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2008年8月6日水曜日

【Clip!アカデミー】第129回:応用号「基礎心理学1:群化(perceptual grouping)」

【Clip! アカデミー】 第129回 2008/8/6
第2週 応用号  「基礎心理学1:群化(perceptual grouping)」


◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆ http://www.clinicalpsychology.jp/

      ◆目次◆

           1)【現在地】
           2)【それぞれの要因】
           3)【解説:知識の根っこ】
             【次回配信日】
             【参考文献】
             【編集後記】

 ※文中の図が正しく表示されない場合、等幅フォントでご覧ください※

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  のフォント設定のやり方を載せてあります。

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   ○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○

    ◆ 【Clip!アカデミー】は、
     心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
     1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
     無料心理学メールマガジンです。
   
            ■ 基本サイクル ■
            第1週「理論号」… 知識のタネをまく
                 ↓  (用語説明から)
 ※【今回はこちら!】 第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす 
      ↓  (具体例を中心に)
            第3週「展開号」… 知識をつなげる
                 ↓  (テーマを展開する)
           第4週 基本的にお休み
         (特別号が配信される場合があります)
               ↓
            ■ 第2サイクルへ続く ■

   ○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  ○

 ※ 【初めてお読みになる方は、こちらもご覧ください。】

 ● 0ヶ月目 ガイダンス号
   http://clipseminar.blogspot.com/2007/04/clip.html

 ● 0ヶ月目 ガイダンス号2
   http://clipseminar.blogspot.com/2007/09/94clip.html 


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【お詫び】
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  【Clip!アカデミー】第129回ですが、
   予定していた8月5日の火曜日に配信されませんでした。

   配信が遅くなりましたことを、
   読者のみなさまにお詫びいたします。

                Clip!アカデミー事務局

  
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 4巡目2ヶ月目 基礎心理学から1
         「群化(perceptual grouping)」

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        0ヶ月目 (ガイダンス号)   
        1ヶ月目 心理学の歴史から
  【NOW!】2ヶ月目 基礎心理学から1
    |   3ヶ月目 基礎心理学から2
    |   4ヶ月目 臨床心理学から
    |   5ヶ月目 心理学研究法から 
   |    ↓
    |  【※違うテーマではじめから繰り返します。】
   |  ======================
   ↓

 ● 第1週「理論」号
「群化(perceptual grouping)」はコチラ↓

http://clipseminar.blogspot.com/2008/08/clip129perceptual-grouping.html

 ● 第2週「応用」号
「群化(perceptual grouping)」はコチラ↓


   ~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~

   知識のタネをまいたら、
   次にすることは、水をあげること。

   いろいろな方向から刺激してあげることで、
   知識を様々なイメージで膨らませていくことが出来るでしょう。

   応用号では、
   理論号で紹介した概念について、
   今度は具体例などを紹介しながら肉付けしていきます。

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2)【それぞれの要因】
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今回は、
群化の例について検討してみましょう。

群化とは、
我々が対象を知覚する際に、
ならかの形でまとまりを作ろうとする傾向
を指していました。

ゲシュタルト心理学においては、
こうした傾向を研究し、
群化を引き起こすいくつかの要因を
発見しています。

・近接…近いものがまとまりを作る

・良い連続…つながり方が自然な方がまとまりを作る

・良い形…かんけつさ、規則性、シンメトリーが優先される

・共通運命…同じ変化や動きを示すものがまとまる

・類同…いくつかの種類があれば、おなじ種類でまとまりやすい

・閉合…閉じた領域をつくるものはまとまりやすい

・客観的態度…呈示のされ方によってまとまり方が変わる

・経験…何度も経験することで、まとまりやすくなる


こうした要因を、
以下の例でもって検討してみましょう。

まずは、以下の点の集合を見てみてください。


    ・

  ・         ・
 ・
      ・      ・
  ・
   ●     ・    ・
              ・ 
              ・     
     ・・・
               

