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2007年12月25日火曜日

【Clip!アカデミー】第105回:展開号「臨床心理学から:健忘症(amnesia)」

【Clip! アカデミー】 第105回 2007/12/25
第2週 応用号「臨床心理学から:健忘症(amnesia)」

◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座
 http://www.clinicalpsychology.jp/
  


      ◆目次◆

           1)【現在地】
           2)【グレッグ、最後のヒッピー】
           3)【解説:知識の根っこ】
             【次回配信日】
             【参考文献】
             【編集後記】

 ※文中の図が正しく表示されない場合、等幅フォントでご覧ください※

  メルマガの最後に【Outlook Express・Netscape Messengerの場合】
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   ○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○

    ◆ 【Clip!アカデミー】は、
     心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
     1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
     無料心理学メールマガジンです。
   
            ■ 基本サイクル ■
            第1週「理論号」… 知識のタネをまく
                 ↓  (用語説明から)
 ※【今回はこちら!】 第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす 
      ↓  (具体例を中心に)
            第3週「展開号」… 知識をつなげる
                 ↓  (テーマを展開する)
           第4週 基本的にお休み
         (特別号が配信される場合があります)
               ↓
            ■ 第2サイクルへ続く ■

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 ● 0ヶ月目 ガイダンス号
   http://clipseminar.blogspot.com/2007/04/clip.html

 ● 0ヶ月目 ガイダンス号2
   http://clipseminar.blogspot.com/2007/09/94clip.html 


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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 2巡目4ヶ月目 臨床心理学から
        「臨床心理学から:健忘症(amnesia)」

       ======================

        0ヶ月目 (ガイダンス号)   
        1ヶ月目 心理学の歴史から
   2ヶ月目 基礎心理学から1
      3ヶ月目 基礎心理学から2
【NOW!】4ヶ月目 臨床心理学から
    |   5ヶ月目 心理学研究法から 
   |    ↓
    |  【※違うテーマではじめから繰り返します。】
   |  ======================
   ↓

 ● 第1週「理論」号
  「臨床心理学から:健忘症(amnesia)」はコチラ↓

http://clipseminar.blogspot.com/2007/12/104amnesia.html 

 ● 第2週「応用」号
  「臨床心理学から:健忘症(amnesia)」はコチラ↓


  ~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~

   知識のタネをまいたら、
   次にすることは、水をあげること。

   いろいろな方向から刺激してあげることで、
   知識を様々なイメージで膨らませていくことが出来るでしょう。

   応用号では、
   理論号で紹介した概念について、
   今度は具体例などを紹介しながら肉付けしていきます。

   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


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2)【グレッグ、最後のヒッピー】
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今回は、
オリヴァー・サックス著「火星の人類学者」
から、健忘症の事例をご紹介しましょう。

60年代にヒッピー文化の中で青年期を過ごしたグレッグは、
脳腫瘍を見過ごされていたため、
発見時には、失明し、記憶障害や性格の変化など、
様々な障害を併発することになりました。

腫瘍は良性だったのですが、
大きさはオレンジか小さめのグレープフルーツほど。

前頭葉や間脳、下垂体、海馬を含む側頭葉など、
高次の精神機能に必要な部分は
圧迫され、機能を損なわれていました。

手術は76年に行われましたが、
彼には、70年代の記憶がほとんどなく、
新しい事柄も憶えられなくなっていました。

永遠に、彼が青春を過ごした
60年代の中に、閉じ込められることになったのです。


あるとき、父を失ったグレッグをなぐさめるため、
著者はグレッグの大好きな、
ロックコンサートに連れて行きます。

 ============================================================
 
「すごかったね」
  コンサートが終わって、会場を出るとき、グレッグが言った。
 「今日のことは決して忘れないよ。人生で最高の日だった」
  できるだけコンサートの気分をとよい思い出が持続するようにと、
  帰りのドライブのあいだじゅう、
  わたしはグレイトフル・デッドのCDをかけつづけた。
  一瞬でもデッドの曲が聞こえなくなったら、
  コンサートの記憶そのものが
  グレッグの頭から消えてしまいそうで怖かった。

 =============================================================

翌朝。著者は、ポツンとしているグレッグに、
グレイトフルデッドについてどう思うか尋ねます。

 =============================================================

  「すごいグループだよ。ぼくは大好きだな。
   セントラルパークに聞きに行ったことがある。
   フィルモア・イーストにも」

  「そうだってね。だけど、そのあとはどう?
   マディソン・スクウェア・ガーデンに
   聞きに行ったばかりじゃないのかい?」

  「いや」彼は答えた。
  「マディソン・スクウェア・ガーデンには行ったことがないよ」
   
   (了)
 =============================================================
        引用:オリヴァー・サックス(1997)
           「火星の人類学者」ハヤカワ文庫

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3)【解説:知識の根っこ】
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この事例のグレッグは、
脳腫瘍によって脳が圧迫され、
新しい記憶を憶えられなくなっています。

これは、前回理論号で説明した、
順向性健忘に当たります。

以前の記憶は、
60年代後半からだんだんとあやふやになり、
70年代の記憶はほとんどありません。

これは、逆行性健忘の症状といえます。

また、健忘症とはいっても、
記憶のすべての面が損なわれているわけではないのが、
引用からも分かるでしょう。

スクワイヤーの記憶の分類によると、
記憶は、以下のように分けられます。
         
 ●宣言的記憶…意味記憶・エピソード記憶

 ●手続き的記憶…古典的条件付け・技能学習・運動学習
         知覚学習・プライミング

海馬を含む側頭葉の損傷は、
宣言的記憶の固定を損なうが、
手続き的記憶は損なわないことが知られています。

そのために、
グレッグは新しいエピソードを憶えられませんでしたが、
新しい歌を憶えたり、
病院での新しい生活習慣に適応することができたのです。


著者はグレッグの事例を、
グレッグが「人生で最高の日」を
憶えていなかったところで閉じています。

しかし、本当にグレッグは、
あのロック・コンサートのことを憶えていないのでしょうか。

それは誰にも(グレッグにも)分かりませんが、
そもそも、著者がグレッグを
コンサートに連れて行ったのは、
グレッグが父の死以降、落ち込んだままだったからです。

新しいことを憶えられないグレッグが、
なぜ「父の死」に落ち込むことが出来たのでしょうか?

この点について、
著者は医学的観点からの説明を
つけようとはしません。

潜在的な部分では、父の死を知っているのはないか。

というに留めています。

それならば、
たとえ顕在的には憶えていなくても、
楽しかった思い出のことも、
グレッグはどこかで憶えているのかもしれません。

 
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【次回配信】
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   次回 【展開号】… 2008年1月1日(火)にお送りする予定です。

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【参考文献】
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● 火星の人類学者 オリヴァー・サックス 1997 ハヤカワ文庫

● キーワードコレクション心理学 重野純 編 1999 新曜社


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【編集後記】
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今回は、実際にノンフィクションから、
健忘症の事例をご紹介しました。


著者のオリヴァー・サックスは、
脳神経科医であり、
優れたノンフィクションライターでもあります。

これまでも、様々な事例について
丹念に調査・研究するのと同時に、
彼らの人生に積極的にかかわり、
その交流の中から、
単なる医学的な知見とは異なる姿を紹介してきました。

ほかにも、「レナードの朝」「妻と帽子を間違えた男」
などが有名です。

「レナードの朝」は映画化もされています。

興味がある方は、ぜひ手にとってみてください。


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※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座に帰属します。     
無断転載・転用を禁止します。

2007年12月18日火曜日

【Clip!アカデミー】第104回:理論号「臨床心理学から:健忘症(amnesia)」

【Clip! アカデミー】 第104回 2007/12/18
第1週 理論号「臨床心理学から:健忘症(amnesia)」

◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座
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      ◆目次◆
           1)【現在地】
           2)【臨床心理学から:健忘症(amnesia)】
           3)【解説:知識の種】
             【次回配信日】
             【参考文献】
             【編集後記】

 ※文中の図が正しく表示されない場合、等幅フォントでご覧ください※

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   ○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○

    ◆ 【Clip!アカデミー】は、
     心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
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 ※【今回はこちら!】 第1週「理論号」… 知識のタネをまく
                 ↓  (用語説明から)
            第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす 
      ↓  (具体例を中心に)
            第3週「展開号」… 知識をつなげる
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 2巡目4ヶ月目 臨床心理学から
        「臨床心理学から:健忘症(amnesia)」

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   ~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~

   用語説明は、知識のタネです。
   
   勉強、特に受験勉強においては、まずはたくさんのタネを
   自分の脳の中にまかなければなりません。
   
   タネは小さくてかまいません。

   逆に、完ぺき主義はいい結果を生みません。
   
   はじめはできるだけコンパクトな知識からはじめましょう。    
   
   しかし、そこで勉強は終わりではありません。

   そこからが、勉強のスタートなのです。      
   
   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


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2)【臨床心理学から:健忘症(amnesia)】
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今回は臨床心理学から、
「健忘症(amnesia)」
を通して、心理学について考えていきましょう。


============用語説明==============

健忘症とは、
記憶のプロセスになんらかの障害が起こり、
必要な記憶を思い出すことが出来なくなる症状を指す。

障害が生じているプロセスや原因によって、
様々なタイプが報告されている。

大きく分けると、
健忘症の原因は心因性と器質性に分けられる。

また、
新しい出来事を記憶できなくなる症状を順向性健忘、
過去の記憶を思い出せなくなる症状を逆向性健忘、
と呼ぶ。

心因性の健忘のなかでも、
強烈な心理的ショックを原因に、
見当識(自分が誰で、ここがどこかについての意識)
が失われるものは、記憶喪失と呼ばれる。

強烈なストレスや環境変化によって、
一時的に生じる一過性全健忘症は、
50歳以上の人に生じるが、見当識は失われず、
数時間から数日で回復する。


器質性の健忘は、
脳の損傷、特に海馬を含む大脳側頭葉
の損傷によるものであり、
長期にわたる深刻な影響が生じることが多い。

損傷の原因としては、
慢性アルコール中毒による損傷(コルサコフ症)、
脳の老化(認知症)、
アルツハイマー病における脳の萎縮、
脳血管の疾患、
などがあげられる。

一方、通常ほとんどの人は2・3歳の頃の記憶を持たない。

言語や記憶が未発達であるために、
経験をエピソードとして言語化し、
記憶しておくエピソード記憶が成立していないことが
原因である。

これは乳児性健忘と呼ばれる。

==============================


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3)【解説:知識の種】
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忘れることは自然で必要なプロセスであり、
人間の社会においては、
いつでも、どこでも、
常に進行していることが普通です。

しかし一方で、
記憶は我々が我々であることを保証してくれるものでもあり、
その意味で、変わらない、なくならないことが、
我々が社会生活をおくる上での、大前提となっています。

我々の社会では、
「憶えていない」、「記憶が首尾一貫していない」ことは、
ときに、その人自身への人格的な非難にさえ、
結びつくことになるのです。

忘却は常に進行しているのに、
前提としては、記憶が永遠であるかのように振舞う。

両者のズレが露呈するのが、
この健忘症という症状であるということができるでしょう。


我々は、日常において、
あまりに当然のものとして、
「永遠に忘れない」「首尾一貫している」
などの言葉を、
美しい言葉にしていることに、
考えをめぐらせる必要があるでしょう。

裏を返せば、
それは逆に、「忘れる」ことを
ネガティブにしか捉えられないことを
意味しているからです。

 
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【次回配信】
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   次回 【応用号】… 12月25日(火)にお送りする予定です。

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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣

