【Clip! アカデミー】 第128回 2008/7/29
第1週 理論号 「基礎心理学1:群化(perceptual grouping)」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆ http://www.clinicalpsychology.jp/
◆目次◆
1)【現在地】
2)【群化(perceptual grouping)】
3)【解説:知識の種】
【次回配信日】
【参考文献】
【編集後記】
※文中の図が正しく表示されない場合、等幅フォントでご覧ください※
メルマガの最後に【Outlook Express・Netscape Messengerの場合】
のフォント設定のやり方を載せてあります。
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○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○
◆ 【Clip!アカデミー】は、
心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
無料心理学メールマガジンです。
■ 基本サイクル ■
※【今回はこちら!】 第1週「理論号」… 知識のタネをまく
↓ (用語説明から)
第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす
↓ (具体例を中心に)
第3週「展開号」… 知識をつなげる
↓ (テーマを展開する)
第4週 基本的にお休み
(特別号が配信される場合があります)
↓
■ 第2サイクルへ続く ■
○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○
※ 【初めてお読みになる方は、こちらもご覧ください。】
● 0ヶ月目 ガイダンス号
http://clipseminar.blogspot.com/2007/04/clip.html
● 0ヶ月目 ガイダンス号2
http://clipseminar.blogspot.com/2007/09/94clip.html
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 4巡目2ヶ月目 基礎心理学から1
「群化(perceptual grouping)」
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0ヶ月目 (ガイダンス号)
1ヶ月目 心理学の歴史から
【NOW!】2ヶ月目 基礎心理学から1
| 3ヶ月目 基礎心理学から2
| 4ヶ月目 臨床心理学から
| 5ヶ月目 心理学研究法から
| ↓
| 【※違うテーマではじめから繰り返します。】
| ======================
↓
● 第1週「理論」号
「群化(perceptual grouping)」はコチラ↓
~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
用語説明は、知識のタネです。
勉強、特に受験勉強においては、まずはたくさんのタネを
自分の脳の中にまかなければなりません。
タネは小さくてかまいません。
逆に、完ぺき主義はいい結果を生みません。
はじめはできるだけコンパクトな知識からはじめましょう。
しかし、そこで勉強は終わりではありません。
そこからが、勉強のスタートなのです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
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2)【群化(perceptual grouping)】
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今回は基礎心理学1から、
「群化(perceptual grouping)」
を通して、心理学について考えていきましょう。
============用語説明==============
ゲシュタルト心理学において、
人間の視覚において、
視野の中で知覚された図はまとまりを作る
傾向を、群化という。
たとえば、
● ● ●
● ● ●
● ● ●
上記のような9つの黒点は、
黒点である以上に、
「四角形」というまとまりとして知覚されやすい。
この際のまとまり方には、
「よい形態」と呼ばれる傾向があり、
その傾向に背くまとまり方は知覚しづらい。
たとえば、
口の中に黒点がひとつある、
という見方は、
意識しなければできない。
群化に際して働いているのが、
知覚をゲシュタルト(形態)として
構造化しようとする精神過程である。
ヴェルトハイマーは、
群化の要因として、
近接、良い連続、良い形、共通運命、
類同、閉合、客観的態度、経験
などをあげている。
このような要因によって
できるかぎり簡潔で、
秩序だったまとまりを作ろうとする傾向は、
プレグナンツの法則と呼ばれる。
==============================
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3)【解説:知識の種】
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ゲシュタルト心理学者たちは、
ヴントのように個々の要素に注目するのではなく、
個々の要素の「関係性」、
あるいは、個々の要素が置かれている、
「全体の場(文脈)」のようなものに注目しました。
この群化の例は、
その意味で、
ゲシュタルト心理学者たちの主張を
分かりやすく教えてくれます。
我々は、
上記の黒丸を見た瞬間に、
「いくつあるか」
ということより、
「四角形(に並んでいる)」
ことのほうを先に認知します。
すなわち、
知覚においては、
まず最初に図はゲシュタルト(形態)として現れ、
そこから部分に分化する、
とゲシュタルト心理学者は主張したのです。
ゲシュタルトは、
部分の特徴とは別の特徴を持ち、
別の要因に規定されています。
だから、部分から全体が作られる、
あるいは、部分を調べれば全体が分かる、
という、要素主義、構成主義、
は批判されることになります。
