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2008年7月29日火曜日

【Clip!アカデミー】第128回:理論号「基礎心理学1:群化(perceptual grouping)」

【Clip! アカデミー】 第128回 2008/7/29
第1週 理論号  「基礎心理学1:群化(perceptual grouping)」

◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆ http://www.clinicalpsychology.jp/
  
      ◆目次◆

           1)【現在地】
           2)【群化(perceptual grouping)】
           3)【解説:知識の種】
             【次回配信日】
             【参考文献】
             【編集後記】

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   ○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○

    ◆ 【Clip!アカデミー】は、
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            ■ 基本サイクル ■
 ※【今回はこちら!】 第1週「理論号」… 知識のタネをまく
                 ↓  (用語説明から)
            第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす 
      ↓  (具体例を中心に)
            第3週「展開号」… 知識をつなげる
                 ↓  (テーマを展開する)
           第4週 基本的にお休み
         (特別号が配信される場合があります)
               ↓
            ■ 第2サイクルへ続く ■

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 ※ 【初めてお読みになる方は、こちらもご覧ください。】

 ● 0ヶ月目 ガイダンス号
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 4巡目2ヶ月目 基礎心理学から1
         「群化(perceptual grouping)」

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        0ヶ月目 (ガイダンス号)   
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  【NOW!】2ヶ月目 基礎心理学から1
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「群化(perceptual grouping)」はコチラ↓


   ~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~

   用語説明は、知識のタネです。
   
   勉強、特に受験勉強においては、まずはたくさんのタネを
   自分の脳の中にまかなければなりません。
   
   タネは小さくてかまいません。

   逆に、完ぺき主義はいい結果を生みません。
   
   はじめはできるだけコンパクトな知識からはじめましょう。    
   
   しかし、そこで勉強は終わりではありません。

   そこからが、勉強のスタートなのです。    
   
   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


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2)【群化(perceptual grouping)】
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今回は基礎心理学1から、
「群化(perceptual grouping)」
を通して、心理学について考えていきましょう。


============用語説明==============


ゲシュタルト心理学において、
人間の視覚において、
視野の中で知覚された図はまとまりを作る
傾向を、群化という。

たとえば、

   ● ● ●

   ● ● ●

   ● ● ●

上記のような9つの黒点は、
黒点である以上に、
「四角形」というまとまりとして知覚されやすい。

この際のまとまり方には、
「よい形態」と呼ばれる傾向があり、
その傾向に背くまとまり方は知覚しづらい。

たとえば、
口の中に黒点がひとつある、
という見方は、
意識しなければできない。

群化に際して働いているのが、
知覚をゲシュタルト(形態)として
構造化しようとする精神過程である。

ヴェルトハイマーは、
群化の要因として、

近接、良い連続、良い形、共通運命、
類同、閉合、客観的態度、経験

などをあげている。

このような要因によって
できるかぎり簡潔で、
秩序だったまとまりを作ろうとする傾向は、
プレグナンツの法則と呼ばれる。


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3)【解説:知識の種】
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ゲシュタルト心理学者たちは、
ヴントのように個々の要素に注目するのではなく、
個々の要素の「関係性」、
あるいは、個々の要素が置かれている、
「全体の場(文脈)」のようなものに注目しました。

この群化の例は、
その意味で、
ゲシュタルト心理学者たちの主張を
分かりやすく教えてくれます。

我々は、
上記の黒丸を見た瞬間に、

   「いくつあるか」

ということより、

   「四角形(に並んでいる)」

ことのほうを先に認知します。

すなわち、
知覚においては、
まず最初に図はゲシュタルト(形態)として現れ、
そこから部分に分化する、
とゲシュタルト心理学者は主張したのです。

ゲシュタルトは、
部分の特徴とは別の特徴を持ち、
別の要因に規定されています。

だから、部分から全体が作られる、
あるいは、部分を調べれば全体が分かる、
という、要素主義、構成主義、
は批判されることになります。

それでは、
どこを調べればよいのか。

彼らが発見したのは、
部分間の「関係」や全体の「文脈」の重要性です。

たとえば、
黒丸の並び方や位置関係のパターン。

こうしたパターンが、
黒丸を「四角形」に見せる要因
になっているのではないか。

この発見は、
知覚にとどまらず、
むしろその他のより混沌としていて、
把握しづらい現象を理解するために、
応用されていったのです。


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【次回配信】
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   次回 【応用号】… 2008年8月5日(火)にお送りする予定です。

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【参考文献】
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● キーワードコレクション心理学 重野純 編 1999 新曜社

● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣

● 心理学物語 テーマの歴史 R.C.ボールズ 著 富田達彦 訳
  2004 北大路出版


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【編集後記】
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我々は、
視覚をある程度「客観的なもの」として、
信頼してきました。

だからこそ、
「幽霊やUFOの目撃者」という人たちも、
一定の信憑性を持つことを
許されているわけです。

「だって見たんだもん」

という言い分は、
かなりの程度、
反論できない力を持っています。

しかし、
我々の知覚は、
要素どうしの関係や、
全体の文脈にも依存して成立している。

そう、ゲシュタルト心理学者
は主張しました。

木の影を人と見間違える
という現象は、
知覚のこうした特性からも
考えることが出来ます。

ここは、
目の錯覚も科学的に説明できる、
ということではなくて、
我々のいう「客観性」自体が、
様々な要素同士の関係や、
全体としての文脈に依存して成立している
のかもしれない、ということでしょう。

いつでも、断定するよりも、
考えの幅を広げ、
新たな問いを作り出すことことのほうが、
理論の重要な仕事だと思います。

ゲシュタルト心理学の
役割も、まさしくそのようなものでした。

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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座  http://www.clinicalpsychology.jp/    ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座 に帰属します。無断転載・転用を禁止します。

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