● 心理学用語の基礎 東洋 大山正 詫摩武俊 藤永保 編 1978 有斐閣  

● キーワードコレクション心理学 重野純 編 1999 新曜社


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【編集後記】
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記憶喪失や健忘症は、
小説や映画などにも、
多く取り上げられる題材です。

おそらく、健忘症に面した人々の多くは、
これまで自分が当たり前のものと考えてきたことと、
現実とのギャップを体験し、
そこから人間そのものについて考えざるを
えなくなったのでしょう。

人間を描こうとするとき、
そのようなギャップを分かりやすく示すものとして、
健忘症が取り上げられてきたのだと考えられます。

解説では、
記憶が首尾一貫していることをよしとする社会、
という言い方をしましたが、
これは、言い換えると「自己同一性」を重視する社会、
ということでもあります。

つまり、健忘症を題材にするような社会は、
個人に
「自分が自分であること」
「自分の記憶や主張がいちいち一貫していること」
を、厳しく問う社会であるということも出来るかと思います。


「自己同一性」を重視する社会があるということは、
それをあまり重視しない社会もあるということでしょう。

それはどんな社会でしょうか。

その是非はともかく、
おそらくは、健忘症をめぐる人々にとっては、
もう少し生きやすい社会かもしれません。


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2007年12月4日火曜日

【Clip!アカデミー】第103回:基礎心理学から2:無意味綴り(nonsense syllable

【Clip! アカデミー】 第103回 2007/12/4
第3週 展開号 「基礎心理学から2:無意味綴り(nonsense syllable)」

◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座
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      ◆目次◆
           1)【現在地】
           2)【無意味綴り(nonsense syllable)の研究】
           3)【解説:知識の展開】
             【次回配信日】
             【参考文献】
             【編集後記】
 ※文中の図が正しく表示されない場合、等幅フォントでご覧ください※
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            ■ 基本サイクル ■
            第1週「理論号」… 知識のタネをまく
                 ↓  (用語説明から)
            第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす 
      ↓  (具体例を中心に)
 ※【今回はこちら!】 第3週「展開号」… 知識をつなげる
                 ↓  (テーマを展開する)
           第4週 基本的にお休み
         (特別号が配信される場合があります)
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            ■ 第2サイクルへ続く ■
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 ※ 【初めてお読みになる方は、こちらもご覧ください。】
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 ● 0ヶ月目 ガイダンス号2
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1)【現在地】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【現在のテーマ】 2巡目3ヶ月目 基礎心理学から2
        「基礎心理学から2:無意味綴り(nonsense syllable)」
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   ~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
   知識は、知識とつなげることで、はじめて意味を持ちます。
   取り入れた知識を、自分の中に根付かせるためには、
   他の知識とつなげていくことを同時にやらなければなりません。
   展開号では、
   これまでに紹介してきたテーマを、さらに展開していきます。
   関連する様々なテーマを紹介することで、
   立体的な理解と、
   心理学の中での位置づけが、
   容易になるでしょう。
   
   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2)【無意味綴り(nonsense syllable)の研究】
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エビングハウスは
無意味綴りの研究を続けませんでしたが、
記憶に関する彼の画期的な成果は、
言語学習の領域において、
様々な研究を生み出すことになりました。
●連想価
無意味綴りは、
日常の単語の持つ意味や文脈のばらつきが、
記憶過程に影響を与えることを統制するために
作成された無意味な単語である。
しかし、研究が進むにつれ、
無意味綴り自体も
既存の言葉を連想させることが分かってきた。
これでは、無意味綴りは、
記憶材料として等価な刺激として、
比較できないことになる。
そこで、それぞれの無意味綴りについて、
どの程度連想を生じさせるか、
という連想価についての評価が行われることになった。
グレースによって行われた連想価についてのリストは、
各無意味綴りについて、
何らかの有意味語を連想した被験者の人数を、
%であらわしている。
このような研究により、
極力等質な無意味綴りによって、
記憶や言語学習の研究を進めることが可能になった。
●抑制
エビングハウスのよって、
記憶の忘却曲線が示されてから、
忘却のメカニズムについて、
心理学においても様々な説が提唱されることになった。
干渉説は、想起されるべき記憶が、
ほかの記憶内容と干渉しあうことで、
想起しづらくなる、という説である。
それを支持する研究が、
記憶の抑制に関する研究である。
記憶の抑制には、順向抑制と逆行抑制があるとされる。
順向抑制では、
何かを記憶することで、
次に記憶することの内容を保持しづらくなる。
逆行抑制では、何かを記憶することで、
その前に記憶していた内容を想起しずらくなる。
この抑制が起こりやすいのは、
記憶内容が類似している場合であるとされている。
●レミニッセンス
エビングハウスの研究以降、
忘却は、時間経過とともに進行すると考えられたが、
ある条件下では、異なる結果が見られることがある。
それが、レミニッセンス現象である。
レミニッセンスでは、
学習が100%終わらない状態で中断された場合、
学習内容を想起させると、
学習直後よりも、一定期間が経過してからのほうが、
成績がよくなることが知られている。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3)【解説:知識の展開】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
エビングハウスの無意味綴りに始まる、
記憶や言語学習に関する研究は、
行動主義と同様、連合主義の影響を強く受けていました。
そのため、
エビングハウス自身は研究を継続しなかったにもかかわらず、
行動主義が心理学の主導権を握った時代の
アメリカにおいて、
同じく盛んに研究が進められることになったのです。
連想価の評価による
無意味綴りの均一化は、
我々が日常で用いている言葉というよりも、
実験室のラットの飼育方法を連想させないでしょうか。
よりよい実験を行うために、
丁寧に、均質なラットを飼育する方法論を、
確立していくわけです。
この研究者の手つきのなかには、
慎重に条件を統制し、
全体を要素に分解していけば、
人間の内部についてもすべてを説明できるはずだという、
確信めいたものが感じられます。
その後、順向抑制や逆行抑制、レミニッセンスなど、
記憶や学習についての基本的な現象が発見され、
今日に至っていますが、
その背景にある記憶や言語に関する考え方は、
大きく変化していきました。
実験室における、
記憶過程や、言語の機械的な学習過程については、
言語学習(verbal learning)の語が当てられていますが、
その後、言語の有意味な側面を重視し、
自然環境の中での人間の言語を問題とする、
言語獲得(language acquisition)と呼ばれる領域が
盛んになってきています。
無意味綴りの連想価に関する研究は、
まさに言語学習の研究について、
非常に象徴的ではないでしょうか。
 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【次回配信】
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   次回 【理論号】… 12月18日(火)にお送りする予定です。
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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣
● 心理学用語の基礎 東洋 大山正 詫摩武俊 藤永保 編 1978 有斐閣  
● キーワードコレクション心理学 重野純 編 1999 新曜社
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【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
無意味綴りは、言葉のラットである。
こう考えると、
様々な背景がクリアーになってくるように思いますが、
その中に、感情的な、あるいは感傷的な要素を
こめることには、
慎重にならなければならないでしょう。
現在においても、実験室における、
統制された条件下での実験研究は重要な意味を持っています。
また、言葉の意味を重視した研究が、
無意味綴りを用いた研究より人間的か、
という問いは、それこそナンセンスとしかいいようがありません。
それこそ、
動物実験を批判するような文脈を連想させるとしたら、
目も当てられないということになります。
長年にわたる基礎心理学の訓練を受けずに、
応用領域で仕事をすることの多い臨床心理士は、
この点について、特に注意する必要があるように思います。
感傷を研究に持ち込まずに、
それでも個人個人や自分が生きている世界に対する
感覚を、自覚していることが、
とても重要であるように思うのです。

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2007年11月27日火曜日

【Clip!アカデミー】第102回:応用号「基礎心理学から2:無意味綴り(nonsense syllable)」

【Clip! アカデミー】 第102回 2007/11/27
第2週 応用号 「基礎心理学から2:無意味綴り(nonsense syllable)」
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      ◆目次◆
           1)【現在地】
           2)【無意味綴り(nonsense syllable)】
           3)【解説:知識の根っこ】
             【次回配信日】
             【参考文献】
             【編集後記】
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            ■ 基本サイクル ■
            第1週「理論号」… 知識のタネをまく
                 ↓  (用語説明から)
 ※【今回はこちら!】 第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす 
      ↓  (具体例を中心に)
            第3週「展開号」… 知識をつなげる
                 ↓  (テーマを展開する)
           第4週 基本的にお休み
         (特別号が配信される場合があります)
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 2巡目3ヶ月目 基礎心理学から2
        「基礎心理学から2:無意味綴り(nonsense syllable)」
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        1ヶ月目 心理学の歴史から
   2ヶ月目 基礎心理学から1
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    |   4ヶ月目 臨床心理学から
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  ~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
   知識のタネをまいたら、
   次にすることは、水をあげること。
   いろいろな方向から刺激してあげることで、
   知識を様々なイメージで膨らませていくことが出来るでしょう。
   応用号では、
   理論号で紹介した概念について、
   今度は具体例などを紹介しながら肉付けしていきます。
   
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2)【無意味綴り(nonsense syllable)】
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無意味綴りは、記憶研究において、
実験条件を統制するために考案されました。
無意味綴りを考案したエビングハウスは、
文脈や意味によって記憶の保持に生じる違いを何とか統制し、
純粋に時間による変化のみを、
研究対象にしようと考えたのです。
実験の手続きは、その結果、
以下のようになりました。
1、今まで聞いたことのない(意味を持たない)単語の作成
2、無意味綴りをリスト化し、使用する単語を選ぶ
3、13項目の無意味綴りを、完全に暗記する
4、一定の間隔(19分、63分…1日、2日…)で、再びすべてを暗記する
…1回目で暗記に10分かかり、2回目で5分かかった場合、
必要な時間は2分の1で済むことになります。
このとき、節約された学習時間を節約率で表し、
時間経過を横軸として表にしたのが、
エビングハウスの忘却曲線です。
最初に暗記してからすぐであれば、
最初の5分の1程度の時間で、すぐに思い出すことが出来る(節約率80%)。
それが、数十分で急速に忘却が始まり、
2日前後からは節約率20%近くで安定する、という結果が出ています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3)【解説:知識の根っこ】
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日常に引き戻してみると、
なんだ、という結果かもしれませんね。
この結果だけ見ると、
初回と2日後では、何回も暗記を繰り返しているにもかかわらず、
記憶の効率は、20%くらいしか変わらないわけですから。
しかし、我々は、実際には、
英単語にしても、専門用語にしても、
何回か復習して暗記した単語は、
もう少し憶えているような気がしているものです。
もちろん、この実験では、
13項目【すべて】を暗記する時間、を測定しているので、
個々の単語と比較はしずらいといえます。
ほかにも、多くの違いがあるので、
比較自体に意味を感じられなくなってきますが、
一番大きい違いは、おそらく無意味綴りを用いていることでしょう。
我々は日常において、無意味な記号ほど、
まとめたり(カテゴリー化)、
語呂合わせをしたり(体制化)して、
主観的に意味を持たせることで学習効果を高めています。
また、学習状況や文脈、そのときの感情の高ぶりなども、
学習効果に大きな影響を与えています(状態依存学習)。
このように考えると、
個々の学習材料や、個々の記憶や観念の連合法則を考えるよりも、
文脈や意味の形成しているネットワークの有り様を
検討することに、より意義がある、と考える研究者も増えていきます。
かれらが認知心理学者たちであるのは、
いうまでもないでしょう。
 
