【Clip! アカデミー】 第131回 2008/8/26
第1週 理論号 「基礎心理学2:認知的斉合性理論(cognitive consistency theory)」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆ http://www.clinicalpsychology.jp/
◆目次◆
1)【現在地】
2)【認知的斉合性理論(cognitive consistency theory)】
3)【解説:知識の種】
【次回配信日】
【参考文献】
【編集後記】
※文中の図が正しく表示されない場合、等幅フォントでご覧ください※
メルマガの最後に【Outlook Express・Netscape Messengerの場合】
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◆ 【Clip!アカデミー】は、
心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
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■ 基本サイクル ■
※【今回はこちら!】 第1週「理論号」… 知識のタネをまく
↓ (用語説明から)
第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす
↓ (具体例を中心に)
第3週「展開号」… 知識をつなげる
↓ (テーマを展開する)
第4週 基本的にお休み
(特別号が配信される場合があります)
↓
■ 第2サイクルへ続く ■
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 4巡目2ヶ月目 基礎心理学から2
「認知的斉合性理論(cognitive consistency theory)」
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0ヶ月目 (ガイダンス号)
1ヶ月目 心理学の歴史から
2ヶ月目 基礎心理学から1
【NOW!】3ヶ月目 基礎心理学から2
| 4ヶ月目 臨床心理学から
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| 【※違うテーマではじめから繰り返します。】
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「社会的知覚(Social Perception)」はコチラ↓
~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
用語説明は、知識のタネです。
勉強、特に受験勉強においては、まずはたくさんのタネを
自分の脳の中にまかなければなりません。
タネは小さくてかまいません。
逆に、完ぺき主義はいい結果を生みません。
はじめはできるだけコンパクトな知識からはじめましょう。
しかし、そこで勉強は終わりではありません。
そこからが、勉強のスタートなのです。
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2)【認知的斉合性理論(cognitive consistency theory)】
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今回は基礎心理学2から、
「認知的斉合性理論(cognitive consistency theory)」
を通して、心理学について考えていきましょう。
============用語説明==============
社会心理学において、
認知的斉合性という特徴から、
認知の体制化・再体制化を説明しようとする理論の総称。
ある対象への認知や態度は、
全体として一貫したまとまりを形成し、
その秩序を維持しようとする。
このように、
認知がまとまり安定していることを、
認知的斉合性と呼ぶ。
斉合性が破綻する状況においては、
認知や態度は斉合性を回復するように動機付けられ、
その結果変化し、再体制化される。
このような前提の下に
展開されている理論の中では、
・ハイダーのバランス理論
・フェスティンガーの認知的不協和理論
などが良く知られている。
==============================
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3)【解説:知識の種】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
認知的斉合性理論は、
対人関係や対象への態度、認知などを、
全体の関係性の場とみなしています。
対人関係や、
関連した対象への態度といったものは、
バラバラに存在するのではなく、
お互いに矛盾しないように体制化され、
安定することを求めます。
たとえば、
タバコが非常に嫌いな人が、
ヘビースモーカーに恋をしてしまった場合、
相手への感情と、タバコへの態度とは、
矛盾することになります。
このふたつの認知を、
まったく無関係に論じることはできない、
というのが、認知的斉合性理論の主張です。
個々の要素に還元した場合、
この人の気持ちの揺れ動きは理解できず、
どちらへの理解も不十分になるのであり、
関係性全体のバランスを論じる必要が出てくる、
というのです。
矛盾した感情は、
その矛盾を解消し、
斉合状態を回復するように個人を
動機付けします。
たとえば、
ヘビースモーカーを嫌いになるか、
タバコに対する態度を改めれば、
関係性全体は再度、安定することになります。
このようなイメージは、
ゲシュタルト心理学における、
知覚の体制化における「よい形態」を求める傾向、
プレグナンツの原理を思い起こさせます。
ゲシュタルト心理学は、
知覚の領域において発展しましたが、
その影響は、動機付けや記憶、認知的スキーマ、
集団など、様々な領域に及びました。
レヴィンとともに働いていた
ハイダーやフェスティンガーも、
そこに要素主義的、連合主義的な価値観とは
異なる可能性を見出しました。
彼らはゲシュタルト心理学者ではありませんが、
社会的状況や認知において、
全体の関係性や、その体制化の在り様について、
ゲシュタルト流のイメージを持ち込み、
社会心理学に大きな影響を与えたということができます。
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【次回配信】
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次回 【応用号】… 2008年9月2日(火)にお送りする予定です。
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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣
