【Clip! アカデミー】 第86回 2007/7/3
第2週 解答号「応用心理学から:人工知能(artificial intelligence)」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆
http://www.clinicalpsychology.jp/
◆目次◆
1)【現在地】
2)【論述問題】
3)【論述問題の解答】
4)【論述問題の解説】
【次回配信日】
【参考文献】
【編集後記】
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○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○
◆ 【Clip!アカデミー】は、
心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
無料心理学メールマガジンです。
■ 基本サイクル ■
第1週「出題号」… タネをまく
↓ (基礎概念と論述問題)
※【今回はこちら!】 第2週「解答号」… 深める
↓ (論述問題の解説)
第3週「確認号」… つなげる
↓ (関連諸分野から)
第4週 基本的にお休み
(特別号が配信される場合があります)
↓
■ 第2サイクルへ続く ■
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 3ヶ月目 応用心理学から
「人工知能(artificial intelligence)」
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0ヶ月目 (ガイダンス号)
1ヶ月目 心理学の歴史から
2ヶ月目 基礎心理学から
【NOW!】3ヶ月目 応用心理学から
| 4ヶ月目 臨床心理学から
| 5ヶ月目 心理学研究法から
|
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↓
~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
前回出題した、論述問題の解答例を取り上げます。
第1週で取り上げたテーマを、
深めていくことが目的です。
その中から、今度はテーマを心理学全体に
広げていくためのきっかけが見つかるでしょう。
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2)【論述問題】
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「アラン・チューリングの提案した「チューリング・テスト」について
説明し、それが人工知能にとってどんな意味を持つか考察しなさい。」
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3)【論述問題の解答】
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チューリングの考案した、
計算機械が知能を持ち、思考をしているかどうかを判定するための
テストを指す。
アラン・チューリングは、イギリスの数学者であり、
コンピューター開発史の初期に大きな影響を与え、
計算機科学の父ともいわれる。
もし、機械が人間と同じように思考できる知能を備えているなら、
ディスプレイを解して会話している人間は、
相手が機械か人間かを区別できないはずである。
このような発想から、
チューリング・テストでは、
質問者に「相手の性別を区別する」という課題が出される。
質問者は、機械と人間に性別を区別するための質問を行い、
性別を答えるが、正解率が機械と人間とで変わらなければ、
機械は人間と同じように思考している、とみなされる。
このテストにパスする機械は、強い人工知能と呼ばれ、
人工知能研究の初期においては、
こうした知能をいかにコンピューター上で再現できるか、
が論点となった。
しかし、
現在ではこうした強い人工知能への関心は薄れており、
開発者があらかじめ用意したプログラムにしたがって、
人間の振る舞いの模倣を行わせることで、
同等の結果を得ることに関心が向けられている。
これは弱い人工知能と呼ばれ、
プログラムにしたがって、人間の振る舞いの模倣を行う
人工知能を、人工無能と呼ぶこともある。
こうした人工無能が、チューリング・テストにパスした場合、
果たして、そのプログラムが知能を持っているとみなしていいのか、
それとも、チューリング・テスト自体に、
知能を判定する上での欠陥があると考えるべきなのか、
については、いまだに明確な答えが出ていない。
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4)【論述問題の解説】
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チューリングが生きていたのは、
20世紀前半であり、まだコンピューターは現在のような可能性を持たず、
チューリングの考案した計算機科学も、
多くはシュミレーション上のものに留まっていました。
しかしその後、コンピューターの性能は飛躍的に向上し、
人工的な知能、というよりも、
我々が、我々と区別できないようなプログラムが開発されたとき、
それとどのように付き合っていくのか、
という命題が、現実のものとなりつつあります。
ハリソン・フォード主役の映画「ブレードランナー」では、
人間そっくりの人造人間が脱走し、
尋問の際、人間か否か、を判別するための心理テスト(的なもの)
が行われる場面があります。
この息詰まるシーンは、
見る側にも根源的な恐怖を喚起します。
人間か否かを判別する、ということは、
同時に我々自身が、人間か否か、を問われるということでもあるからです。
科学の成果から、
テクノロジーが実用化されるようになると、
そこには、倫理的な問題が生じてきます。
応用心理学においては、
常にテクノロジーの持つこうした側面
についても、考えを深めていく必要があるといえるでしょう。
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【次回配信】
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次回 【解答号】… 7月10日(火)にお送りする予定です。
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【参考文献】
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● 認知心理学を知る 第3版 伊藤祐司 市川伸一 編著 1987
ブレーン出版
● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣
● キーワードコレクション 心理学 重野純 編 1994 新曜社
● 映画ブレードランナー リドリー・スコット 監督 1982
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【編集後記】
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認知心理学においては、
すこし議論が深まってくると、
とたんにコンピューター関連の技術的な専門用語が
数多く登場するので、
苦手意識を持っている人も多いと思います。
特に人工知能は、
実現しようとしているものは、
我々が日々行っている数々の行為であり、
我々が日々用いている様々な機械やサービスです。
たとえば、インターネット上で
キーワードを検索してくれるプログラムや、
好みの文献を勝手に紹介してくれるプログラムも、
こうした研究の応用です。
また、格闘ゲームの対戦用AIも、
もともとは人工知能研究にルーツを持っています。
もともと認知心理学は、
人間の心を理解するためのメタファとして、
コンピューターの情報処理の仕組みを用いているので、
これは仕方のないことだと思います。
しかし、このために逆に、
コンピューターの専門家は、
人間の心についても何がしかモノを言いたくなる人が
多いようです。
このことは、豊かなメタファが、
どれだけ人間の想像力に訴えかけ、
イメージを膨らませてくれるか、を示しています。
イメージをどれだけ膨らませられるか、
が、勉強を面白くする原動力です。
単純に暗記して終わりにするよりも、
まずはどうしたら実感としてイメージが出来るか、
を考えてみると、勉強が少し、楽しくなるかもしれません。
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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座
http://www.clinicalpsychology.jp/
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2007年7月3日火曜日
【Clip!アカデミー】第86回:解答号「応用心理学から:人工知能(artificial intelligence)」
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