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【次回配信】
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   次回 【展開号】… 12月4日(火)にお送りする予定です。
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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣
● 心理学 鹿取廣人 杉本敏夫 編 1996 東京大学出版会
● 心理学用語の基礎 東洋 大山正 詫摩武俊 藤永保 編 1978 有斐閣  
● 事例で学ぶ教育心理学 杉原一昭 海保博之 編著 1986 福村出版
● キーワードコレクション心理学 重野純 編 1999 新曜社
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【編集後記】
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無意味綴りという単語は、
できるだけ言葉から意味を削っていくことで、
簡単に言えば”まったく同じ単語”を作ろうとしたものです。
逆に言えば、”まったく同じくらい意味のない単語”
ということができるでしょう。
果たして、”まったく意味のない言葉”、
などというものは、存在するのでしょうか。
この問いは、
おそらく哲学で考えられてきた問いかもしれません。
それを、
”まったく同じくらい”という点から
うまく回避しつつ、
ひとつの答えとして提出されたのが、
無意味綴りだということができるかもしれません。
有意味度が同じ無意味綴りであれば、
実用的には、”まったく同じ単語”と同等に扱うことが出来る。
あとは実際にいろいろ試してみればいいではないか。
ここが、哲学に対して、
心理学の持っている長所であり、短所なのかもしれません。
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2007年11月20日火曜日

【Clip!アカデミー】第101回:理論号「基礎心理学から2:無意味綴り(nonsense syllable)」

【Clip! アカデミー】 第101回 2007/11/20
 第1週 理論号「基礎心理学から2:無意味綴り(nonsense syllable)」

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      ◆目次◆
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           1)【現在地】
           2)【無意味綴り(nonsense syllable)】
           3)【解説:知識の種】
             【次回配信日】
             【参考文献】
             【編集後記】

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 ※【今回はこちら!】 第1週「理論号」… 知識のタネをまく
                 ↓  (用語説明から)
            第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす 
      ↓  (具体例を中心に)
            第3週「展開号」… 知識をつなげる
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 2巡目3ヶ月目 基礎心理学から2
        「基礎心理学から2:無意味綴り(nonsense syllable)」

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 ~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~

   用語説明は、知識のタネです。
   
   勉強、特に受験勉強においては、まずはたくさんのタネを
   自分の脳の中にまかなければなりません。
   
   タネは小さくてかまいません。

   逆に、完ぺき主義はいい結果を生みません。
   
   はじめはできるだけコンパクトな知識からはじめましょう。    
   
   しかし、そこで勉強は終わりではありません。

   そこからが、勉強のスタートなのです。      
   
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2)【無意味綴り(nonsense syllable)】
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今回は基礎心理学から、
「無意味綴り(nonsense syllable)」
を通して、心理学について考えていきましょう。


============用語説明==============


エビングハウスが、
記憶の忘却に関する研究において作成した
実験材料である。

英語ならば「wos」、「xag」のように
母音をはさんで3文字、
日本語ならば、「ヨテ」、「トヒ」のような、
カタカナ2文字で作られるものが代表的。

日常において用いられる単語は、
その有意味性から学習も早く、
想起も容易になる。

そこでエビングハウスは、
上記のような無意味綴りを多数考案し、
リスト化した上で、
自分自身を被験者として無意味綴りを学習し、
定期的に忘却の程度を測定するという実験を
5年間にわたり繰り返した。

その結果は、保持曲線、または忘却曲線として知られている。

ここから、
記憶過程の心理学的研究が始まることとなった。

無意味綴りでも有意味度
は一定ではないことが分かっているが、
その点を補って、
現在でも研究に用いられている。


==============================

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3)【解説:知識の種】
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前回まで、連合という概念が、
どのように哲学からヴントやワトソンといった、
心理学者に受け継がれていったのか、
というテーマに触れました。

行動主義は、
連合から、観念や知覚といった、
主観的な要素を排除することで成立していきました。

それに対し、
エビングハウスの記憶保持の研究は、
知覚と観念、観念と観念の連合(連想)という概念を、
実験によって検証し、
心理学の中に導入していった、もうひとつの流れといえます。


無意味綴りは、
文字通り、言葉の有意味性を極力排し、
記憶過程における記銘(memorization)作業を
一定に保つ(統制する)ために用いられます。

意味のある単語や言葉の場合、
内容によって記銘や再生が容易だったりと、
作業に差が生じてしまうためです。

しかし、本来言葉は意味や文脈によって
活用されるのですから、
これは当然のことともいえます。

逆に、無意味綴りを延々と覚え続け、
思い出し続けるのは、
人間の記憶の用い方からすれば例外であり、
おそらくエビングハウスにとっても
かなりの苦痛を伴う作業だったのではないでしょうか。

しかしここには、
主観的な要素を極力統制しつつ、
記憶という人間の意識過程について、
科学的な研究を行おうという誠実さ、
真摯さが見て取れるように思います。

 
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【次回配信】
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   次回 【展開号】… 11月27日(火)にお送りする予定です。

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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣

● 心理学 鹿取廣人・杉本敏夫編 1996 東京大学出版会

● 心理学物語 テーマの歴史 R.C.ボールズ 著 富田達彦 訳
  2004 北大路出版


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】
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エビングハウスは、
なぜ5年間も、孤独で苦痛な研究に耐えられたのか。

実際のところは、
歴史学者にも分からないところでしょう。

ただ、やはり、
精神活動を科学的な方法で研究することは可能である、
というフェヒナーのアイディアに感動し、
行動に駆り立てられた、
という仮説には、
ロマンがあるような気がします。

ただ、
エビングハウスはこの研究が評価され、
ベルリン大学に招かれますが、
結局他にはあまり研究自体をしていないようなので、
もともと評価を外に求めるタイプでは
なかったのかもしれません。

あるいは、5年間で燃え尽きてしまったのか。

皆さんはどう思いますか?



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2007年11月6日火曜日

【Clip!アカデミー】第100回:展開号「基礎心理学から1:連合(association)」

【Clip! アカデミー】 第100回 2007/11/6
第3週 展開号 「基礎心理学から1:連合(association)」

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      ◆目次◆
【指定大学院合格のための必須アイテム『データブック2007』大好評発売中!】
           1)【現在地】
           2)【連合概念のその後】
           3)【解説:知識の展開】
             【次回配信日】
             【参考文献】
             【編集後記】

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            第1週「理論号」… 知識のタネをまく
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   【Clip!アカデミー】では、
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   今後とも臨床心理士指定大学院受験講座を
   よろしくお願いいたします。

                  Clip!アカデミー事務局


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1)【現在地】
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【現在のテーマ】 2巡目2ヶ月目 心理学の歴史から
        「基礎心理学から1:連合(association)」

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   ~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~

   知識は、知識とつなげることで、はじめて意味を持ちます。

   取り入れた知識を、自分の中に根付かせるためには、
   他の知識とつなげていくことを同時にやらなければなりません。

   展開号では、
   これまでに紹介してきたテーマを、さらに展開していきます。

   関連する様々なテーマを紹介することで、
   立体的な理解と、
   心理学の中での位置づけが、
   容易になるでしょう。
   
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2)【連合概念のその後】
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前回の応用号では、
連合(association)という概念の、
心理学における移り変わりについてご紹介しました。

哲学における観念間の結びつきという意味合いから、
ヴントを経て行動主義的な意味合いを含むようになっていったか。

それは、
ある意味哲学から、自然科学としての心理学の、
独立の軌跡ということもできるかもしれません。

今回は、締めくくりとして、
連合概念のその後について、いくつかの展開をご紹介したいと思います。


●強化と接近

行動主義では、
刺激(S)と反応(R)の間の連合が学習であり、
SとRの間の関係について研究することが、
その中心的なテーマであると考えられました。

つまり、
どのように連合が生じるのか、
について、膨大な実験的研究が行われることになったわけです。

刺激と反応の間の連合が成立する条件について、
広く受け入れられるようになったのは、
接近性と強化のふたつです。

時間的接近によって、
ベルがエサと同じ意味を獲得し、
反応を引き起こすようになる学習は、
古典的条件付けと呼ばれています。

また、行動のうち、報酬につながり、
罰を避ける行動が繰り返されることで成立する
強化学習は、オペラント条件付けと呼ばれています。


●S-RとS-S


時間的接近によって、
ベルがエサと同じ意味を獲得し、
反応を引き起こすようになる学習は、
古典的条件付けと呼ばれています。

しかし、厳密には、ここで結びついているのは、
刺激(S)と反応(R)ではなく、
ベル=条件刺激(S)と、エサ=無条件刺激(S)
ではないか。

このような考え方は、
トールマンらによって、
S-S説と呼ばれています。

ここで、S-Sが、S-Rとどこが違うのかといえば、
刺激と反応が、ボタンを押すと電気がつく、
といった機械的なメカニズムを前提としていたのに対し、
S-Sでは、
刺激同士が結びつき、
一方の刺激が、もう一方の刺激を”連想させる”、
あるいは、表象する、と考えられるためです。

この意味で、
機械的な結合というニュアンスの強いS-Rと、
認知的なニュアンスの強いS-Sでは、
同じ現象をまったく異なる視点から見ていることが
分かると思います。

むしろ、行動主義以前の、
連合主義者たちが想定していた、
観念間の連合に似ていないでしょうか。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3)【解説:知識の展開】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

S-Rについては、
心理学の教科書にかならず載っています。

しかし、
SとRの間にある「-」(ハイフン)の意味について、
紹介している教科書というのは、
非常に少ないと思います。

「連合」という概念について検討するということは、
この「-」の意味について考えるということなのです。

そして、哲学における連合と、
心理学における連合との違いをあげるならば、
行動主義に代表されるように、
その意味について、
非常に実証的に検証されるようになったことでしょう。

哲学者たちも、
連合の生じる条件について、
多くの説明をしています。

しかし、実験研究を通して、
強化と接近を発見したのは、
行動主義者たちでした。

ただし、

機械的な結合というニュアンスの強いS-Rと、
認知的なニュアンスの強いS-Sでは、
同じ現象をまったく異なる視点から見ていることが
分かると思います。

S-S説における連合のイメージは、
むしろ、行動主義以前の、
連合主義者たちが想定していた、
観念間の連合に似ているように感じられます。

こうした流れは、
いずれ、認知心理学の中に発展していくことになります。

こうしてみると、
「連合」という概念ひとつとっても、
意味や含みが二転三転し、
寄せては返すような、大きな流れの中で、
研究が先に進んでいることが感じられないでしょうか。

 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【次回配信】
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   次回 【理論号】… 11月20日(火)にお送りする予定です。

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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣

● 心理学 鹿取廣人・杉本敏夫編 1996 東京大学出版会

● 心理学物語 テーマの歴史 R.C.ボールズ 著 富田達彦 訳
  2004 北大路出版


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【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


はじめて心理学独自のパラダイムを打ち立て、
多くのものを残した行動主義も、
多くの主張が過去のものになっています。

とくに、徹底的行動主義といわれる、
ワトソンに始まるラディカルな人間観は、
今では、心理学の中で影響力を持っていません。

しかし、連合という概念を追っていくとき、
やはり、哲学的な意味合いを捨て、
機械的な結合を追及することに集中する、
という姿勢こそが、
行動主義の大きな繁栄を生み出したようにも見えます。

後に再び否定されるにしても、
たとえ間違いだとしても、
ある時期には、何かを切り捨てて行動に踏み切る、
という姿勢は、
多くの物事においても、重要であるような気がします。




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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 
 http://www.clinicalpsychology.jp/ 
  ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座に帰属します。   
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2007年10月30日火曜日

【Clip!アカデミー】第99回:応用号「基礎心理学から1:連合(association)」

【Clip! アカデミー】 第99回 2007/10/30
第2週 応用号「基礎心理学から1:連合(association)」

◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座
  http://www.clinicalpsychology.jp/
  
      ◆目次◆
【指定大学院合格のための必須アイテム『データブック2007』大好評発売中!】
           1)【現在地】
           2)【連合概念の移り変わり】
           3)【解説:知識の根っこ】
             【次回配信日】
             【参考文献】
             【編集後記】

