【Clip! アカデミー】 第104回 2007/12/18
第1週 理論号「臨床心理学から:健忘症(amnesia)」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆
http://www.clinicalpsychology.jp/
◆目次◆
1)【現在地】
2)【臨床心理学から:健忘症(amnesia)】
3)【解説:知識の種】
【次回配信日】
【参考文献】
【編集後記】
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■ 基本サイクル ■
※【今回はこちら!】 第1週「理論号」… 知識のタネをまく
↓ (用語説明から)
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↓ (具体例を中心に)
第3週「展開号」… 知識をつなげる
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 2巡目4ヶ月目 臨床心理学から
「臨床心理学から:健忘症(amnesia)」
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1ヶ月目 心理学の歴史から
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~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
用語説明は、知識のタネです。
勉強、特に受験勉強においては、まずはたくさんのタネを
自分の脳の中にまかなければなりません。
タネは小さくてかまいません。
逆に、完ぺき主義はいい結果を生みません。
はじめはできるだけコンパクトな知識からはじめましょう。
しかし、そこで勉強は終わりではありません。
そこからが、勉強のスタートなのです。
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2)【臨床心理学から:健忘症(amnesia)】
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今回は臨床心理学から、
「健忘症(amnesia)」
を通して、心理学について考えていきましょう。
============用語説明==============
健忘症とは、
記憶のプロセスになんらかの障害が起こり、
必要な記憶を思い出すことが出来なくなる症状を指す。
障害が生じているプロセスや原因によって、
様々なタイプが報告されている。
大きく分けると、
健忘症の原因は心因性と器質性に分けられる。
また、
新しい出来事を記憶できなくなる症状を順向性健忘、
過去の記憶を思い出せなくなる症状を逆向性健忘、
と呼ぶ。
心因性の健忘のなかでも、
強烈な心理的ショックを原因に、
見当識(自分が誰で、ここがどこかについての意識)
が失われるものは、記憶喪失と呼ばれる。
強烈なストレスや環境変化によって、
一時的に生じる一過性全健忘症は、
50歳以上の人に生じるが、見当識は失われず、
数時間から数日で回復する。
器質性の健忘は、
脳の損傷、特に海馬を含む大脳側頭葉
の損傷によるものであり、
長期にわたる深刻な影響が生じることが多い。
損傷の原因としては、
慢性アルコール中毒による損傷(コルサコフ症)、
脳の老化(認知症)、
アルツハイマー病における脳の萎縮、
脳血管の疾患、
などがあげられる。
一方、通常ほとんどの人は2・3歳の頃の記憶を持たない。
言語や記憶が未発達であるために、
経験をエピソードとして言語化し、
記憶しておくエピソード記憶が成立していないことが
原因である。
これは乳児性健忘と呼ばれる。
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3)【解説:知識の種】
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忘れることは自然で必要なプロセスであり、
人間の社会においては、
いつでも、どこでも、
常に進行していることが普通です。
しかし一方で、
記憶は我々が我々であることを保証してくれるものでもあり、
その意味で、変わらない、なくならないことが、
我々が社会生活をおくる上での、大前提となっています。
我々の社会では、
「憶えていない」、「記憶が首尾一貫していない」ことは、
ときに、その人自身への人格的な非難にさえ、
結びつくことになるのです。
忘却は常に進行しているのに、
前提としては、記憶が永遠であるかのように振舞う。
両者のズレが露呈するのが、
この健忘症という症状であるということができるでしょう。
我々は、日常において、
あまりに当然のものとして、
「永遠に忘れない」「首尾一貫している」
などの言葉を、
美しい言葉にしていることに、
考えをめぐらせる必要があるでしょう。
裏を返せば、
それは逆に、「忘れる」ことを
ネガティブにしか捉えられないことを
意味しているからです。
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【次回配信】
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次回 【応用号】… 12月25日(火)にお送りする予定です。
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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣
● 心理学用語の基礎 東洋 大山正 詫摩武俊 藤永保 編 1978 有斐閣
● キーワードコレクション心理学 重野純 編 1999 新曜社
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【編集後記】
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記憶喪失や健忘症は、
小説や映画などにも、
多く取り上げられる題材です。
おそらく、健忘症に面した人々の多くは、
これまで自分が当たり前のものと考えてきたことと、
現実とのギャップを体験し、
そこから人間そのものについて考えざるを
えなくなったのでしょう。
人間を描こうとするとき、
そのようなギャップを分かりやすく示すものとして、
健忘症が取り上げられてきたのだと考えられます。
解説では、
記憶が首尾一貫していることをよしとする社会、
という言い方をしましたが、
これは、言い換えると「自己同一性」を重視する社会、
ということでもあります。
つまり、健忘症を題材にするような社会は、
個人に
「自分が自分であること」
「自分の記憶や主張がいちいち一貫していること」
を、厳しく問う社会であるということも出来るかと思います。
「自己同一性」を重視する社会があるということは、
それをあまり重視しない社会もあるということでしょう。
それはどんな社会でしょうか。
その是非はともかく、
おそらくは、健忘症をめぐる人々にとっては、
もう少し生きやすい社会かもしれません。
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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座
http://www.clinicalpsychology.jp/
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2007年12月18日火曜日
【Clip!アカデミー】第104回:理論号「臨床心理学から:健忘症(amnesia)」
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