験していることを、
最大限表現したり、
自分の非言語的なサインと言語的なサインの
ギャップに気づいていきます。
それを通して、
硬直した視点が柔軟性を取り戻し、
自分が置かれている状況を、
それまでとは違った形で捉えることができれば、
問題は、もはや問題とは言えなくなります。
この、
今まで問題だとばかり思っていたことが、
実はそうではなかった、
という気づきは、驚くべきものです。
これがゲシュタルトの再体制化です。
こうした考え方は、
他の心理療法にも影響を与えており、
現在では、いわば心理療法全体の、
共有財産とでもいうべきものかもしれません。
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【次回配信】
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次回 【応用号】… 2008年9月30日(火)にお送りする予定です。
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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣
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【編集後記】
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実は、ゲシュタルト学派だけでいえば、
家族療法にこそ、
大きな影響が見られるようにも思われます。
家族システムや、社会システムを
もっとも重視するのが、
家族療法だからです。
ただし、
初学者であれば、
「ゲシュタルト」と聞いて、
すぐに思い浮かぶのは
やはりゲシュタルト療法の方でしょう。
ゲシュタルト心理学と、
ゲシュタルト療法の違いや、
関連性がよく分からない、
とお思いになった方もいると思います。
その整理に役立てるために、
やはりこうした形でご紹介した次第です。
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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 http://www.clinicalpsychology.jp/ ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座 に帰属します。無断転載・転用を禁止します。
2008年9月23日火曜日
【Clip!アカデミー】第134回:理論号「臨床心理学から:ゲシュタルト療法」
2008年9月9日火曜日
【Clip!アカデミー】第133回:展開号「基礎心理学2:認知的斉合性理論」
【Clip! アカデミー】 第133回 2008/9/9
第3週 展開号 「基礎心理学2:認知的斉合性理論(cognitive consistency theory)」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆ http://www.clinicalpsychology.jp/
◆目次◆
1)【現在地】
2)【認知的斉合性理論の展開】
3)【解説:知識の展開】
【次回配信日】
【参考文献】
【編集後記】
※文中の図が正しく表示されない場合、等幅フォントでご覧ください※
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心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
無料心理学メールマガジンです。
■ 基本サイクル ■
第1週「理論号」… 知識のタネをまく
↓ (用語説明から)
第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす
↓ (具体例を中心に)
※【今回はこちら!】 第3週「展開号」… 知識をつなげる
↓ (テーマを展開する)
第4週 基本的にお休み
(特別号が配信される場合があります)
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 4巡目3ヶ月目 基礎心理学から2
「認知的斉合性理論(cognitive consistency theory)」
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0ヶ月目 (ガイダンス号)
1ヶ月目 心理学の歴史から
2ヶ月目 基礎心理学から1
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知識は、知識とつなげることで、はじめて意味を持ちます。
取り入れた知識を、自分の中に根付かせるためには、
他の知識とつなげていくことを同時にやらなければなりません。
展開号では、
これまでに紹介してきたテーマを、さらに展開していきます。
関連する様々なテーマを紹介することで、
立体的な理解と、
心理学の中での位置づけが、
容易になるでしょう。
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2)【認知的斉合性理論の展開】
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●ABX理論
ニューカムの提唱したであり、
ハイダーのバランス理論(POX理論)に近い立場である。
ある対象(X)に対する人物AとBの態度や感情は、
A-B-Xシステムとして表現される。
このシステムを構成する
それぞれの関係性(A-X、B-X間の態度、A-B間の関係)
は、それぞれ(+)、(-)で表されるが、
全体の積が(+)、
すなわち、均衡状態になるように、
AとBの間ではコミュニケーションが生じる。
これによって全体のシステムがバランスするように、
態度変容が生じると考える。
バランス理論と異なり、
人物Pの内部だけでなく、
システム全体の関係性の変化を重視する点が
特徴といえる。
●自己肯定化
認知的不協和理論への批判として、
スティールによって提唱された理論である。
人間は、
自分が環境に適応しており、
倫理的に適切で、有能であるという
自己イメージを維持しようとする。
こうした自己イメージの一部が傷つけられると、
自己を肯定する過程が脅かされることになる。
フェスティンガーの提唱する
認知的不協和の解消は、
再び安定を取り戻すために、
傷ついた一部分を守るより、
全体としての自己イメージを肯定できるような対処を
取る過程として説明できるとする。
●自己知覚理論
ベムが提唱した、
個人が自己の感情や態度を
知覚する過程についての理論である。
自己知覚理論では、
自己の行動を推測する過程は、
他者の行動を推測する過程と、
ほとんど変わらないと考える。
個人は、自己の内的な状態を、