 ※文中の図が正しく表示されない場合、等幅フォントでご覧ください※

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            ■ 基本サイクル ■
 ※【今回はこちら!】 第1週「理論号」… 知識のタネをまく
                 ↓  (用語説明から)
            第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす 
      ↓  (具体例を中心に)
            第3週「展開号」… 知識をつなげる
                 ↓  (テーマを展開する)
           第4週 基本的にお休み
         (特別号が配信される場合があります)
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   今後とも臨床心理士指定大学院受験講座を
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                  Clip!アカデミー事務局


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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 2巡目2ヶ月目 心理学の歴史から
        「基礎心理学から1:連合(association)」

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        1ヶ月目 心理学の歴史から
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 ● 第2週「応用」号
  「基礎心理学から1:連合(association)」はコチラ↓

  ~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~

   知識のタネをまいたら、
   次にすることは、水をあげること。

   いろいろな方向から刺激してあげることで、
   知識を様々なイメージで膨らませていくことが出来るでしょう。

   応用号では、
   理論号で紹介した概念について、
   今度は具体例などを紹介しながら肉付けしていきます。

   
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2)【連合概念の移り変わり】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


前回の理論号では、
連合(association)という概念について
ご紹介しました。

連合という概念は、
アリストテレスの時代から、
人間が心について思考してきたなかで、
内容を変えつつも、心理学が受け継いだ概念のひとつです。

今回は、その内容の変遷について、
ご紹介したいと思います。


●ジョン・ロック(イギリス:1632-1704)

人間は、生まれたときは「タブラ・ラサ(白紙)」である。

白紙に、経験によって単純な観念が書き込まれ、
それらが複合することによって、
人間の心の中身となる。


●デイヴィッド・ヒューム(イギリス:1711-76)

心の中の観念は、
それと連合している別の観念を引き起こす。

たとえば、カレーの匂いが空腹を
連想させるように。

観念の連合は、「接近」や「類似」、
「因果関係」などによって生じる。



●ソーンダイク(アメリカ:1874-1949)

「問題箱」の研究。

猫がえさを取るまでの試行錯誤の学習から、
猫が吊りヒモを引っ張ってドアを開け、
外に出るまでの時間の変化を研究した。

このとき、箱とヒモ引きの間では、
連合の学習が生じている。

箱とヒモ引きの間に「観念」はなく、
連合は刺激と反応の間で強化される。


●J・B・ワトソン(アメリカ:1878-1958)

アルバート坊やの実験

アルバート坊やに白ネズミを見せ、
関心を示したところで、
大きな音を立てる。

パヴロフの実験と同様、
数回の施行で、アルバートは
白ネズミを見ただけで、
大きな音に対して示した驚愕反応を示すようになった。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3)【解説:知識の根っこ】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


さて、2)で挙げた4人の人物の間で、
どのように「連合」という概念が移り変わっていった
のでしょうか。

まずはじめに、対象の変化が挙げられます。

「観念」から「刺激と反応」へ。

また、「連合」の仕方を明らかにするために、
生理学的な「反射」や「神経」といった用語が導入され、
実験的に確かめられるようになりました。

それに伴って、
それまでの印象が強すぎる「連合」という言葉自体が、
過去のものになっていったのです。

このようにして、心理学においても、
ヴント心理学から、行動主義へと、
大幅な世代交代が生じることになりました。

ただし、受け継がれたものも、
また多くありました。

まず、経験主義的な人間観。

ワトソンの、
しかるべき環境さえ与えられれば、
自分は泥棒でも政治家でも思うがままに
作って見せる、という主張に代表されるように、
行動主義では、環境からもたらされる経験が、
人間を作ると考えるようになりました。

次に、原子論。

行動主義は、あらゆる高次の精神活動も、
最終的にはS-Rの連合で説明できるまでに、
分解可能だと考えるところからスタートしました。

つまり、刺激と反応の連合こそが、
人間の行動を構成している「原子」であり、
その”化学反応”によって、
すべての物質(行動や精神活動)が生じる、ということです。

これは、「単純感情」や「単純感覚」といった要素を、
意識の基本単位と考えたロックやヴントの発想と、
基本的には同じモノと考えることが出来るでしょう。


これに、当時の最新生理学の知見と、
機械論的な主張を加えると、
ワトソンの行動主義が誕生します。

 
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【次回配信】
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   次回 【展開号】… 11月6日(火)にお送りする予定です。

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【参考文献】
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【編集後記】
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生理学と機械論的主張を強調することで、
行動主義心理学は、
真の自然科学の仲間入りをしようとしました。

しかし実際には、
揺り戻しによって、
今日の行動主義は、そこまでラディカルな
立場は取っていないようです。

むしろ、経験主義の伝統は、
ロックが願ったような「教育」の重視につながっていますし、
原子論的な視点は、
スモールステップの重視や、
行動療法や応用行動分析において、
詳細な観察に基づく臨床に役立っているように思います。

もちろん、これも偏った見方かもしれませんが…。

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2007年10月23日火曜日

【Clip!アカデミー】第98回:理論号「基礎心理学から1:連合(association)」

【Clip! アカデミー】 第98回  2007/10/23
第1週 理論号 基礎心理学から1:連合(association)」

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           1)【現在地】
           2)【連合(association)】
           3)【解説:知識のタネ】
             【次回配信日】
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 2巡目2ヶ月目 心理学の歴史から
        「基礎心理学から1:連合(association)」

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   ~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~

   用語説明は、知識のタネです。
   
   勉強、特に受験勉強においては、まずはたくさんのタネを
   自分の脳の中にまかなければなりません。
   
   タネは小さくてかまいません。

   逆に、完ぺき主義はいい結果を生みません。
   
   はじめはできるだけコンパクトな知識からはじめましょう。    
   
   しかし、そこで勉強は終わりではありません。

   そこからが、勉強のスタートなのです。      
   
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2)【連合(association)】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今回は基礎心理学から、
「連合(association)」
を通して、心理学について考えていきましょう。


============用語説明==============


観念と観念の結合、刺激と反応の結合など、
主に、ふたつの心理学的な原子の間の機械的な結合について
用いられる。

連合は、association の訳であるが、
「連合」のほかに、「連想」という訳があてられることがある。

associationは、
もともとは、イギリスの経験論哲学者たちが、
ある観念が別の観念を引き起こす過程を説明するために
用いていた概念である。

ヴントが自らの心理学を構築する際に導入した際は、
意識を構成する感情や感覚は、
連合によって結びついていると考えられていた。

その後、パブロフによる条件反射の研究などを通して、
より広い意味で用いられるようになった。

今日では、
前者の観念間の結合を「連想」、
後者のより客観的・機械的な結合を、「連合」と訳すことが多い。


==============================


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3)【解説:知識のタネ】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


心理学において、「連合」という言葉は、
とても多くの含みを持っています。

それは逆に、
それだけ多くの検討を経てきた言葉ということであり、
重要な意味を含んでいると考えるべきでしょう。

一般的には、
「連合」というと、
学習理論における刺激と反応の連合が
思い起こされますが、
「連合主義者」という場合、
アリストテレスまでさかのぼり、
この場合の連合は、観念間の連結を意味しています。

ヴントの業績は、
心理学そのものを成立させたことにあり、
彼の理論や研究方法は、過去の遺物になったかのように
語られることが多々あります。

実際、厳しい批判があり、
その結果、新しい心理学が成立していったのは
確かかもしれませんが、
批判するということは、そこから多くのものを取り入れ、
もとあるものに対して新しいことを形成していこう、
という意思がなければ有意義なものにはなりません。

行動主義は、
「意識」を捨て去り、
心理学についてのイメージを大きく変える
要因になりましたが、
こうしてみると、それ自体が、
ヨーロッパの哲学思想の流れの中に位置づいている
ことが分かると思います。

 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【次回配信】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

   次回 【応用号】… 10月30日(火)にお送りする予定です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣

● 誠信 心理学辞典 外林大作 辻正三 島津一夫 能見義博 編
  1981 誠信書房


● 心理学物語 テーマの歴史 R.C.ボールズ 著 富田達彦 訳
  2004 北大路出版


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【編集後記】
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ヴントの業績は、
心理学そのものを成立させたことにあり、
彼の理論や研究方法は、過去の遺物になったかのように
語られることが多々あります。

実際、厳しい批判があり、
その結果、新しい心理学が成立していったのは
確かかもしれませんが、
批判するということは、そこから多くのものを取り入れ、
もとあるものに対して新しいことを形成していこう、
という意思がなければ有意義なものにはなりません。

行動主義は、
「意識」を捨て去り、
心理学についてのイメージを大きく変える
要因になりましたが、
こうしてみると、

行動主義というと、
心理学における、
ヴントをはじめとする、
それまでの哲学的な雰囲気を批判し、
自然科学的な厳密さを導入したように思われがちです。

しかし、
その中心的には、
アリストテレス→イギリス経験論→ヴントと伝わってきた、
連合主義のアイデアが大きな影響を与えているといえるでしょう。




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2007年10月10日水曜日

【Clip!アカデミー】第97回:展開号「心理学の歴史から:ヴント(Wilhelm Wundt)」

【Clip! アカデミー】 第97回 2007/10/10
 第3週 展開号「心理学の歴史から:ヴント(Wilhelm Wundt)」

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           1)【現在地】
           2)【ヴントからの心理学】
           3)【解説:知識の展開】
             【次回配信日】
             【参考文献】
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【現在のテーマ】 2巡目1ヶ月目 心理学の歴史から
        「ヴント(Wilhelm Wundt)」

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   ~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~

   知識は、知識とつなげることで、はじめて意味を持ちます。

   取り入れた知識を、自分の中に根付かせるためには、
   他の知識とつなげていくことを同時にやらなければなりません。

   展開号では、
   これまでに紹介してきたテーマを、さらに展開していきます。

   関連する様々なテーマを紹介することで、
   立体的な理解と、
   心理学の中での位置づけが、
   容易になるでしょう。
   
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2)【ヴントからの心理学】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


前回の応用号では、
ヴントが生きていた時代に、
彼の周りにいた人たちについて簡単にご紹介しました。

生理学から多くの影響を受け、
多くの弟子の中には、
アメリカからの留学生も多く、
彼らはのちに、アメリカにおける心理学の隆盛の基盤となりました。

さて、今回は、
ヴント心理学の、歴史的な展開について
ご紹介していきたいと思います。

とはいえ、
ヴントの提唱した構成主義(または、要素主義)と呼ばれる
心理学は、現在では心理学史の1ページとなっています。

ここでは後の心理学にとって重要な、

「実験心理学」

「(ヴントのいう)意識」

「内観報告」

についてご紹介し、皆さんが知識を展開していくきっかけ
を提唱したいと思います。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3)【解説:知識の展開】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●実験心理学