それでは、
どこを調べればよいのか。
彼らが発見したのは、
部分間の「関係」や全体の「文脈」の重要性です。
たとえば、
黒丸の並び方や位置関係のパターン。
こうしたパターンが、
黒丸を「四角形」に見せる要因
になっているのではないか。
この発見は、
知覚にとどまらず、
むしろその他のより混沌としていて、
把握しづらい現象を理解するために、
応用されていったのです。
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【次回配信】
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次回 【応用号】… 2008年8月5日(火)にお送りする予定です。
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【参考文献】
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● キーワードコレクション心理学 重野純 編 1999 新曜社
● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣
● 心理学物語 テーマの歴史 R.C.ボールズ 著 富田達彦 訳
2004 北大路出版
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【編集後記】
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我々は、
視覚をある程度「客観的なもの」として、
信頼してきました。
だからこそ、
「幽霊やUFOの目撃者」という人たちも、
一定の信憑性を持つことを
許されているわけです。
「だって見たんだもん」
という言い分は、
かなりの程度、
反論できない力を持っています。
しかし、
我々の知覚は、
要素どうしの関係や、
全体の文脈にも依存して成立している。
そう、ゲシュタルト心理学者
は主張しました。
木の影を人と見間違える
という現象は、
知覚のこうした特性からも
考えることが出来ます。
ここは、
目の錯覚も科学的に説明できる、
ということではなくて、
我々のいう「客観性」自体が、
様々な要素同士の関係や、
全体としての文脈に依存して成立している
のかもしれない、ということでしょう。
いつでも、断定するよりも、
考えの幅を広げ、
新たな問いを作り出すことことのほうが、
理論の重要な仕事だと思います。
ゲシュタルト心理学の
役割も、まさしくそのようなものでした。
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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 http://www.clinicalpsychology.jp/ ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座 に帰属します。無断転載・転用を禁止します。
2008年7月29日火曜日
【Clip!アカデミー】第128回:理論号「基礎心理学1:群化(perceptual grouping)」
2008年7月15日火曜日
【Clip!アカデミー】第127回:展開号「心理学の歴史から:マックス・ウェルトハイマー」
【Clip! アカデミー】 第127回 2008/7/15
第3週 展開号 「心理学の歴史から:マックス・ウェルトハイマー(Max Wertheimer)」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆ http://www.clinicalpsychology.jp/
◆目次◆
1)【現在地】
2)【マックス・ウェルトハイマー(Max Wertheimer)】
3)【解説:知識の根っこ】
【次回配信日】
【参考文献】
【編集後記】
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○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○
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心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
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第1週「理論号」… 知識のタネをまく
↓ (用語説明から)
第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす
↓ (具体例を中心に)
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↓ (テーマを展開する)
第4週 基本的にお休み
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 4巡目1ヶ月目 心理学の歴史から
「マックス・ウェルトハイマー(Max Wertheimer)」
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0ヶ月目 (ガイダンス号)
【NOW!】1ヶ月目 心理学の歴史から
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| 5ヶ月目 心理学研究法から
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「心理学の歴史から:
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● 第2週「応用」号
「心理学の歴史から:
マックス・ウェルトハイマー(Max Wertheimer)」はコチラ↓
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● 第3週「展開」号
「心理学の歴史から:
マックス・ウェルトハイマー(Max Wertheimer)」はコチラ↓
