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2007年7月31日火曜日

【Clip!アカデミー】第89回:解答号「臨床心理学から:幻肢(phantom limb)」

【Clip! アカデミー】 第89回 2007/7/31
第2週 解答号「臨床心理学から:幻肢(phantom limb)」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座
  http://www.clinicalpsychology.jp/


  
      ◆目次◆

            1)【現在地】
            2)【論述問題】
            3)【論述問題の解答】
            4)【論述問題の解説】
              【次回配信日】
              【参考文献】
              【編集後記】

 
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   ○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○

    ◆ 【Clip!アカデミー】は、
     心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
     1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
     無料心理学メールマガジンです。
   
            ■ 基本サイクル ■
            第1週「出題号」… タネをまく
                 ↓  (基礎概念と論述問題)
  ※【今回はこちら!】第2週「解答号」… 深める 
      ↓    (論述問題の解説)
            第3週「確認号」… つなげる
                 ↓    (関連諸分野から)
           第4週 基本的にお休み
         (特別号が配信される場合があります)
               ↓
            ■ 第2サイクルへ続く ■

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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 4ヶ月目 臨床心理学から
             「幻肢(phantom limb)」

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        0ヶ月目 (ガイダンス号)   
        1ヶ月目 心理学の歴史から
        2ヶ月目 基礎心理学から
3ヶ月目 応用心理学から
  【NOW!】 4ヶ月目 臨床心理学から
   |   5ヶ月目 心理学研究法から 
   |
   |  ================
   ↓

  ● 第2週「解答」号
  「臨床心理学から:幻肢(phantom limb)」はコチラ↓


  ~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
  
  前回出題した、論述問題の解答例を取り上げます。

  第1週で取り上げたテーマを、
  深めていくことが目的です。

  その中から、今度はテーマを心理学全体に
  広げていくためのきっかけが見つかるでしょう。

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2)【論述問題】
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「幻肢と幻覚の違いはどこにあるか。」


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3)【論述問題の解答】
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幻肢は、失ったはずの四肢がまだ存在しているかのように、
痛みや痒み、を含め、様々な感覚が生じることをいう。

幻覚は、対象の存在しない知覚を指す。

幻聴であれば、実際には存在しない音や、声を聴くことであり、
幻視であれば、実際には存在しない物を見ることになる。

幻肢と幻覚の違いは、
まず第一に、原因の違いが挙げられる。

幻肢は、四肢の一部の切断が原因であり、
切断後しばらくしてから生じる。

幻覚は、統合失調症やアルコール中毒症のほか、
LSDなど幻覚剤の服用によって生じることが多い。

第二に、精神状態にも大きな違いが見られる。

幻肢は、四肢を切断した以外、
精神状態の変化に関係なく生じる。

一方幻覚は、
ともに、精神障害や、なんらかの
精神状態の変調に関連していると考えられる。

第三に、生じる感覚体験の違いである。

幻肢が、四肢を失う前に感じていた感覚の延長線上にあり、
ときには、腕を振ろうとすると、振った感覚を感じるなど、
コントロールできることがあるのに対し、
幻覚は、主体の現実感覚を脅かすような異質な体験として現れ、
受動的にしか体験できない点に違いがあると考えられる。

第四に、予後の違い。

幻肢は、身体的な回復と、現状への順応が進んでも、
完全には消失しないことが少なくないのに対し、
幻覚は、原因となる精神症状が寛解に向かえば見られなくなる。


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4)【論述問題の解説】
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幻肢も幻覚も、ともに知覚対象が実在しない、
という点では共通点を持っています。

しかし、原因や体験の質を比較してみると大きな違いがあり、
特に幻肢や幻肢痛があるからといって、
なんらかの精神症状を疑う心配はなさそうです。

しかし、幻肢にも、事故のショックや、
その後の現状の受け入れなど、
心理的な要因によって影響される側面があり、
単なる外科的処置やリハビリテーションだけで終われない
場合があることも事実です。


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【次回配信】
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   次回 【確認号】… 8月7日(火)にお送りする予定です。

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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣

● メルクマニュアル 第17版 日本版 CENTENNIAL EDITION
  マーク・H・ビアーズ,ロバート・バーコウ 編 2000 万有製薬
http://k.d.mail-magazine.co.jp/t/k9wv/60405py0pb44wn43w7

● DSM-Ⅳ 精神疾患の分類と診断の手引き 米国精神医学会 2001 
  医学書院



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【編集後記】
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感覚や知覚は、心理学ではもっとも早くから研究の対象に
されていたように、科学的な研究になじみやすい性質があります。

個人差が少なく、繰り返し、
同一の現象を再現することが可能なことが多いためです。

しかし、一方で、
臨床における感覚や知覚、
もしくは、”身体”とくくられた場合、
話が大きく異なってくることも多くあります。

幻肢や幻肢痛の原因が特定できず、
幻肢痛に至っては、明確な治療法が確立していないこと、
心理的な要因で症状が変化することは、
身体の複雑さのひとつの例と見ることが出来るでしょう。



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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 
 http://www.clinicalpsychology.jp/  
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