実験心理学という言葉を、
初めて用いたのはヴントでした。

それまで、
人間の意識や感覚、知覚等の心的現象は、
哲学の一領域として、
主に思弁的な形で検討されるのが常でした。

著名な哲学者のカントは、
心は観察できないために、
自然科学としては成立し得ない、という意見を述べています。

ヴントの実験心理学は、
”こころ”への、こうした風潮に対抗する意味があった
と考えられます。

実験によって心的現象を検証し、考察する、
自然科学としての心理学、
ヴントは、こうした心理学を作りたかったのでしょう。

心理学の存在が学問として認知された今日では、
実験心理学は、
より一般的な意味を与えられています。

皆さんも、
今日の心理学における実験心理学という言葉と、
こうしたヴントの考えの違いについて、
考えてみてください。


●(ヴントのいう)意識

ヴントは、心的現象の中でも、
「意識」を心理学の対象として設定しました。

なぜ、こうわざわざ確認したかというと、
今日の心理学においては、
「意識」が心理学の対象である、とは言い切れないためです。

このような歯切れの悪い状況は、
ヴントが、「意識」を対象とする心理学の研究が、
思ったようには進まず、
様々な批判を受けたことから端を発しています。

ヴントの意識は、
直接経験、すなわち、
人間が直接経験した意識内容を指しています。

人間が直接経験しているということは、
外部から直接観察することが出来ないために、
それまで、自然科学の対象にはならない、
とされていました。

その意味で、ヴントのこの主張は、かなり野心的です。

このとき、ヴントが自然科学として、
意識の研究のための手段として考えたのが、
実験と、内観報告でした。

ヴントは、意識内容を、
単純感覚と単純感情に区別し、
簡単に言うと、これらの組み合わせから、
複雑な意識過程が構成されていると考えたのです。

実験や内観報告は、まずは、
単純感覚と、単純感情を特定し、
その組み合わせ(連合)の法則を知ることが目的となります。

ただ、この辺になると、
皆さんの頭の中にも、
いろいろな「?」が出てきていると思います。

特に、「意識」を、
レゴブロックのような単純な要素に分けて、
また後から組み立てなおす、
という作業は、イメージがしづらいですね。

さて、このようなヴントの研究に対する批判は、
やがて新しい心理学を成立させていく原動力になります。

それがどのようなものだったかは、
いずれ取り上げたいと思いますが、
皆さんでも考えてみてください。


●内観報告

被験者が、実験中に直接経験した感情や感覚を、
実験者に報告することが、
内観報告の中心的なアイデアです。

これは、
旅先の様子を友人に電話で説明することと、
どこが違うのでしょうか。

生理学では、
感覚を研究するために、
皮膚に触れた針の感触や重りの変化など、
被験者が直接経験している感覚を報告する、
という手段が用いられていました。

この方法の延長上に、
内観報告もあったわけですから、
ヴントが、科学的に内観報告を用いられるのではないか、
と考えたのは、自然な流れだったといえるでしょう。

ただし、この内観報告を、
いかに外的刺激の統制や、
被験者の訓練、適応範囲の限定(感覚や感情の一部)、
という形で実験的に用いても、
この方法には限界がありました。

主に、2点が決定的でした。

●報告が、言語に依存しなければならなかった点

●被験者が意識していたことしか、報告できなかった点

です。

その意味で結局、
ヴントの実験的な内観報告によって得られる情報は、
旅先からの電話と、
本質的な違いはなかったということができるでしょう。

しかし、このジレンマは、
現代の心理学にもつきまとっているものです。

心理学が経験の科学だとしたら、
どのようにして、自分の、あるいは被験者の経験を、
科学的に研究できるのでしょうか。

 
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【次回配信】
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   次回 【理論号】… 10月23日(火)にお送りする予定です。

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【参考文献】
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● 心理学 第二版 鹿取廣人 杉本敏夫 編 2004 東京大学出版会

● 心理学物語 テーマの歴史 R.C.ボールズ 著 富田達彦 訳
  2004 北大路出版

● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣

● 誠信 心理学辞典 外林大作 辻正三 島津一夫 能見義博 編
  1981 誠信書房

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【編集後記】
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今回は、展開号ということで、
それぞれの概念の解説の最後を、
問いかけという形で終わらせています。

本メルマガでは、
勉強は、自分でするもので、
知識は人から与えられるものではない、
と考えます。

とはいえ、
やはり、知識がまとまっているものなら、
ネットから持ってきたほうが早いし、
ラクですよね。

とくに受験勉強なんかの場合には。

私にも覚えがあります。

でも、それでうまく行ったためしというか、
ネット上の単語帳的な情報が、
こと「勉強の」役に立った経験というのは、
残念ながらないのです。

ほかのところでは、いろいろ便利なことも多いですが。

なので、不親切に見えるかもしれませんが、
このメルマガでは、
これまでも、手を変え品を変え、
皆さんがラクすることを邪魔することを、
ポリシーとしています。

すべて、そのほうが皆さんにとって
プラスになると思うからなのですが…。

果たしてどうなのでしょう?


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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 
 http://www.clinicalpsychology.jp/ 
  ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座に帰属します。   
 無断転載・転用を禁止します。

2007年10月2日火曜日

【Clip!アカデミー】第96回:応用号「心理学の歴史から:ヴント(Wilhelm Wundt)」

【Clip! アカデミー】 第96回  2007/10/2
第2週 応用号 「心理学の歴史から:ヴント(Wilhelm Wundt)」

◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座
  http://www.clinicalpsychology.jp/

  
      ◆目次◆
【好評発売中『データブック2007』さらにお買い求めやすくなりました!】
           1)【現在地】
           2)【ヴントを囲む人々】
           3)【解説:知識の根っこ】
             【次回配信日】
             【参考文献】
             【編集後記】

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   ○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○

    ◆ 【Clip!アカデミー】は、
     心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
     1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
     無料心理学メールマガジンです。
   
            ■ 基本サイクル ■
            第1週「理論号」… 知識のタネをまく
                 ↓  (用語説明から)
 ※【今回はこちら!】 第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす 
      ↓  (具体例を中心に)
            第3週「展開号」… 知識をつなげる
                 ↓  (テーマを展開する)
           第4週 基本的にお休み
         (特別号が配信される場合があります)
               ↓
            ■ 第2サイクルへ続く ■

   ○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  ○


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好評発売中『データブック2007』さらにお買い求めやすくなりました!
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          ◆詳しくは↓↓こちら↓↓
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   ※当講座受講生の方には無料で配布していますので、
    ご覧いただけていない場合は至急ご連絡下さい。
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   【Clip!アカデミー】では、
   これからも心理学を学ぶ皆さんを応援していきます。

   今後とも臨床心理士指定大学院受験講座を
   よろしくお願いいたします。

                  Clip!アカデミー事務局


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1)【現在地】
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【現在のテーマ】 2巡目1ヶ月目 心理学の歴史から
        「ヴント(Wilhelm Wundt)」

       ======================

        0ヶ月目 (ガイダンス号)   
  【NOW!】1ヶ月目 心理学の歴史から
    |   2ヶ月目 基礎心理学から1
| 3ヶ月目 基礎心理学から2
    |   4ヶ月目 臨床心理学から
    |   5ヶ月目 心理学研究法から 
   |    ↓
    |  【※違うテーマではじめから繰り返します。】
   |  ======================
   ↓


   ~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~

   知識のタネをまいたら、
   次にすることは、水をあげること。

   いろいろな方向から刺激してあげることで、
   知識を様々なイメージで膨らませていくことが出来るでしょう。

   応用号では、
   理論号で紹介した概念について、
   今度は具体例などを紹介しながら肉付けしていきます。

   
   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2)【ヴントを囲む人々】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


前回は、ヴントについて
簡潔にまとめた理論号をお届けしました。

今回は、応用号として、
この偉大なパイオニアについて、
もう少し具体的な内容について触れて見たいと思います。


ヴントがどのような人々から影響を受け、
どのような人々に影響を与えたのか。

心理学史に登場する著名な人々との関係を、
以下にまとめてみました。

【影響を受けた人々】

●ベルリン大学にて学生として

    J・ミューラー【生理学】
   (特異的神経エネルギー学説の提唱者)に師事

●ハイデルベルグ大学にて助手として
   
    ヘルムホルツ【生理学】
   (視覚研究で有名。ヤング-ヘルムホルツの法則)

●ライプチヒ大学にて同僚として

    ウェーバー【生理学】
   (触覚研究で有名。ウェーバーの法則)
    フェヒナー【精神物理学】
   (精神物理学的研究法による感覚尺度の構成)


【ヴントの弟子たち】

○ティチナー
(アメリカに移住し、ヴントの実験心理学を翻訳・拡大・推進した)

○スタンレー・ホール
(アメリカ心理学会創成期に活躍し、フロイトをアメリカに招いた)

・・・ほか多数。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3)【解説:知識の根っこ】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


以上、大雑把に、
ヴントが影響を受けた人たち、
影響を与えた弟子たちをまとめてみました。

ミューラーは、
神経伝達が電気的なエネルギーによって行われていることを、
初めて提唱した人物です。

ヘルムホルツは、
ミューラーの元で生理学を学び、
その概念から感覚の研究を行い、
成果を挙げました。

ヴントは、このように生理学に強い影響を受けながらも、
常に目指していたのは心的過程でした。

そう考えると、
それまで積み上げてきた科学的研究のバックグラウンドを
生かしつつ、自分の関心を研究対象に出来る
精神物理学に魅せられ、
やがて独自の実験心理学を構築していったことも、
納得できるような気がします。


続いてヴントの弟子たちですが、
ティチナーとホールは、対照的な人々です。

ともにアメリカで活躍した研究者ですが、
ティチナーが、ヴントの創設した実験心理学の流儀を、
アメリカでもかたくなに守ろうとしたのに対し、
ホールは、様々な領域を開拓し、
新しいアメリカの心理学を構築しようとしました。

ヴントは、世界初の心理学研究室の教授として、
たくさんの弟子たちを輩出しましたが、
その多くは、アメリカから留学してきた人たちでした。

ヴントの理論を、
そのまま取り入れた人は少なかったとはいえ、
ここに、今日における、
アメリカでの心理学の隆盛があるのです。

 
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【次回配信】
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   次回 【展開号】… 10月9日(火)にお送りする予定です。

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【参考文献】
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● 心理学物語 テーマの歴史 R.C.ボールズ 著 富田達彦 訳
  2004 北大路出版

● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣

● 誠信 心理学辞典 外林大作 辻正三 島津一夫 能見義博 編
  1981 誠信書房

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【編集後記】
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ヴントは、心理学史には必ずでてくる重要人物ですが、
今日においては、歴史上の人物であり、
ヴントの提唱した理論や概念については、
あまり関心がもたれていません。

ここは難しいところで、
うかつな事はいえないとはいえ、
やはり、ヴントについては、
その理論や概念を頭をひねって理解しようとするより、
まずは、彼を取り巻く社会状況と、
その心理学への影響を理解することから始めたほうが、
実りがあるような気はします。

あくまで私見ではありますが。


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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 
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  ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座に帰属します。   
 無断転載・転用を禁止します。

2007年9月25日火曜日

【Clip!アカデミー】第95回:理論号「心理学の歴史から:ヴント(Wilhelm Wundt)」

【Clip! アカデミー】 第95回 2007/9/25
第1週 理論号「心理学の歴史から:ヴント(Wilhelm Wundt)」


◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座
  http://www.clinicalpsychology.jp/


      ◆目次◆
【指定大学院合格のための必須アイテム『データブック2007』好評発売中!】
           1)【現在地】
           2)【ヴント(Wilhelm Wundt)】
           3)【知識のタネ】
             【次回配信日】
             【参考文献】
             【編集後記】

 ※文中の図が正しく表示されない場合、等幅フォントでご覧ください※

  メルマガの最後に【Outlook Express・Netscape Messengerの場合】
  のフォント設定のやり方を載せてあります。

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   ○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○

    ◆ 【Clip!アカデミー】は、
     心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
     1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
     無料心理学メールマガジンです。
   
            ■ 基本サイクル ■
 ※【今回はこちら!】 第1週「理論号」… 知識のタネをまく
                 ↓  (用語説明から)
            第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす 
      ↓  (具体例を中心に)
            第3週「展開号」… 知識をつなげる
                 ↓  (テーマを展開する)
           第4週 基本的にお休み
         (特別号が配信される場合があります)
               ↓
            ■ 第2サイクルへ続く ■