~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
知識は、知識とつなげることで、はじめて意味を持ちます。
取り入れた知識を、自分の中に根付かせるためには、
他の知識とつなげていくことを同時にやらなければなりません。
展開号では、
これまでに紹介してきたテーマを、さらに展開していきます。
関連する様々なテーマを紹介することで、
立体的な理解と、
心理学の中での位置づけが、
容易になるでしょう。
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2)【ゲシュタルト運動】
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●ゲシュタルト運動
ヴェルトハイマーは、
同じフランクフルト大学に在籍し、
シュトゥンプのもとで学んだ経験がある
二人の若者と、その運動を開始した。
それが、ヴォルフガング・ケーラーと、
クルト・コフカである。
彼らは3人で研究を進めたが、
第二次世界大戦の前後、
それぞれにアメリカに亡命し、
大学に職を得て、ゲシュタルト運動を発展させた。
彼らの後輩にはクルト・レヴィンがおり、
彼も後にアメリカに渡った。
●ケーラー
シュトゥンプのもとで心理学の学位を取り、
フランクフルト大学において
ヴェルトハイマーとともに
ゲシュタルト心理学の研究に着手。
のちにAPA(アメリカ心理学会)会長
にも就任している。
フランクフルトを離れた後、
ケーラーはテネリフェ島でチンパンジーを対象に
一連の実験を行った。
そして、問題解決が、
行動主義者のように刺激ー反応の連合ではなく、
環境を含めた問題構造の再体制化(=洞察)
によって起こっている可能性を示唆した。
これは洞察学習と呼ばれる。
●コフカ
1911年にアメリカに渡り、
アメリカにゲシュタルト心理学を紹介した。
ゲシュタルト心理学の見解を、
発達心理学やその他の
分野に拡大していくことに熱心に取り組み、
1935年には『ゲシュタルト心理学の原理』
を発表している。
早くにアメリカに渡ったコフカの同僚には
社会心理学において名を成したハイダーや、
後にアフォーダンスを提唱することになる
J・J・ギブソン、エレノア・ギブソンがいた。
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3)【解説:知識の展開】
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ゲシュタルト運動において、
ヴェルトハイマーはカリスマ的な人物であり、
運動全体を牽引したといえるでしょう。
彼らがアメリカに移って後、
ゲシュタルト運動は様々な点で
行動主義と対立しながらも、
その支持者を増やしていきます。
とはいえ、
その影響が表面化してきたのは、
行動主義にも認知的な視点が
取り入れられ始め、
心理学のトレンドが大きく移り変わり
はじめてからです。
知覚のほかにも、集団や、人格や、
認知構造の研究において、
ゲシュタルト心理学の視点が
大きな影響を与え始めました。
個々の要素が体制化され、
それぞれの要素の足し算とは異なる
全体や形態が立ち上がってくる、
そのプロセスは、
社会心理学や、認知心理学に広がっていったのです。
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【次回配信】
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次回 【展開号】… 2008年7月29日(火)にお送りする予定です。
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【参考文献】
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● キーワードコレクション心理学 重野純 編 1999 新曜社
● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣
● 心理学物語 テーマの歴史 R.C.ボールズ 著 富田達彦 訳
2004 北大路出版
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【編集後記】
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好戦的な少数派の野党、
という印象もあるゲシュタルト心理学
ですが、
ケーラーが読むことなく終わった
APAの会長講演の遺稿には、
「何よりも増してわれわれに必要なことは、
人々を興奮させることである」
と書いてあったといわれます。
ゲシュタルト運動の伝説的指導者としての
ヴェルトハイマーが、
どこまで事実だったかは分かりません。
とはいえ、
晩年のケーラーにこう書かせるほどの何かが、
当時のヴェルトハイマーに存在し、
それが人の心に訴えかけ、
新しい心理学を立ち上げるほどの
ヴィジョンを与えた。
このように考えることのほうが、
心理学を人の営みとして考えたとき、
われわれに勇気を与えてくれるような気がします。
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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 http://www.clinicalpsychology.jp/ ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座 に帰属します。無断転載・転用を禁止します。
2008年7月8日火曜日
【Clip!アカデミー】第126回:応用号「心理学の歴史から:マックス・ウェルトハイマー」
【Clip! アカデミー】 第126回 2008/7/8
第2週 応用号 「心理学の歴史から:マックス・ウェルトハイマー(Max Wertheimer)」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆ http://www.clinicalpsychology.jp/