● 心理学物語 テーマの歴史 R.C.ボールズ 著 富田達彦 訳
2004 北大路出版
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【編集後記】
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今回は、社会的知覚を取り上げようか、
こちらを取り上げようか迷ったのですが、
認知的斉合性理論に決めました。
なぜかというと、
社会的知覚や、その初期の立役者である
J・M・ブルーナーは、
また別のところで取り上げる機会があるかと思ったからです。
ニュールック心理学と呼ばれた
彼の理論もまた、
ゲシュタルト心理学に刺激を受けたもの
であるといえます。
ハイダーやフェスティンガーが、
レヴィンたちとどのような形で係わり合い、
このような理論を形成するに至ったのかは、
非常に興味深い点です。
一見したところ、
そこにゲシュタルト心理学の影響を見るのは、
飛躍しすぎな気すらするからです。
しかし、行動主義の影響が、
もはや心理学の当然の前提として受け入れられていて、
誰も気づきもしないことがあるように、
このようにして、個々の考え方は、
全体の流れのなかに溶け込んでいくものなのかもしれません。
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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 http://www.clinicalpsychology.jp/ ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座 に帰属します。無断転載・転用を禁止します。
2008年8月26日火曜日
【Clip!アカデミー】第131回:理論号「基礎心理学2:認知的斉合性理論」
2008年8月12日火曜日
【Clip!アカデミー】第130回:展開号「基礎心理学1:群化(perceptual grouping)」
【Clip! アカデミー】 第130回 2008/8/12
第3週 展開号 「基礎心理学1:群化(perceptual grouping)」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆ http://www.clinicalpsychology.jp/
◆目次◆
1)【現在地】
2)【その他の重要概念】
3)【解説:知識の展開】
【次回配信日】
【参考文献】
【編集後記】
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第1週「理論号」… 知識のタネをまく
↓ (用語説明から)
第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす
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第4週 基本的にお休み
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 4巡目2ヶ月目 基礎心理学から1
「群化(perceptual grouping)」
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0ヶ月目 (ガイダンス号)
1ヶ月目 心理学の歴史から
【NOW!】2ヶ月目 基礎心理学から1
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~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
知識は、知識とつなげることで、はじめて意味を持ちます。
取り入れた知識を、自分の中に根付かせるためには、
他の知識とつなげていくことを同時にやらなければなりません。
展開号では、
これまでに紹介してきたテーマを、さらに展開していきます。
関連する様々なテーマを紹介することで、
立体的な理解と、
心理学の中での位置づけが、
容易になるでしょう。
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2)【その他の重要概念】
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今回は、展開号として、
群化に関連するその他の重要概念
について触れていきましょう。
●図と地
図とは視野の中で浮き上がって見える部分、
地とは引いて背景となる部分をいう。
ルビンは、
現象学的な観察を通じて、
図と地が転換可能で、
同じ領域でも、
役割によって見えがまったく異なることを発見した。
視野の中で、
どのような領域が図になりやすく、
地になりやすいか、
という図と地の分化については、
プレグナンツの原理からいくつかの
要因が指摘されている。
●知覚の恒常性
知覚の恒常性とは、
外界からの刺激が安定しない場合でも、
知覚自体は急激に変化せず、
ある程度の安定性を保つ性質を指す。
暗いところでも明るいところでも、
白い紙は白く、
黒い紙は黒く見えるが、
これを、明るさの恒常性という。
これは当たり前のように思えるが、
実際には、
物理的な光の反射量は、
明るいところの黒い紙ではかなり
高くなる。
つまり、
白く見えてもおかしくはないのだが、
知覚を体制化する時点で、
実際よりも、恒常性のほうが優先されている
と考えられる。
どちらにしても、
感覚は刺激とは一対一で対応していない
ことになる。
こうした考え方は、
はじめ、ゲシュタルト心理学者たちによる、
当時の心理学(要素主義)の批判から始まった。
つまり、
感覚と刺激が一対一で対応している、
という考えを、理論の前提にすえることへの批判である。
しかし、今日では、
ではなぜ、我々の世界は、
感覚と刺激とが、一対一で対応しているように、
「見える」のか、
という点から、研究が進められている。
●場の概念
現象を理解するためには、
その諸要素をバラバラに把握し、
その集合として理解するのではなく、
諸要素が属している全体を場と考え、
その配置や関係性から理解するべきであるとする
考え方を指す。
この概念を心理学に持ち込んだのは、
ゲシュタルト心理学者のケーラーである。
もともとは物理学における、
磁場や力場のような物理的なモデルに
由来している。
場を形成している諸要素の変化は、
場全体を変化させ、
全体の変化が要素にも影響する。
ケーラーは、
群化における知覚の体制化や、
錯視、図形残効といった視覚現象も、
こうした場の概念から説明可能であると考えた。
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3)【解説:知識の展開】
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群化は、
ゲシュタルト心理学における
体制化の概念の基礎となるものでした。