    ・     ●


どのようなまとまりが見えたでしょうか。

大きな黒丸が、
全体をひとつのまとまりとして
知覚することを妨げているようです。

これは、類同の要因が考えられます。

真ん中に、
みっつの点が並んでいる様子が目に付きます。

これは、近接の要因から説明できるでしょう。

共通運命、閉合、客観的態度
といった要因は見られませんが、
右側の五つの点は、
上から下への一本の線として、
まとまりをみてとれます。

これは、良い連続の要因でしょう。

最後に、経験の要因です。

もうお気づきの方が
いらっしゃるかもしれませんね。

この点々は、
実はオリオン座の配置を大まかに
なぞったものになっているのです。

大きな●は一等星で、
上がベテルギウス、下がリゲルです。

オリオン座は、
明るい都市圏でも見分けることが出来る
冬の星座の代表格です。

ギリシャ神話のオリオンは、
優秀な狩人で、
ここでも、
左手で棍棒を振り上げ、
右手で毛皮を掲げています。

どうでしょう。

もう一度上に戻って、
点を眺めてみてください。

おそらく、
全体がひとつのまとまりとして
見えて来たはずです。


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3)【解説:知識の根っこ】
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ゲシュタルト心理学者たちが
主張したような構造化の力は、
我々がたとえば視覚で外界を知覚するようなときに、
そこにパターンを見出そうとする傾向
として現れてきます。

このパターンは、
感覚器官から送られてきた感覚刺激と、
それをできるかぎり「よい形態」に
まとめあげるためのいくつかの要因によって
規定される、と彼らは考えました。

それぞれの要因がせめぎ合い、
全体を形作ろうとする中で、
視覚像が成立する。

ルビンの提唱した図と地の反転や、
立体視、錯視という現象も、
こうした考え方の中で検証されていくことになります。

ほかにも、
このような群化の考え方が、
大きく影響を与えた領域があります。

それは、記憶です。

群化の要因として、
最後に挙げた経験の要因ですが、
オリオン座を知っていた人は、
それで即座に例に挙げた点をひとつのまとまり
として構造化できたでしょう。

逆に、ただの点としてだったら、
何がどのような配置だったか、
覚えているのは難しいはずです。

ただの点の集合としてではなく、
その間の関係性のパターンに
オリオン座という名前をつけることで、
飛躍的に記憶しやすくなります。

また、記憶の内部でも、
だんだんと、細部は省略され、
よい形態としてのパターンのみが
残る事が知られています。

このことは、
人間の記憶自体に、
構造化の力が働いていることを表しています。


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【次回配信】
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   次回 【展開号】… 2008年8月12日(火)にお送りする予定です。

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【参考文献】
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● キーワードコレクション心理学 重野純 編 1999 新曜社

● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣

● 心理学物語 テーマの歴史 R.C.ボールズ 著 富田達彦 訳
  2004 北大路出版


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【編集後記】
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あらゆるものに関係性を見出し、
パターンを知覚しようとする傾向は、
人間の認識の根本にある特徴といえます。

我々は、
対象そのものを知覚しているわけではなく、
感覚情報から推測できた、
大まかなパターンを知覚し、
過去の記憶と照合しながら、
それが恋人の顔であると判断していることになります。

だからこそ、
ほかの事に気が向いているときは、
恋人の顔のちょっとした変化に気づきません。

ほとんど記憶の中の恋人の顔を、
目の前にいる人のものとして、
見ているだけだからです。

そこで、
ある日突然、
別れを言い渡されたときに、
まじまじと相手の顔を眺め、
そこにほとんど見知らぬ顔を見出し、
驚くということが、現実に起こりえるわけです。

ゲシュタルトの再体制化ですね。

ありのままに見る、
ということが、
人間にとっていかにに難しいことであるか。

話はそうしたところにつながっていきます。

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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座  http://www.clinicalpsychology.jp/    ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座 に帰属します。無断転載・転用を禁止します。

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