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「研究計画書添削プレゼント」へのご応募ありがとうございました
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前回に告知した研究計画書添削プレゼントですが、おかげさまで
7/3付けで定員となりました。
残念ながら今回は対象とならなかった方もいらっしゃいますので、
今後も皆様のお役に立てる企画を考えてまいりますので、お楽しみに。
秋入試を目指す方の研究計画書の仕上げが増えてきました。
9月入試の場合は遅くとも、8月中旬には研究計画が完成していないと
間に合いませんので、しっかりと準備を行うようにしてください。
研究計画書に関する質問は
info@clinicalpsychology.jp
までどうぞ。
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◆目次◆
1)【現在地】
2)【マックス・ウェルトハイマー(Max Wertheimer)】
3)【解説:知識の根っこ】
【次回配信日】
【参考文献】
【編集後記】
※文中の図が正しく表示されない場合、等幅フォントでご覧ください※
メルマガの最後に【Outlook Express・Netscape Messengerの場合】
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○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○
◆ 【Clip!アカデミー】は、
心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
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■ 基本サイクル ■
第1週「理論号」… 知識のタネをまく
↓ (用語説明から)
※【今回はこちら!】 第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす
↓ (具体例を中心に)
第3週「展開号」… 知識をつなげる
↓ (テーマを展開する)
第4週 基本的にお休み
(特別号が配信される場合があります)
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■ 第2サイクルへ続く ■
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※ 【初めてお読みになる方は、こちらもご覧ください。】
● 0ヶ月目 ガイダンス号
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● 0ヶ月目 ガイダンス号2
http://clipseminar.blogspot.com/2007/09/94clip.html
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 4巡目1ヶ月目 心理学の歴史から
「マックス・ウェルトハイマー(Max Wertheimer)」
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0ヶ月目 (ガイダンス号)
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● 第1週「理論」号
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「心理学の歴史から:
マックス・ウェルトハイマー(Max Wertheimer)」はコチラ↓
~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
知識のタネをまいたら、
次にすることは、水をあげること。
いろいろな方向から刺激してあげることで、
知識を様々なイメージで膨らませていくことが出来るでしょう。
応用号では、
理論号で紹介した概念について、
今度は具体例などを紹介しながら肉付けしていきます。
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2)【フィルム映画の中の仮現運動】
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ウェルトハイマーの行った実験の中で
もっとも知られているのが、
ケーラーやコフカらとともに行った、
ファイ現象の実験について、
もう一度おさらいしておきましょう。
それは、
タキストスコープと呼ばれる、
瞬間的に視覚刺激を提示する実験装置を用いて、
二本の棒を交互に呈示していくという実験でした。
呈示の切り替えスピードが速すぎると、
交互に提示していても、
被験者の目からは同時に呈示しているように見える。
一方、
呈示の切り替えスピードが遅いと、
被験者は、一本が呈示され、それが消えて、
もう一本の棒がその隣に現れる、
という繰り返しを知覚することになりました。
しかし、
呈示の切り替えスピードが約60ミリ秒になったとき、
被験者は、二本の棒ではなく、
一本の棒がなめらかに左右に移動するのを
知覚したのです。
このときの、
なめらかな運動の知覚現象が、
ファイ現象と呼ばれるようになりました。
刺激の離散的な変化が、
連続的な運動の知覚を生じさせる現象全般を、
仮現運動と呼びます。
ファイ現象は、
今では仮現運動の一種として知られています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3)【解説:知識の根っこ】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
仮現運動のもっとも日常的な例は、
フィルム映画の中です。
フィルム映画のなかでは、
登場人物や背景が、
実際に運動しているように見えます。
でも実際には、
無数の静止画がコマ送りになっているだけで、
そのような運動は存在しているわけではありません。
だとすると、
われわれが認知している運動は、
刺激の側に由来しているわけではないことになる。
それは、どのような仕組みで、
どこから来るのか?