それは、他の概念とあいまって、
心理学に様々な影響を与えていくことになりました。
そのなかでも、
特に重要なのが図と地の概念でしょう。
知覚が良い形態へと体制化されていくにあたり、
ある領域が図として浮かび上がり、
その他の領域が地として背景になることで、
我々は日常の安定した視野を得ています。
こうした視野のあり方は、
我々が、特定の対象に注意を集中することを
助けてくれますが、
逆に言えば、
我々はこのような知覚の特性に縛られている、
ということもできます。
図と地は、
ある状況における、問題とその背景、
という比喩にも用いられます。
我々が問題にとらわれ、
悩んでいるときに、
良くあるのは、
問題の特定の領域だけが図として浮かび上がり、
重要な点が背景として見過ごされている場合です。
図と地が逆転し、
背景が図となり、問題が地となったら、
もしかしたら、
問題は問題ではなかったことが分かるかもしれません。
しかし、
今の自分の視野や、
問題のあり方が、当たり前である、
として「前提」としてしまうと、
問題を問題として構造化している要因
が見えなくなってしまいます。
実際には、
我々が見ている視野は、
「変えようのない現実」=刺激などではなく、
見る側の構造化の仕方によるものなのです。
ゲシュタルト心理学者たちは、
このように、感覚と刺激が、
当然一対一で対応しているとみなす考え方を、
「恒常仮定」として批判しました。
こう考えていくと、
我々の視野だけでなく、
記憶や状況など、様々なものが、
実はハッキリとは確定できずに、
常に移ろっているあいまいな存在である
ように感じられてきます。
その全体を指して、
物理学に習って「場」と呼ぶのは相応しい
ことのように思われます。
このあいまいな全体を、
そのたびごとに、
自分が生きやすいように体制化し、
意味づけしているのが、
人間を含めた生物の在り様であるといえるでしょう。
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【次回配信】
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次回 【理論号】… 2008年8月26日(火)にお送りする予定です。
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【参考文献】
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● キーワードコレクション心理学 重野純 編 1999 新曜社
● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣
● 心理学物語 テーマの歴史 R.C.ボールズ 著 富田達彦 訳
2004 北大路出版
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【編集後記】
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ゲシュタルト心理学の
恒常仮定は、
我々が日々体験している
知覚世界の恒常性を否定するものではなく、
それを「当たり前」の前提とすること
への批判でした。
知覚が、
世界を安定し、一貫したものとして
体験させようという性質を持っているのは、
世界が安定し、一貫しているからではなく、
人間の認知過程が、
かなりの努力を払っている結果だということです。
これは、
我々が子どもに、
「世界はいいところで、安定していて、一貫している」
と伝えたいことと似ている気がします。
世界をそう信じることは必要です。
だからこそ、
人間として世界を生きていける。
しかし、
現実にはそうではなく、
そうであるように、
陰でたくさんの努力や犠牲が支払われている、
ということも、知っている必要があります。
それを知っている人だけが、
それを支えることの大切さを理解するのではないでしょうか。
学説を価値観につなげるのは
当然自粛するべきですが、
それについて考えることは、
もっと奨励されてもいいことのように思います。
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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 http://www.clinicalpsychology.jp/ ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座 に帰属します。無断転載・転用を禁止します。
2008年8月6日水曜日
【Clip!アカデミー】第129回:応用号「基礎心理学1:群化(perceptual grouping)」
【Clip! アカデミー】 第129回 2008/8/6
第2週 応用号 「基礎心理学1:群化(perceptual grouping)」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆ http://www.clinicalpsychology.jp/
◆目次◆
1)【現在地】
2)【それぞれの要因】
3)【解説:知識の根っこ】
【次回配信日】
【参考文献】
【編集後記】
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1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
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■ 基本サイクル ■
第1週「理論号」… 知識のタネをまく
↓ (用語説明から)
※【今回はこちら!】 第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす
↓ (具体例を中心に)
第3週「展開号」… 知識をつなげる
↓ (テーマを展開する)
第4週 基本的にお休み
(特別号が配信される場合があります)
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■ 第2サイクルへ続く ■
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【お詫び】
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○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○
【Clip!アカデミー】第129回ですが、
予定していた8月5日の火曜日に配信されませんでした。
配信が遅くなりましたことを、
読者のみなさまにお詫びいたします。
Clip!アカデミー事務局
○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 4巡目2ヶ月目 基礎心理学から1