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1)【現在地】
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※今回から、前回特別号でお知らせしたように、
コンセプトに皆さんのご要望を取り入れて、
よりパワーアップしてお届けしています。

詳しくは、ガイダンス号2をご覧ください。


【現在のテーマ】 2巡目1ヶ月目 心理学の歴史から
        「ヴント(Wilhelm Wundt)」

       ======================

        0ヶ月目 (ガイダンス号)   
  【NOW!】1ヶ月目 心理学の歴史から
    |   2ヶ月目 基礎心理学から1
| 3ヶ月目 基礎心理学から2
    |   4ヶ月目 臨床心理学から
    |   5ヶ月目 心理学研究法から 
   |    ↓
    |  【※違うテーマではじめから繰り返します。】
   |  ======================
   ↓

   ~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~

   用語説明は、知識のタネです。
   
   勉強、特に受験勉強においては、まずはたくさんのタネを
   自分の脳の中にまかなければなりません。
   
   タネは小さくてかまいません。

   逆に、完ぺき主義はいい結果を生みません。
   
   はじめはできるだけコンパクトな知識からはじめましょう。    
   
   しかし、そこで勉強は終わりではありません。

   そこからが、勉強のスタートなのです。      

   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2)【ヴント(Wilhelm Wundt)】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


今回は心理学の歴史から、
「ヴント(Wilhelm Wundt)」
を通して、心理学について考えていきましょう。


==========用語説明==============

ヴント(Wilhelm Wundt)は、
1879年に、ライプチヒ大学に初の実験心理学の
研究室を開設したことから、心理学の父として知られる。

もともとは医学、生理学を学び、
哲学教授としてライプチヒ大学に赴任したが、
心理学を、哲学とは異なる自然科学として確立することを
目指した。

研究においては、感覚・知覚を対象に、
「意識」を内観と実験において分析し、
それを構成している法則を発見することを目的とした。

意識を構成している心的要素(単一感覚、単純感情)を、
内観報告や実験によって分析し、
心的要素が、どのような法則によって連合しているか、
を問うたのである。

ここから、彼の心理学は、
構成主義、要素主義と呼ばれることもある。

実証的研究法としての内観報告の限界や、
構成主義、要素主義的な捉え方などは、
後世において様々な批判を受けた。

しかし、
専門雑誌や学会の開設、多くの弟子を輩出し、
ドイツに限らず、
心理学研究室を欧米の大学に広めた

============================


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3)【解説:知識のタネ】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


ヴント流の実験心理学は、
今日では古典実験心理学と呼ばれ、
心理学の教科書においては、
歴史の中にしか登場しないことがほとんどです。

彼の業績の多くは、
なんといっても、心理学を学問として成立させたことにあります。

アカデミックな学問になじみがない人には、
そもそも、「学問として成立させる」
という言葉がピンとこないかもしれません。

もとから成立している学問しか、
学校の教育では教えられないために、
それは当然ともいえます。

それでも、たとえば、占いを、
学問として成立させることは大変なことです。

ヴントのしたように、
大学内に研究室を開設し、
実証的な研究を募って専門誌を定期的に発行し、
学会を開く、ということを、
一からしなければなりません。

作ったところで、
優秀な研究者たちを惹きつけ、
彼らを養えるほどの業績を挙げて、
社会的に貢献できなければ、
学問として生き続けることができません。

「学問って、そもそもなんだろう」

という問いを持ってみると、
ヴントの業績は、とても面白いものになるのではないでしょうか。

 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【次回配信】
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   次回 【応用号】… 10月2日(火)にお送りする予定です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣

● 誠信 心理学辞典 外林大作 辻正三 島津一夫 能見義博 編
  1981 誠信書房

● キーワードコレクション 心理学 重野純 編 1994 新曜社

● 心理学物語 テーマの歴史 R.C.ボールズ 著 富田達彦 訳
  2004 北大路出版


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


今回から、はじめに戻って、
また、心理学の歴史からです。

歴史の面白さは、
ある程度知識が溜まってからでなければ、
分かりようのないものかもしれません。

溜まってきても、
普通は敬遠されることが多いものですが、
知識に有機的なつながりを作るためには、
これほど便利な枠組みはないように思います。

簡単に全体を概括したら、
また歴史に戻ってくると、
新しい発見があるかもしれません。

そんな意味でも、
本メルマガを、勉強の刺激剤にしてもらえれば、
と思います。

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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 
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 無断転載・転用を禁止します。

2007年9月18日火曜日

【Clip!アカデミー】第94回:ガイダンス号「【Clip!アカデミー】の新しいコンセプト」

【Clip! アカデミー】 第94回 2007/9/18
第0週 ガイダンス号 第2回「コンセプトの修正」

◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座
  http://www.clinicalpsychology.jp/




      ◆目次◆
【指定大学院合格のための必須アイテム『データブック2007』好評発売中!】
            1)【現在地】
            2)【基本サイクルについて】
            3)【応用心理学の扱いについて】
              【次回配信日】
              【参考文献】
              【編集後記】

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   ○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○

    ◆ 【Clip!アカデミー】は、
     心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
     1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
     無料心理学メールマガジンです。
   
   ○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  ○


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【指定大学院合格のための必須アイテム『データブック2007』好評発売中!】
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   これからも心理学を学ぶ皆さんを応援していきます。

   今後とも臨床心理士指定大学院受験講座を
   よろしくお願いいたします。

                  Clip!アカデミー事務局

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1)【現在地】
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       ================

  【NOW!】0ヶ月目 (ガイダンス号)   
        1ヶ月目 心理学の歴史から
        2ヶ月目 基礎心理学から
3ヶ月目 応用心理学から
         4ヶ月目 臨床心理学から
        5ヶ月目 心理学研究法から 

      ================

リニューアルした【Clip!アカデミー】も、
前回の93回で、0ヶ月から5ヶ月までの一通りを、
一周したことになります。

そこで、第2周目に入る前に、
1周目を振り返って、コンセプトの修正を行いたいと思います。

なぜならば、
本メルマガは、メールマガジンの特性を生かし、
走りながら読者の皆さんの要望を取り入れ、
仮説検証を繰り返しながら、
いいものを作っていく、
というプロセスを大切にしていきたいと考えているためです。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2)【基本サイクルについて】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


本メルマガは、
3週間でひとつのテーマについて検討することを、
基本的なサイクルとしています。

テーマは、3週間の間に、
第1週【出題号】では、テーマについて概観し、
第2週【解答号】では、第1週で挙げた論述問題に、答えを出し、
第3週【確認号】では、テーマの広がりと、心理学とのつながりを、
確認する、という形で、検討されます。

論述問題はもともと、
皆さん自身にテーマについて考えてもらうための
仕掛けのひとつとして、
リニューアル以前から設定されていたものです。

しかし、この流れだと、
第2週【解答号】の位置づけがあいまいになりがちです。

第2週では、
第1週で提示されたテーマを深めつつ、
第1週での論述問題に答えなければならないためです。

そこで、
コンパクトに、繰り返しのなかで、
心理学について勉強する、というサイクルを、
もう一度、以下のように整理したいと思います。


第1週【理論号】用語説明を中心に、テーマを概括
第2週【応用号】具体例を中心に、テーマを深める
第3週【展開号】テーマの展開


このような【基本サイクル】であれば、
初めて読まれた方でも、
1ヶ月の流れが分かりやすいかもしれません。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3)【応用心理学の扱いについて】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


2ヶ月目「基礎心理学から」に続いて、
3ヶ月目「応用心理学から」を検討することも、
修正する必要があるかもしれません。

心理学の基礎を学ぶ、という本メルマガの性格上、
「応用心理学」という枠組みで1ヶ月を取ることは、
比重の上でアンバランスなのです。

そこで、
「基礎心理学」を2回に増やし、
応用については、
適宜文中で紹介するという形を試してみたいと思います。


       ================

        0ヶ月目 (ガイダンス号)   
        1ヶ月目 心理学の歴史から
        2ヶ月目 基礎心理学から1
3ヶ月目 基礎心理学から2
         4ヶ月目 臨床心理学から
        5ヶ月目 心理学研究法から 

      ================


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【次回配信】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

   次回 【理論号】… 9月25日(火)にお送りする予定です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


リニューアルされた【Clip!アカデミー】も、
予定通り、心理学の歴史から研究法まで、
ひとつづつテーマを取り上げながら、
検討することができました。

ここで、この新しい流れについて、
検討し、軌道修正をいくつかすることにしました。

こうした軌道修正は、
既存のテキストでは行えないことです。

多少の揺らぎや、ブレはありますが、
それも含めて、
常に仮説を立て、それを検証しながら
作っていくというライブ感覚が、
メルマガという媒体の一番の特長なのではないかと思います。

当初から主張し続けていることですが、
教科書のように、
正しい情報がすべて網羅されている、
という形式は、元から取っていません。

あくまで、皆さんご自身が、
自分で知識をまとめ、考え、身に着けていく
一助になることが、本メルマガの目的です。

こうした側面も含めて、
皆さんが教科書の意味、学ぶことの意味、
などについても、思考を広げていただければ、
これ以上の喜びはないと思います。


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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 
 http://www.clinicalpsychology.jp/ 
  ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座に帰属します。   
 無断転載・転用を禁止します。

2007年9月5日水曜日

【Clip!アカデミー】第93回:確認号「心理学研究法から:精神物理学的測定法」

【Clip! アカデミー】 第93回 2007/9/4
第3週 確認号
「心理学研究法から:精神物理学的測定法(psychophysical methods)」

◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座
  http://www.clinicalpsychology.jp/



      ◆目次◆

            1)【現在地】
            2)【精神物理学的測定法の広がり】
            3)【心理学とのつながり】
              【次回配信日】
              【参考文献】
              【編集後記】

 ※文中の図が正しく表示されない場合、等幅フォントでご覧ください※

  メルマガの最後に【Outlook Express・Netscape Messengerの場合】
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   ○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○

    ◆ 【Clip!アカデミー】は、
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            ■ 基本サイクル ■
            第1週「出題号」… タネをまく
                 ↓  (基礎概念と論述問題)
            第2週「解答号」… 深める 
      ↓    (論述問題の解説)
 ※【今回はこちら!】 第3週「確認号」… つなげる
                 ↓    (関連諸分野から)
           第4週 基本的にお休み
         (特別号が配信される場合があります)
               ↓
            ■ 第2サイクルへ続く ■

   ○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  ○


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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 4ヶ月目 臨床心理学から
        「精神物理学的測定法(psychophysical methods)」

       ================

        0ヶ月目 (ガイダンス号)   
        1ヶ月目 心理学の歴史から
        2ヶ月目 基礎心理学から
3ヶ月目 応用心理学から
         4ヶ月目 臨床心理学から
  【NOW!】5ヶ月目 心理学研究法から 
   |
   |  ================
   ↓


  ~~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~

  個々のテーマについて考えた後は、
  それを、より大きな視点から、捉えなおしていきましょう。

  心理学全体の視点から、そのテーマを考え直してみる。

  そうすると、違う文脈から、違うテーマが、次の問いが
  浮かび上がってくるかもしれません。

  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


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2)【精神物理学的測定法の広がり】
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●マグニチュード推定法

広義の精神物理学的測定法に含められる感覚測定法である。

スティーブンスは、フェヒナーのいう、
感覚は間接的にしか測定しえない、という考え方に対して、
直接的な感覚測定法を考案した。

フェヒナーの方法では、
被験者は刺激に対する感覚の量的判断は求められない。

それに対し、
スティーブンスの方法では、
被験者は、基準となる刺激によって生じた感覚量を、
を例えば「10」としたとき、
続いて与えられた刺激はどれくらいの感覚量で表せるか、
を回答するよう求められる。