この問いが、
ヴェルトハイマーが心理学に
残した貢献の最初のひとつになります。
ヴントやワトソンなど、
心理学の主流となっていった研究者たちは、
心的現象を、「単純感情」や「刺激」「反応」といった、
単純な要素に分解・還元し、
その単位を積み上げ・組み合わせることで、
彼らの理論を立ち上げていきました。
これは、
科学的理論には馴染みのある、
とても妥当なアプローチです。
しかし、ヴェルトハイマーは、
その”あるはずのない運動”が知覚されている、
という状況自体に関心がありました。
それは、分解し、
要素に還元されてしまったら
失われてしまう性質であり、
逆にどれだけヴントやワトソンが扱っている
最小の単位(単純感覚やら、刺激やら)
を積み重ねても、発生しない性質だったからです。
これが、
ゲシュタルトと呼ばれる性質でした。
われわれの中には、
関連もなく、意味もない刺激の中に、
まとまりや関連を見出して、
全体をゲシュタルトとして構成しようとする
傾向がある。
ゲシュタルト像自体は主観的であり、
他人からは同じ像を見ることは出来ませんが、
この傾向を明らかにしていくことで、
心的現象について、
多くのことを理解することができるのではないか。
ヴェルトハイマーが
心理学に持ち込んだ主題は、
形を変えて心理学の中で
様々に新しい研究を生み出していくことになりました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【次回配信】
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次回 【展開号】… 2008年7月15日(火)にお送りする予定です。
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【参考文献】
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● キーワードコレクション心理学 重野純 編 1999 新曜社
● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣
● 心理学物語 テーマの歴史 R.C.ボールズ 著 富田達彦 訳
2004 北大路出版
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【編集後記】
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新しい価値や発見には、
心躍るものがあります。
ヴェルトハイマーが仲間たちとはじめた実験も、
その実験自体よりも、
その実験が示した可能性、
新しい心理学を指し示すものとして、
やはり彼らの心を躍らせたのではないでしょうか。
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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 http://www.clinicalpsychology.jp/ ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座 に帰属します。無断転載・転用を禁止します。
2008年7月1日火曜日
【Clip!アカデミー】第125回:理論号「心理学の歴史から:マックス・ウェルトハイマー」
【Clip! アカデミー】 第125回 2008/7/1
第1週 理論号 「心理学の歴史から:マックス・ウェルトハイマー(Max Wertheimer)」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆ http://www.clinicalpsychology.jp/
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◆講座7周年記念◆研究計画書添削プレゼント
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
臨床心理士指定大学院受験講座は、2008年7月で7周年を
迎えることができました。
7周年の記念としまして、Clip!アカデミー読者の皆様にプレゼントを
ご用意いたしました。
みなさまふるってご応募ください。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■内容:通常¥15,750相当の研究計画書指導を、講座7周年を記念し
先着7名様に限り無料で行います。
■対象:Clip!アカデミー購読者
■応募期間:2008/7/1~7/7までにご提出の方
■応募方法:info@clinicalpsychology.jpまで
メールタイトル「講座7周年記念キャンペーン応募」とし、
本文に「氏名」「研究計画書(3000字まで)」を記載し送付。
*本メール受信者様限定となります。(受講経験がある方を除きます。)
*添削状況により返却まで最大3週間程お時間を頂戴しております。
*添削対象となった研究計画書を、個人が特定できない範囲において
利用することがあります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆目次◆
1)【現在地】
2)【マックス・ウェルトハイマー(Max Wertheimer)】
3)【解説:知識の種】
【次回配信日】
【参考文献】
【編集後記】
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○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○
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心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
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第4週 基本的にお休み
(特別号が配信される場合があります)
↓
■ 第2サイクルへ続く ■
○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○
※ 【初めてお読みになる方は、こちらもご覧ください。】
● 0ヶ月目 ガイダンス号
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● 0ヶ月目 ガイダンス号2
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 4巡目1ヶ月目 心理学の歴史から
「マックス・ウェルトハイマー(Max Wertheimer)」
======================
0ヶ月目 (ガイダンス号)
【NOW!】1ヶ月目 心理学の歴史から
| 2ヶ月目 基礎心理学から1