「群化(perceptual grouping)」
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0ヶ月目 (ガイダンス号)
1ヶ月目 心理学の歴史から
【NOW!】2ヶ月目 基礎心理学から1
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~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
知識のタネをまいたら、
次にすることは、水をあげること。
いろいろな方向から刺激してあげることで、
知識を様々なイメージで膨らませていくことが出来るでしょう。
応用号では、
理論号で紹介した概念について、
今度は具体例などを紹介しながら肉付けしていきます。
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2)【それぞれの要因】
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今回は、
群化の例について検討してみましょう。
群化とは、
我々が対象を知覚する際に、
ならかの形でまとまりを作ろうとする傾向
を指していました。
ゲシュタルト心理学においては、
こうした傾向を研究し、
群化を引き起こすいくつかの要因を
発見しています。
・近接…近いものがまとまりを作る
・良い連続…つながり方が自然な方がまとまりを作る
・良い形…かんけつさ、規則性、シンメトリーが優先される
・共通運命…同じ変化や動きを示すものがまとまる
・類同…いくつかの種類があれば、おなじ種類でまとまりやすい
・閉合…閉じた領域をつくるものはまとまりやすい
・客観的態度…呈示のされ方によってまとまり方が変わる
・経験…何度も経験することで、まとまりやすくなる
こうした要因を、
以下の例でもって検討してみましょう。
まずは、以下の点の集合を見てみてください。
・
・ ・
・
・ ・
・
● ・ ・
・
・
・・・
・ ●
どのようなまとまりが見えたでしょうか。
大きな黒丸が、
全体をひとつのまとまりとして
知覚することを妨げているようです。
これは、類同の要因が考えられます。
真ん中に、
みっつの点が並んでいる様子が目に付きます。
これは、近接の要因から説明できるでしょう。
共通運命、閉合、客観的態度
といった要因は見られませんが、
右側の五つの点は、
上から下への一本の線として、
まとまりをみてとれます。
これは、良い連続の要因でしょう。
最後に、経験の要因です。
もうお気づきの方が
いらっしゃるかもしれませんね。
この点々は、
実はオリオン座の配置を大まかに
なぞったものになっているのです。
大きな●は一等星で、
上がベテルギウス、下がリゲルです。
オリオン座は、
明るい都市圏でも見分けることが出来る
冬の星座の代表格です。
ギリシャ神話のオリオンは、
優秀な狩人で、
ここでも、
左手で棍棒を振り上げ、
右手で毛皮を掲げています。
どうでしょう。
もう一度上に戻って、
点を眺めてみてください。
おそらく、
全体がひとつのまとまりとして
見えて来たはずです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3)【解説:知識の根っこ】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ゲシュタルト心理学者たちが
主張したような構造化の力は、
我々がたとえば視覚で外界を知覚するようなときに、
そこにパターンを見出そうとする傾向
として現れてきます。
このパターンは、
感覚器官から送られてきた感覚刺激と、
それをできるかぎり「よい形態」に
まとめあげるためのいくつかの要因によって
規定される、と彼らは考えました。
それぞれの要因がせめぎ合い、
全体を形作ろうとする中で、
視覚像が成立する。
ルビンの提唱した図と地の反転や、
立体視、錯視という現象も、
こうした考え方の中で検証されていくことになります。
ほかにも、
このような群化の考え方が、
大きく影響を与えた領域があります。
それは、記憶です。
群化の要因として、
最後に挙げた経験の要因ですが、
オリオン座を知っていた人は、
それで即座に例に挙げた点をひとつのまとまり
として構造化できたでしょう。
逆に、ただの点としてだったら、
何がどのような配置だったか、
覚えているのは難しいはずです。
ただの点の集合としてではなく、
その間の関係性のパターンに
オリオン座という名前をつけることで、
飛躍的に記憶しやすくなります。
また、記憶の内部でも、
だんだんと、細部は省略され、
よい形態としてのパターンのみが
残る事が知られています。
このことは、
人間の記憶自体に、
構造化の力が働いていることを表しています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【次回配信】
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次回 【展開号】… 2008年8月12日(火)にお送りする予定です。
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【参考文献】
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● キーワードコレクション心理学 重野純 編 1999 新曜社
● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣
● 心理学物語 テーマの歴史 R.C.ボールズ 著 富田達彦 訳
2004 北大路出版
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【編集後記】
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あらゆるものに関係性を見出し、
パターンを知覚しようとする傾向は、
人間の認識の根本にある特徴といえます。
我々は、
対象そのものを知覚しているわけではなく、
感覚情報から推測できた、
大まかなパターンを知覚し、
過去の記憶と照合しながら、
それが恋人の顔であると判断していることになります。
だからこそ、
ほかの事に気が向いているときは、
恋人の顔のちょっとした変化に気づきません。
ほとんど記憶の中の恋人の顔を、
目の前にいる人のものとして、
見ているだけだからです。
そこで、
ある日突然、
別れを言い渡されたときに、
まじまじと相手の顔を眺め、
そこにほとんど見知らぬ顔を見出し、
驚くということが、現実に起こりえるわけです。
ゲシュタルトの再体制化ですね。
ありのままに見る、
ということが、
人間にとっていかにに難しいことであるか。
話はそうしたところにつながっていきます。
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