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2007年7月10日火曜日

【Clip!アカデミー】第87回:確認号「応用心理学から:人工知能(artificial intelligence)」

 【Clip! アカデミー】 第87回 2007/7/10
第3週 確認号「応用心理学から:人工知能(artificial intelligence)」


◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座
  http://www.clinicalpsychology.jp/
  
      ◆目次◆

            1)【現在地】
            2)【人工知能研究の広がり】
            3)【心理学とのつながり】
              【次回配信日】
              【参考文献】
              【編集後記】

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   ○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○

    ◆ 【Clip!アカデミー】は、
     心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
     1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
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            ■ 基本サイクル ■
            第1週「出題号」… タネをまく
                 ↓  (基礎概念と論述問題)
            第2週「解答号」… 深める 
      ↓    (論述問題の解説)
 ※【今回はこちら!】 第3週「確認号」… つなげる
                 ↓    (関連諸分野から)
           第4週 基本的にお休み
         (特別号が配信される場合があります)
               ↓
            ■ 第2サイクルへ続く ■

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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 3ヶ月目 応用心理学から
             「人工知能(artificial intelligence)」

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        0ヶ月目 (ガイダンス号)   
        1ヶ月目 心理学の歴史から
        2ヶ月目 基礎心理学から
【NOW!】3ヶ月目 応用心理学から
   |   4ヶ月目 臨床心理学から
   |   5ヶ月目 心理学研究法から 
   |
   |  ================
   ↓
● 第3週「確認」号
  「応用心理学から:人工知能(artificial intelligence)」はコチラ↓

  ~~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~

  個々のテーマについて考えた後は、
  それを、より大きな視点から、捉えなおしていきましょう。

  心理学全体の視点から、そのテーマを考え直してみる。

  そうすると、違う文脈から、違うテーマが、次の問いが
  浮かび上がってくるかもしれません。

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2)【人工知能研究の広がり】
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●樹状構造

言語構造や問題解決の手順などは、
一定のパターンとして表現することが可能である。

パターン情報の記述の形式として用いられるのが、
樹状(ツリー)構造である。

たとえば、チェスの次の一手を予測する場合、
考えられる可能性が10パターンあるとすると、
二手先では、そのまた10パターンから枝分かれした、
100パターンの可能性が、樹状構造として表現できることになる。

樹状構造の分析は、
コンピュータープログラムでの表現に適していたため、
人工知能研究においても盛んに用いられている。


●ヒューリスティクスとアルゴリズム

問題解決を行うときの手順を指す。

問題解決を短縮できる可能性のある手続きの仕方を
ヒューリスティクスと呼び、
必ず問題を解決できるような手続きをアルゴリズムと呼ぶ。

ヒューリスティクスは発見法とも呼ばれ、
パズルを解くとき、
ゴールを想定して、それに近づけるような手順を
試してみるなど、試行錯誤する中で、
より短い手順での問題解決を図ろうとする。

それに対して、アルゴリズムでは、
想定されるすべてのパターンの組み合わせを端から
試していく。

アルゴリズムでは、必ずいつかは正解が見つかるが、
非常に非効率で、わずらわしい手順が必要なことが多いので、
人間が問題解決を行うときには、
ヒューリスティクスを用いようとする傾向がある。


●人工無能

人間の知能をシュミレーションしようとする場合、
従来の人工知能研究では、
人間の認知過程を研究し、
それを忠実に再現することで、それを実現しようとしてきた。

それに対し、
結果として知性的(に見えるような)振る舞いが出来れば、
人間の認知過程を真似する必要はないと考える立場は、
人工無能と呼ばれる。

たとえば、プログラムの能力を超えるような質問に対しては、
「分からない」と答えたり、無視して話を変えたり、
といった応答を、あらかじめプログラミングしておく。

実際には、その背後に人間的な知性がないとしても、
相手が会話に違和感を感じることはないなら、
それで十分であることになる。

人間の忠実な模倣を目指すアプローチが行き詰まりを見せる中、
人工無能アプローチによる人工知能は、
AIの商業化の大きな原動力になっている。


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3)【心理学とのつながり】
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心理学からみた人工知能研究は、
人間の認知処理過程、あるいは、問題解決過程の理解
を目指しているものといえるでしょう。

そのための戦略のひとつが、
人間の知能をコンピューター上で再現することで、
人間の認知処理について研究しようとする
方法だといえます。

1997年に、Deep Blueと呼ばれるコンピューターが
チェスのチャンピオンに勝利するという出来事が、
話題になりました。

しかし、これは人工知能が人間に近づいたというより、
むしろ、
人間に似せることをあきらめたためだそうです。

人間に似せないほうが、
よりよい人工知能が作れる、ということは、
何を意味するのでしょうか。

ひとつには、人間の心を理解する上での、
コンピューターというメタファの限界、
が挙げられるでしょう。

次に、知能というものが、
人間のやり方には限定されない可能性が考えられるでしょう。

空を飛ぶ方法がいくつもあるように、
知的な問題解決にも、いく通りもの方法があります。

その意味で、
人工知能研究のこうした行き詰まりは、
「人間」と、「知能」そのものについて、
これまでの捉え方を考え直すよう迫っているものと
言えるかもしれません。


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【次回配信】
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   次回 【出題号】… 7月24日(火)にお送りする予定です。

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【参考文献】
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● 認知心理学を知る 第3版 伊藤祐司 市川伸一 編著 1987 
  ブレーン出版

● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣

● キーワードコレクション 心理学 重野純 編 1994 新曜社

● Deep Blueの勝利が人工知能にもたらすもの 松原 仁 著 1997
  人工知能学会誌vol.12 no.5
 
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【編集後記】
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人工知能についても、
突き詰めていくと、結局最後は、
「人間の知能とは何か」、「人間とは何か?」
という問題に突き当たります。

実際、人間の知能を明確に定義することは、
ことのほか難しいことです。

それは、人工知能において問題とされるような、
論理的な問題解決だけが、知能の役割ではないからです。

その意味では、人間の機能の中から、
知能だけを取り出そうとしたところに、
初期の人工知能研究の行き詰まりがあったと考えてもよさそうです。

しかし、今度は逆に、
人間の思考プロセスや、非論理的な要素とは
まったく関係なく、
人間らしい振る舞いをするマニュアルを持ったプログラムが、
登場しつつあります。

これは、数学の考え方の道筋や、その意味を学ぶことなく、
純粋に問題のパターンと解法だけをマニュアルとして学習して、
良い点をとることと似ています。

可能な以上、実行する人がいるのが現実ですが、
ここでも、テクノロジーの使い方、その意味についても、
考える必要がありそうです。


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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 
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