すなわち、
2倍ならば「20」、半分ならば「5」という回答になる。

このように、比較によって、
被験者に直接感覚量を回答させることで感覚尺度を
構成する方法を、マグニチュード測定法と呼ぶ。


●間隔尺度と比率尺度

スティーブンスは、
心理学的測定に用いられる尺度を、
名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比率尺度、
の4つに分類している。

名義尺度、順序尺度は、
カテゴリー・データを分類する尺度であり、
間隔尺度、比率尺度は、
数量データを測定する尺度ということになる。

比率尺度は、華氏温度など、
絶対原点としての「0」を持ち、比率を表すことができる。

フェヒナーの考案した精神物理学的測定法で得られる尺度は
間隔尺度であり、
スティーブンスのマグニチュード測定法によって得られる
尺度は、比率尺度である。


●感覚尺度と態度尺度

感覚尺度は、
外的刺激と、それによって生じた感覚量との間の関係を
表したものであるのに対し、
態度尺度は、
行動や評価の背後にあると仮定される、
潜在変数としての「態度」を測定するためのものである。

一般に、心理学における尺度は、
感覚量や態度など、客観的に観察できない内的過程を、
測定し、予測するための道具として構成され、
用いられる。

一度確立した感覚尺度は、
感覚尺度によって測定された刺激と間隔との関係は、
物理的な法則として表現できるため、
法則に当てはめれば、
刺激の強度から、生じるであろう感覚量を
ほぼ予測可能になる。

一方、態度尺度によって測定された「態度」は、
それだけで行動や評価を規定しているとはいえない。

尺度から行動や評価を予測するためには、
回帰直線を用いることができるが、
態度のほかにも、
様々な要因が行動や評価を規定している
と考えられるため、
実際には、そうした要因を、繰り返し、
丹念に洗い出す必要がある。


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3)【心理学とのつながり】
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心理尺度は、心理学研究において、ひとつの肝であり、
醍醐味でもあると思います。

一般においても、
”心理テスト”や”心理占い”のたぐいは、
人の関心や興味を引きます。

それも、我々が、目に見えない人間の心を、
なんらかの形で、明確に提示してくれるものを、
常に求めているからにほかなりません。

自分自身を映す鏡を、
いつも求めてしまう人間の欲求がどこから来るのか。

それ自体が、心理学において非常に興味深い
テーマになりますが、
ここでは、その欲求に対するとき、
心理学がどのように生まれたのか、を意識していることが、
大きな意味を持つのではないでしょうか。

 
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【次回配信】
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   次回 【出題号】… 9月18日(火)にお送りする予定です。

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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣

● 心理用語の基礎知識 東洋・大山正・詫摩武俊 他 1973 有斐閣 


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【編集後記】
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ミューラー・リヤー錯視は代表的な錯覚であり、
ほとんどどの教科書にも載っているので、
ここで実物を掲載する必要もないと思います。

それだけ、心理学のことを教えるためには、
よい教材だということでしょう。


ここでもやはり、
心理学実験の基礎や、その意味を教えるのに、
非常によい教材であることがお分かりになったと思います。

心理学が対象とするもの、
主観的な現象をどのように数量化しているのか、
条件の統制と、統計的手続き・・・。

科学としての心理学の、
まさに土台になっている要素ばかりで出来ているからです。


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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 
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2007年8月28日火曜日

【Clip!アカデミー】第92回:解答号「心理学研究法から:精神物理学的測定法」

【Clip! アカデミー】 第92回2007/8/28
第2週 解答号 「心理学研究法から:精神物理学的測定法(psychophysical methods)」

◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座
  http://www.clinicalpsychology.jp/


  
      ◆目次◆

            1)【現在地】
            2)【論述問題】
            3)【論述問題の解答】
            4)【論述問題の解説】
              【次回配信日】
              【参考文献】
              【編集後記】

 
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   ○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○

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     1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
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            ■ 基本サイクル ■
            第1週「出題号」… タネをまく
                 ↓  (基礎概念と論述問題)
 ※【今回はこちら!】 第2週「解答号」… 深める 
      ↓    (論述問題の解説)
            第3週「確認号」… つなげる
                 ↓    (関連諸分野から)
           第4週 基本的にお休み
         (特別号が配信される場合があります)
               ↓
            ■ 第2サイクルへ続く ■

   ○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  ○


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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 4ヶ月目 臨床心理学から
        「精神物理学的測定法(psychophysical methods)」

       ================

        0ヶ月目 (ガイダンス号)   
        1ヶ月目 心理学の歴史から
        2ヶ月目 基礎心理学から
3ヶ月目 応用心理学から
         4ヶ月目 臨床心理学から
  【NOW!】5ヶ月目 心理学研究法から 
   |
   |  ================
   ↓

 
  ~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
  
  前回出題した、論述問題の解答例を取り上げます。

  第1週で取り上げたテーマを、
  深めていくことが目的です。

  その中から、今度はテーマを心理学全体に
  広げていくためのきっかけが見つかるでしょう。

  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2)【論述問題】
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「ミューラー・リヤー錯視の実験において、被験者調整法で錯視量を測定
 する場合、どのような手続きを取ればよいか。」
 

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3)【論述問題の解答】
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錯覚とは、
客観的な刺激と、知覚された対象との間に、
著しいズレが生じる現象であり、
特に心理学においては、知覚過程の特性上生じるものを指す。

ミューラー・リヤー錯視は、
視覚に生じる錯覚のなかで代表的なもので、
ふたつの同じ長さの直線(主線)が、
修飾的な線分(矢羽や直線)を加えることで、異なる長さに見える。

このとき、知覚に生じているふたつの主線の長さの違いを、
錯視量と呼ぶが、実験的手続きを通して、
平均的な錯視量を測定することができる。

被験者調整法を用いる場合の手続きとしては、
どちらかひとつの図形を標準刺激とし、
錯視を体験している被験者自身が、
もうひとつの図形の主線の長さ(比較刺激)を、
標準刺激と同じ長さに見えるまで、調整していけばよい。

調整の方法には様々な工夫が考えられるが、
図形からの距離や、矢羽の角度など、
統制すべき点に注意する必要がある。

近年では、コンピューター上で錯視を再現し、
主線の長さを変えられるプログラムを作成したり、
専用の実験器具が開発されたりもしている。

調整が終わったら、標準刺激と、比較刺激との間の差を測定する。

これが、その被験者に生じた錯視量となる。

錯視量を記録し、再度同様の手続きを取る。

調整法は、複数回の施行の平均値を取って、
それを錯視量とするため、平均誤差法とも呼ばれる。

ただし、調整法は、最も施行が簡便な反面、
誤差も大きいために、実習以外の実験においては、
単独で用いられることは少ない。


 
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4)【論述問題の解説】
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精神物理学的測定法の中でももっとも簡便な、
調整法の実際の用い方を紹介しました。

ミューラー・リヤー錯視においては、
実際には約2・3割ほどの錯視が生じるようです。

錯覚は、知覚の特性上生じるものであり、
我々の意思によってそれを変えることが出来ません。

そのため、逆に知覚の特性を調べるために、
盛んに研究されるようになりました。

特に錯視は、
図形によって簡単に引き起こすことが可能であるため、
よく用いられます。

この場合、主観的に生じている錯覚を、
数量化するために、
精神物理学的測定法が用いられることになります。

錯視量が数量化されることで、
様々な条件の変化によって、その錯視量がどのように変化するか、
という統計的な仮説検証も可能になります。

すなわち、主観的な現象(精神過程)を数量化し、
その変化を実験によって検証するという、
心理学のひとつのモデルケースが成立するわけです。

 
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【次回配信】
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   次回 【出題号】… 9月4日(火)にお送りする予定です。

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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣

● 実験とテスト=心理学の基礎(解説編)心理学実験指導研究会 著
  1985 培風館


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【編集後記】
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ミューラー・リヤー錯視は代表的な錯覚であり、
ほとんどどの教科書にも載っているので、
ここで実物を掲載する必要もないと思います。

それだけ、心理学のことを教えるためには、
よい教材だということでしょう。


ここでもやはり、
心理学実験の基礎や、その意味を教えるのに、
非常によい教材であることがお分かりになったと思います。

心理学が対象とするもの、
主観的な現象をどのように数量化しているのか、
条件の統制と、統計的手続き・・・。

科学としての心理学の、
まさに土台になっている要素ばかりで出来ているからです。


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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 
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 ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座に帰属します。   
 無断転載・転用を禁止します。

2007年8月21日火曜日

【Clip!アカデミー】第91回:出題号「心理学研究法から:精神物理学的測定法」

【Clip! アカデミー】 第91回 2007/8/21
第1週 出題号
「心理学研究法から:精神物理学的測定法(psychophysical methods)」

◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座
  http://www.clinicalpsychology.jp/
  
      ◆目次◆

           1)【現在地】
           2)【精神物理学的測定法
              (psychophysical methods)】
           3)【論述問題】
             【次回配信日】
             【参考文献】
             【編集後記】



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   ○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○

    ◆ 【Clip!アカデミー】は、
     心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
     1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
     無料心理学メールマガジンです。
   
            ■ 基本サイクル ■
 ※【今回はこちら!】 第1週「出題号」… タネをまく
                 ↓  (基礎概念と論述問題)
            第2週「解答号」… 深める 
      ↓    (論述問題の解説)
            第3週「確認号」… つなげる
                 ↓    (関連諸分野から)
           第4週 基本的にお休み
         (特別号が配信される場合があります)
               ↓
            ■ 第2サイクルへ続く ■

   ○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  ○




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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 4ヶ月目 臨床心理学から
        「精神物理学的測定法(psychophysical methods)」

       ================

        0ヶ月目 (ガイダンス号)   
        1ヶ月目 心理学の歴史から
        2ヶ月目 基礎心理学から
3ヶ月目 応用心理学から
         4ヶ月目 臨床心理学から
  【NOW!】5ヶ月目 心理学研究法から 
   |
   |  ================
   ↓

 ● 第1週「出題」号
  「心理学研究法から:
   精神物理学的測定法(psychophysical methods)」はコチラ↓


   ~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~

    今サイクルのテーマについて簡単にまとめるとともに、
    関連した論述問題を出題します。

    単に用語をまとめて暗記することに終わらず、
    そこから、自分独自の問いを立て、
    知識を広げていきましょう。

   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


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2)【精神物理学的測定法(psychophysical methods)】
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今回は心理学研究法から、
「精神物理学的測定法(psychophysical methods)」
を通して、心理学について考えていきましょう。


==========用語説明==============

フェヒナーの精神物理学のために考案され、
感覚・知覚心理学の研究のために発展してきた研究法である。

感覚モダリティの閾値を測定し、
物理的刺激と被験者の反応の間の対応関係を、
尺度化することを目的としている。

フェヒナーの考案した調整法、極限法、恒常法、のほか、
スティーブンスのマグニチュード推定法などが
用いられている。

フェヒナーは、精神物理学的測定法を用いて、
主観的な感覚を数量化できたように、
いずれは感覚と精神(生理的興奮)の間の対応関係をも
同様に尺度化することを考えていた。

それは果たされることはなかったが、
主観的な心理的過程の一部を数量化し、
科学的に扱うことが出来ることを証明したことで、
ヴントをはじめとして、心理学の確立と発展を目指す人々に、
様々なインスピレーションを与えることになった。

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3)【論述問題】
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「ミューラー・リヤー錯視の実験において、被験者調整法で錯視量を測定
 する場合、どのような手続きを取ればよいか。」
 
 
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【次回配信】
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   次回 【出題号】… 8月28日(火)にお送りする予定です。

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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣

● 実験とテスト=心理学の基礎(解説編)心理学実験指導研究会 著
  1985 培風館


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【編集後記】
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これまで何度か登場している精神物理学的測定法ですが、
ここで、もう一度、きちんとご説明しておきたいと思います。

学部の心理学科においては、
ほとんどの場合、基礎的な実験の授業において、
精神物理学的測定法を用いた実験を実施し、
レポートを書かされることになります。

それくらい、実験心理学においては基本的な研究法です。

学部外から心理学の大学院を目指す場合、
こうした経験を得る場があまりありません。

ですから、なおさら、
頭の中で、きちんと理解しておく必要があるでしょう。



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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 
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2007年8月7日火曜日

【Clip!アカデミー】第90回:確認号「臨床心理学から:幻肢(phantom limb)」

【Clip! アカデミー】 第90回 2007/8/7
第3週 確認号「臨床心理学から:幻肢(phantom limb)」

◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座
  http://www.clinicalpsychology.jp/

  
      ◆目次◆

            1)【現在地】
            2)【幻肢研究の広がり】
            3)【心理学とのつながり】
              【次回配信日】
              【参考文献】
              【編集後記】


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   ○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○

    ◆ 【Clip!アカデミー】は、
     心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
     1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
     無料心理学メールマガジンです。
   
            ■ 基本サイクル ■
            第1週「出題号」… タネをまく
                 ↓  (基礎概念と論述問題)
            第2週「解答号」… 深める 
      ↓    (論述問題の解説)
 ※【今回はこちら!】 第3週「確認号」… つなげる
                 ↓    (関連諸分野から)
           第4週 基本的にお休み
         (特別号が配信される場合があります)
               ↓
            ■ 第2サイクルへ続く ■

   ○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  ○

 

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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 4ヶ月目 臨床心理学から
             「幻肢(phantom limb)」

       ================

        0ヶ月目 (ガイダンス号)   
        1ヶ月目 心理学の歴史から
        2ヶ月目 基礎心理学から
3ヶ月目 応用心理学から
  【NOW!】 4ヶ月目 臨床心理学から
   |   5ヶ月目 心理学研究法から 
   |
   |  ================
   ↓



 ● 第3週「確認」号
  「臨床心理学から:幻肢(phantom limb)」はコチラ↓       

  ~~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~

  個々のテーマについて考えた後は、
  それを、より大きな視点から、捉えなおしていきましょう。

  心理学全体の視点から、そのテーマを考え直してみる。

  そうすると、違う文脈から、違うテーマが、次の問いが
  浮かび上がってくるかもしれません。

  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



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2)【幻肢研究の広がり】
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●身体図式(body schema)

身体図式とは、視覚や触覚、体性感覚、運動感覚など、
様々な感覚情報から形成される、
意識下の働きとされる。

身体図式は、
我々の身体の空間内における姿勢や、
身体の各部位の間の位置関係に関する身体像(body image)を成立させている。

幻肢は、四肢の切断による、
新しい身体図式の学習が追いついていない間、
過去の身体像が残存してしまう現象である、という説もある。

身体像のゆがみは、
幻肢や麻痺といった、器質的な原因が明確なもの以外にも、
拒食症や、一部の発達障害(自閉症スペクトラムやADHDなど)
にも見ることが出来る。


●ラマチャンドランのミラーボックス

脳神経科学者のラマチャンドランは、
たとえば切断していない方の手を鏡に移し、
その動きが、存在していない幻肢の動きと重なるようにすることで、
幻肢を動かせるようになったり、消失したりする事例を報告している。

トリックであっても、視覚的に、幻肢が動いている、
という情報がフィードバックされることで、
身体像の変化が促されたと考えることが出来る。

ここから、幻肢治療のためのミラーボックスが開発され、
治療に利用されつつある。

●メルロ=ポンティの心身一元論

現象学の立場から、幻肢について考察し、
身体論の分野で大きな業績を残したメルロ・ポンティは、
デカルト以後の心身二元論への反論で知られている。

ポンティによれば、
我々は、身体としてあるのであり、
主観的な心と客観的な身体が、
別々に存在しているわけではない。

その根拠となるのが、
体験の主体でもあり、客体でもある、”私の身体”である。

そして、私の身体は、
習慣化によって、自転車や鉛筆、キーボードさえ、
自分の身体の一部として感じることが出来る。

それは、身体図式の延長ともいえる。

幻肢も、その意味では、古い習慣が、
消えずに残っている状態と表現することが出来る。

身体図式の変化と再構築という現象は、
旧来の人間観、身体観に代わる、
新しい人間の見方につながっていくことが考えられる。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3)【心理学とのつながり】
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幻肢研究は、
現在、脳神経科学の領域での目覚しい発展によって
牽引されています。

ラマチャンドランの研究も、
脳神経科学に裏づけされたものですが、
彼の研究の視点は、徹底して臨床的な試行錯誤とともにあります。

現に、ミラーボックスはダンボールをくりぬき、
手を入れる穴を作ってから、鏡を真ん中に嵌めるだけ、
という、誰でも実験可能な構造です。

感覚や知覚の領域の研究は、
もともと、錯視や精神物理学的測定法など、
身近で出来る実験によって支えられてきました。

それは、感覚や知覚が、
主観と客観の中間に位置するためであり、
人間のあり方と世界のあり方について、
我々に多くのことを教えてくれるためなのです。


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【次回配信】
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   次回 【出題号】… 8月21日(火)にお送りする予定です。

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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣

● 脳のなかの幽霊 V・S・ラマチャンドラン、サンドラ・ブレイクスリー 
  著 山下篤子 訳 1999 角川書店

● メルロ=ポンティ 哲学者は詩人でありうるか? 熊野純彦 著
  2005 日本放送出版協会


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【編集後記】
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ラマチャンドランは脳神経科学者であり、
メルロ=ポンティは、哲学者です。

ふたりが幻肢を扱う目的は異なりますが、
共通するのは、その現象学的な視点の在りようであるといえるでしょう。

現象学は、
もともとは実存主義哲学において、
対象とするものを分析するための方法です。

現象学的還元を、”「  」(括弧)に入れる”
という言い方で表すことがありますが、
まずは、あらゆる物事を、日常的な捉え方、見方から開放して、
括弧に入れてみる。

そうすることで、括弧に入れた対象のありのままを、
観察し、分析できると考えたのです。

現象学的な視点、というときは、
哲学よりも、もう少し広い意味で、
既存の文脈から離れて、対象のありのままを見据えよう、
という視点として使われることが多いようです。

ラマチャンドランも、メルロ=ポンティも、
目の前にあるものを、ありのままに捉えようとするところから、
幻肢の治療法や、我々人間が「生きた身体」としてあること、
などを考えていきました。

こうしたスタンスは、
臨床の場、研究の場に限らず、
常に意識していたい点であると思います。


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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 
 http://www.clinicalpsychology.jp/  
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2007年7月31日火曜日

【Clip!アカデミー】第89回:解答号「臨床心理学から:幻肢(phantom limb)」

【Clip! アカデミー】 第89回 2007/7/31
第2週 解答号「臨床心理学から:幻肢(phantom limb)」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座
  http://www.clinicalpsychology.jp/


  
      ◆目次◆

            1)【現在地】
            2)【論述問題】
            3)【論述問題の解答】
            4)【論述問題の解説】
              【次回配信日】
              【参考文献】
              【編集後記】

 
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   ○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○

    ◆ 【Clip!アカデミー】は、
     心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
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     無料心理学メールマガジンです。
   
            ■ 基本サイクル ■
            第1週「出題号」… タネをまく
                 ↓  (基礎概念と論述問題)
  ※【今回はこちら!】第2週「解答号」… 深める 
      ↓    (論述問題の解説)
            第3週「確認号」… つなげる
                 ↓    (関連諸分野から)
           第4週 基本的にお休み
         (特別号が配信される場合があります)
               ↓
            ■ 第2サイクルへ続く ■

   ○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  ○

 

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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 4ヶ月目 臨床心理学から
             「幻肢(phantom limb)」

       ================

        0ヶ月目 (ガイダンス号)   
        1ヶ月目 心理学の歴史から
        2ヶ月目 基礎心理学から
3ヶ月目 応用心理学から
  【NOW!】 4ヶ月目 臨床心理学から
   |   5ヶ月目 心理学研究法から 
   |
   |  ================
   ↓

  ● 第2週「解答」号
  「臨床心理学から:幻肢(phantom limb)」はコチラ↓


  ~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
  
  前回出題した、論述問題の解答例を取り上げます。

  第1週で取り上げたテーマを、
  深めていくことが目的です。

  その中から、今度はテーマを心理学全体に
  広げていくためのきっかけが見つかるでしょう。

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2)【論述問題】
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「幻肢と幻覚の違いはどこにあるか。」


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3)【論述問題の解答】
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幻肢は、失ったはずの四肢がまだ存在しているかのように、
痛みや痒み、を含め、様々な感覚が生じることをいう。

幻覚は、対象の存在しない知覚を指す。

幻聴であれば、実際には存在しない音や、声を聴くことであり、
幻視であれば、実際には存在しない物を見ることになる。

幻肢と幻覚の違いは、
まず第一に、原因の違いが挙げられる。

幻肢は、四肢の一部の切断が原因であり、
切断後しばらくしてから生じる。

幻覚は、統合失調症やアルコール中毒症のほか、
LSDなど幻覚剤の服用によって生じることが多い。

第二に、精神状態にも大きな違いが見られる。

幻肢は、四肢を切断した以外、
精神状態の変化に関係なく生じる。

一方幻覚は、
ともに、精神障害や、なんらかの
精神状態の変調に関連していると考えられる。

第三に、生じる感覚体験の違いである。

幻肢が、四肢を失う前に感じていた感覚の延長線上にあり、
ときには、腕を振ろうとすると、振った感覚を感じるなど、
コントロールできることがあるのに対し、
幻覚は、主体の現実感覚を脅かすような異質な体験として現れ、
受動的にしか体験できない点に違いがあると考えられる。

第四に、予後の違い。

幻肢は、身体的な回復と、現状への順応が進んでも、
完全には消失しないことが少なくないのに対し、
幻覚は、原因となる精神症状が寛解に向かえば見られなくなる。


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4)【論述問題の解説】
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幻肢も幻覚も、ともに知覚対象が実在しない、
という点では共通点を持っています。

しかし、原因や体験の質を比較してみると大きな違いがあり、
特に幻肢や幻肢痛があるからといって、
なんらかの精神症状を疑う心配はなさそうです。

しかし、幻肢にも、事故のショックや、
その後の現状の受け入れなど、
心理的な要因によって影響される側面があり、
単なる外科的処置やリハビリテーションだけで終われない
場合があることも事実です。


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【次回配信】
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   次回 【確認号】… 8月7日(火)にお送りする予定です。

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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣

● メルクマニュアル 第17版 日本版 CENTENNIAL EDITION
  マーク・H・ビアーズ,ロバート・バーコウ 編 2000 万有製薬
http://k.d.mail-magazine.co.jp/t/k9wv/60405py0pb44wn43w7

● DSM-Ⅳ 精神疾患の分類と診断の手引き 米国精神医学会 2001 
  医学書院



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【編集後記】
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感覚や知覚は、心理学ではもっとも早くから研究の対象に
されていたように、科学的な研究になじみやすい性質があります。

個人差が少なく、繰り返し、
同一の現象を再現することが可能なことが多いためです。

しかし、一方で、
臨床における感覚や知覚、
もしくは、”身体”とくくられた場合、
話が大きく異なってくることも多くあります。

幻肢や幻肢痛の原因が特定できず、
幻肢痛に至っては、明確な治療法が確立していないこと、
心理的な要因で症状が変化することは、
身体の複雑さのひとつの例と見ることが出来るでしょう。



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