他者の行動からその人の内的な状態を推測するように、
自分の行動や状況などから推測する。
状況の側に、
自分の行動を説明できるような要因(命令や報酬など)
がない場合、
自分の行動は、自分の感情や欲求から
生じたものだ、と推測することが出来る。
認知的不協和理論への批判を行い、
フェスティンガーと論争を行った。
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3)【解説:知識の展開】
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認知的斉合性理論は、
ハイダーのバランス理論、
フェスティンガーの認知的不協和理論を
代表として、新しい分野を切り開き、
それまで説明できなかった様々な社会現象を、
研究する手段を提供しました。
そこから、
システム全体の斉合性の崩れと回復
というイメージを応用したり、
そうしたイメージに対抗する形で
理論を立ち上げる人たちが、
数多く出てくることになりました。
特に、
フェスティンガーの認知的不協和理論は、
多くの社会心理学者に受け入れられ、
様々な不協和の条件が、
実験で検証されることになりましたが、
一方では、
様々な批判によっても、
研究を活性化することになりました。
たとえば、
フェスティンガーは、
認知的不協和理論を実証するために
様々な実験を行いましたが、
ベムの自己知覚理論は、
その結果を別の形で解釈できる、
と批判しました。
たとえば、
同じ作業に対する報酬として、
1ドルもらった場合と、20ドルもらった場合。
1ドルの方が、
作業と報酬が不協和を起こすため、
代わりに「作業へのやりがい」を高く評価することで、
それを回避する、
と認知的不協和理論は考えます。
一方、自己知覚理論では、
個人が自分の行動の動機を解釈し、
説明する際に、
どのような情報を持っているかを重視します。
20ドルもらった場合、
報酬が、作業への動機付けとして十分であるため、
「作業へのやりがい」は、高く評価されません。
しかし、
そうした情報がない1ドルの方は、
個人は自分の動機を、
自己の内的状態からしか推測できない。
そのため、
「作業へのやりがい」を、
高く評価せざるを得ない、と考えたのです。
こうしたベムの自己知覚の考え方は、
自分の行動の原因を、何に帰属させるか、
という、帰属理論に近いものがあります。
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【次回配信】
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次回 【理論号】… 2008年9月23日(火)にお送りする予定です。
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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣
● キーワードコレクション心理学 重野純 編 1999 新曜社
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【編集後記】
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認知的斉合性理論は、
個人の態度変容や
動機を理解するための、
ひとつの考え方として役に立ちます。
その意味では、
かなり実践的な研究であり、
さすがは、応用心理学としての
社会心理学の面目躍如といったところでしょう。
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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 http://www.clinicalpsychology.jp/ ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座 に帰属します。無断転載・転用を禁止します。
2008年9月4日木曜日
【Clip!アカデミー】第132回:応用号「基礎心理学2:認知的斉合性理論」
【Clip! アカデミー】 第132回 2008/9/4
第2週 応用号 「基礎心理学2:認知的斉合性理論(cognitive consistency theory)」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆http://www.clinicalpsychology.jp/
◆目次◆
1)【現在地】
2)【認知的斉合性理論(cognitive consistency theory)】
3)【解説:知識の根っこ】
【次回配信日】
【参考文献】
【編集後記】
※文中の図が正しく表示されない場合、等幅フォントでご覧ください※
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◆ 【Clip!アカデミー】は、
心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
無料心理学メールマガジンです。
■ 基本サイクル ■
第1週「理論号」… 知識のタネをまく
↓ (用語説明から)
※【今回はこちら!】 第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす
↓ (具体例を中心に)
第3週「展開号」… 知識をつなげる
↓ (テーマを展開する)
第4週 基本的にお休み
(特別号が配信される場合があります)
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■ 第2サイクルへ続く ■
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※ 【初めてお読みになる方は、こちらもご覧ください。】
● 0ヶ月目 ガイダンス号
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【配信ミスのお詫び】
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今回の、
【Clip!アカデミー】第132回は、
本来9月2日に配信予定のものでした。
配信ミスがありましたことを、
読者の皆様にお詫びいたします。
Clip!アカデミー事務局
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 4巡目2ヶ月目 基礎心理学から2
「認知的斉合性理論(cognitive consistency theory)」
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0ヶ月目 (ガイダンス号)
1ヶ月目 心理学の歴史から
2ヶ月目 基礎心理学から1