| 3ヶ月目 基礎心理学から2
| 4ヶ月目 臨床心理学から
| 5ヶ月目 心理学研究法から
| ↓
| 【※違うテーマではじめから繰り返します。】
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マックス・ウェルトハイマー(Max Wertheimer)」はコチラ↓
~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
用語説明は、知識のタネです。
勉強、特に受験勉強においては、まずはたくさんのタネを
自分の脳の中にまかなければなりません。
タネは小さくてかまいません。
逆に、完ぺき主義はいい結果を生みません。
はじめはできるだけコンパクトな知識からはじめましょう。
しかし、そこで勉強は終わりではありません。
そこからが、勉強のスタートなのです。
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2)【マックス・ウェルトハイマー(Max Wertheimer)】
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今回は心理学の歴史から、
「マックス・ウェルトハイマー(Max Wertheimer)」
を通して、心理学について考えていきましょう。
============用語説明==============
マックス・ウェルトハイマーは、
ゲシュタルト心理学の中心人物として、
知られている。
1880年にチェコスロバキア(当時)のプラハに生まれ、
ドイツの心理学者シュトゥンプ、キュルペの元で学ぶ。
知覚におけるファイ現象を研究し、
ケーラーやコフカらとともに、
ゲシュタルト心理学派として、
ヴントの構造主義や、のちの行動主義とは
異なる立場からの心理学を展開し、
後の心理学に大きな影響を与えた。
ウェルトハイマーの行った実験の中で
もっとも知られているのは、
ケーラーやコフカらとともに行った、
ファイ現象の実験である。
それは、
タキストスコープと呼ばれる、
瞬間的に視覚刺激を提示する実験装置を用いて、
二本の棒を交互に呈示していくという実験であった。
呈示の切り替えスピードが速すぎると、
交互に提示していても、
被験者の目からは同時に呈示しているように見える。
一方、
呈示の切り替えスピードが遅いと、
被験者は、一本が呈示され、それが消えて、
もう一本の棒がその隣に現れる、
という繰り返しを知覚することになった。
しかし、
呈示の切り替えスピードが約60ミリ秒になったとき、
被験者は、二本の棒ではなく、
一本の棒がなめらかに左右に移動するのを
知覚した。
このときの、
なめらかな運動の知覚現象を、
ファイ現象と呼んだのである。
この実験は、
知覚と視覚刺激とが一対一対応せず、
被験者側のなんらかの精神過程の関与を受けていることを
示唆していた。
すなわち、
我々が当たり前に見ている外界の像は、
外界からもたらされた視覚刺激そのものではなく、
我々の知覚過程によって編集され、
ひとつの全体像(ゲシュタルト)としてまとめ上げられた
ものではないか、
という仮説を支持していると考えられたのである。
ヴントの構造主義や、ワトソンらの行動主義など、
当時主流の心理学においては、
刺激や感覚、知覚はバラバラの構成要素として扱われ、
それらを全体として捉えようとする視点は見られなかった。
そのため、この仮説から、
知覚や思考、発達、集団の特性など、
様々な領域における研究が影響を受けるに至った。
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3)【解説:知識の種】
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ウェルトハイマーは、
大学教育の伝統に支えられた
ドイツにおいて教育を受けました。
アメリカにおいては、
心理学は新しい学問として
様々な方向に発展していこうとしていましたが、
ドイツにおいては、
そうした新しい試みとは、
また別の発想が温められていたわけです。
ただし、
第二次世界大戦によって、
結局ウェルトハイマーもアメリカに亡命し、
そこで研究を継続することになったのですが。
ウェルトハイマーは、
フランクフルト大学で知り合った
コフカやケーラーらとともに、
人間の行動をバラバラに分解して、
それぞれの部品について理解しようとするのではなく、
バラバラな部品を”ひとつの全体”として統合しているプロセス
自体に関心を向けました。
同じ刺激でも、
呈示の仕方によって、
まったく異なる知覚を生み出す。
ということは、
素材となる刺激だけを個々に分析していても、
人間の主観的な経験や行動を、
理解するには足りない、ということになります。
実際、
我々が知覚するのは
行動主義が分析の対象とするような
視覚、聴覚、触覚のような個々の刺激ではなく、
それらすべてを含んだ、ひとつの状況だからです。
こうした発想は、
個々の要素に還元することが難しい領域で、
特に歓迎されたのです。
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【次回配信】
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次回 【応用号】… 2008年7月8日(火)にお送りする予定です。
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【参考文献】
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● キーワードコレクション心理学 重野純 編 1999 新曜社
● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣
● 心理学物語 テーマの歴史 R.C.ボールズ 著 富田達彦 訳
2004 北大路出版
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【編集後記】
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ウェルトハイマーが、
ファイ現象のアイデアを得たのは、
ウィーンへの鉄道の中だったといわれています。
ウェルトハイマー、当時30歳。
フランクフルト大学で、
後の盟友になるコフカとケーラーと
出会ったのは、
そのすぐ後です。
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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 http://www.clinicalpsychology.jp/ ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座 に帰属します。無断転載・転用を禁止します。