【NOW!】3ヶ月目 基礎心理学から2
| 4ヶ月目 臨床心理学から
| 5ヶ月目 心理学研究法から
| ↓
| 【※違うテーマではじめから繰り返します。】
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「認知的斉合性理論(cognitive consistency theory)」はコチラ↓
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「認知的斉合性理論(cognitive consistency theory)」はコチラ↓
~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
知識のタネをまいたら、
次にすることは、水をあげること。
いろいろな方向から刺激してあげることで、
知識を様々なイメージで膨らませていくことが出来るでしょう。
応用号では、
理論号で紹介した概念について、
今度は具体例などを紹介しながら肉付けしていきます。
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2)【認知的斉合性理論(cognitive consistency theory)】
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AさんとBさんの場合。
AさんがBさんに恋をしたとしましょう。
AさんとBさんの関係が、
それからどのように変化していくのか。
これは、社会心理学では態度変容
の問題として扱うことが出来ます。
AさんはBさんと付き合ううちに、
当然、Bさんの様々な側面を見ることになります。
うどんよりそばが好きだったり、
朝ごはんは和食よりパン食だったり、
おごるより割り勘で2回デートするほうがいい、
という考えを持っているかもしれません。
あるとき、
待ち合わせに早くつきすぎたAさんは、
Bさんが喫煙所でおいしそうにタバコを
吸っているところを見てしまいます。
そう、Bさんは、
これまでAさんの前でタバコを吸うことを
我慢していたのですが、
Aさんと出会う前は、
かなりのヘビースモーカーだったのです。
これを知ったAさんには、
どのような選択肢があるでしょうか。
「タバコを吸っていることを非難する」
「見て見ぬふりをする」
「Bさんを嫌いになる」
などが考えられます。
実際にどうなるかは、
駆け引きによって、
関係全体がどのような安定状態に達するか、
すなわち、認知の再体制化が行われるか、
ということになるのです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3)【解説:知識の根っこ】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
事物(X)を挟んだ、
自分(P)と他人(O)との関係を記述する
ハイダーのバランス理論は、
別名POX理論とも呼ばれています。
P、O、Xの間の関係を、
心情関係から、好意的(+)、非好意的(-)に、
単位関係から、
ひとつのまとまりとして認知できるか(+)、
認知できないか(-)、
によって記述します。
たとえば、
AさんとBさんの関係。
これは?
+の心情関係ですね。
つきあっているうちに、
Bさんがヘビースモーカーであることが判明したことから、
バランス理論で説明できるような、
社会的な押し引きが始まることになります。
Bさんとタバコの関係は、
心情関係でいうと+です。
ここで、Aさんもタバコが好き(+)ならば、
バランスが取れているので、
関係は安定します。
しかし、
Aさんがタバコを嫌いだとすると(-)、
インバランス状態になり、
不快な感情が生まれることになります。
対人関係上の態度の変容は、
このような関係全体の認知から、
インバランス状態を低減し、
不快な感情を避けようとして生じることになります。
一方、
フェスティンガーの
認知的不協和理論では、
P、O、Xといった三角関係は想定しません。
代わりに、それぞれの要素は、
Aさんの中の信念や意見と考えます。
「Bさんといっしょにいたい」
「タバコを吸っている人は嫌い」
これが、認知要素です。
そして、認知要素同士が矛盾することを、
認知的不協和状態といいます。
すなわち、
フェスティンガーの理論では、
不協和は、個人の中の認知的要素の
間で生じているという点で、
ハイダーの理論と少し異なることになります。
ここから、インバランス状態や認知的不協和を、
人間がどのように処理するか、
が重要な研究となりました。
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【次回配信】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
次回 【展開号】… 2008年9月9日(火)にお送りする予定です。
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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣
● キーワードコレクション心理学 重野純 編 1999 新曜社
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【編集後記】
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ゲシュタルト心理学では、
物理学から場の理論を心理学に持ち込みました。
対人関係は、
物理学における力場などよりも、
我々が「場」という言葉で
イメージしやすいもののひとつです。
認知的斉合性理論は、
そのような関係の場が、
それぞれの要素の関係によってダイナミックに揺らぎ、
よい安定状態に向かおうとするイメージを与えてくれます。
そこでは、
関係の上での矛盾が忌避され、
矛盾のないよい安定状態が望まれます。
日本では、
特にそのような「場の空気」が重視され、
ふさわしくない話題や、関係性、本音を持ち出すことは
タブーに近くなります。
欧米では、
一時的に認知的不協和やインバランスな状態を
引き起こしてでも、
話し合いをしていこうという風潮が、
日本よりもはありそうに感じられるのですが、
このような理論が認められるということは、
どうやら、事情はあまり変わらないのかもしれません。
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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 http://www.clinicalpsychology.jp/ ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座 に帰属します。無断転載・転用を禁止します。