【Clip! アカデミー】 第133回 2008/9/9
第3週 展開号 「基礎心理学2:認知的斉合性理論(cognitive consistency theory)」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆ http://www.clinicalpsychology.jp/
◆目次◆
1)【現在地】
2)【認知的斉合性理論の展開】
3)【解説:知識の展開】
【次回配信日】
【参考文献】
【編集後記】
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○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○
◆ 【Clip!アカデミー】は、
心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
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■ 基本サイクル ■
第1週「理論号」… 知識のタネをまく
↓ (用語説明から)
第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす
↓ (具体例を中心に)
※【今回はこちら!】 第3週「展開号」… 知識をつなげる
↓ (テーマを展開する)
第4週 基本的にお休み
(特別号が配信される場合があります)
↓
■ 第2サイクルへ続く ■
○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○
※ 【初めてお読みになる方は、こちらもご覧ください。】
● 0ヶ月目 ガイダンス号
http://clipseminar.blogspot.com/2007/04/clip.html
● 0ヶ月目 ガイダンス号2
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 4巡目3ヶ月目 基礎心理学から2
「認知的斉合性理論(cognitive consistency theory)」
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0ヶ月目 (ガイダンス号)
1ヶ月目 心理学の歴史から
2ヶ月目 基礎心理学から1
【NOW!】3ヶ月目 基礎心理学から2
| 4ヶ月目 臨床心理学から
| 5ヶ月目 心理学研究法から
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「認知的斉合性理論(cognitive consistency theory)」はコチラ↓
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● 第2週「応用」号
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● 第3週「展開」号
「認知的斉合性理論(cognitive consistency theory)」はコチラ↓
~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
知識は、知識とつなげることで、はじめて意味を持ちます。
取り入れた知識を、自分の中に根付かせるためには、
他の知識とつなげていくことを同時にやらなければなりません。
展開号では、
これまでに紹介してきたテーマを、さらに展開していきます。
関連する様々なテーマを紹介することで、
立体的な理解と、
心理学の中での位置づけが、
容易になるでしょう。
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2)【認知的斉合性理論の展開】
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●ABX理論
ニューカムの提唱したであり、
ハイダーのバランス理論(POX理論)に近い立場である。
ある対象(X)に対する人物AとBの態度や感情は、
A-B-Xシステムとして表現される。
このシステムを構成する
それぞれの関係性(A-X、B-X間の態度、A-B間の関係)
は、それぞれ(+)、(-)で表されるが、
全体の積が(+)、
すなわち、均衡状態になるように、
AとBの間ではコミュニケーションが生じる。
これによって全体のシステムがバランスするように、
態度変容が生じると考える。
バランス理論と異なり、
人物Pの内部だけでなく、
システム全体の関係性の変化を重視する点が
特徴といえる。
●自己肯定化
認知的不協和理論への批判として、
スティールによって提唱された理論である。
人間は、
自分が環境に適応しており、
倫理的に適切で、有能であるという
自己イメージを維持しようとする。
こうした自己イメージの一部が傷つけられると、
自己を肯定する過程が脅かされることになる。
フェスティンガーの提唱する
認知的不協和の解消は、
再び安定を取り戻すために、
傷ついた一部分を守るより、
全体としての自己イメージを肯定できるような対処を
取る過程として説明できるとする。
●自己知覚理論
ベムが提唱した、
個人が自己の感情や態度を
知覚する過程についての理論である。
自己知覚理論では、
自己の行動を推測する過程は、
他者の行動を推測する過程と、
ほとんど変わらないと考える。
個人は、自己の内的な状態を、
他者の行動からその人の内的な状態を推測するように、
自分の行動や状況などから推測する。
状況の側に、
自分の行動を説明できるような要因(命令や報酬など)
がない場合、
自分の行動は、自分の感情や欲求から
生じたものだ、と推測することが出来る。
認知的不協和理論への批判を行い、
フェスティンガーと論争を行った。
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3)【解説:知識の展開】
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認知的斉合性理論は、
ハイダーのバランス理論、
フェスティンガーの認知的不協和理論を
代表として、新しい分野を切り開き、
それまで説明できなかった様々な社会現象を、
研究する手段を提供しました。
そこから、
システム全体の斉合性の崩れと回復
というイメージを応用したり、
そうしたイメージに対抗する形で
理論を立ち上げる人たちが、
数多く出てくることになりました。
特に、
フェスティンガーの認知的不協和理論は、
多くの社会心理学者に受け入れられ、
様々な不協和の条件が、
実験で検証されることになりましたが、
一方では、
様々な批判によっても、
研究を活性化することになりました。
たとえば、
フェスティンガーは、
認知的不協和理論を実証するために
様々な実験を行いましたが、
ベムの自己知覚理論は、
その結果を別の形で解釈できる、
と批判しました。
たとえば、
同じ作業に対する報酬として、
1ドルもらった場合と、20ドルもらった場合。
1ドルの方が、
作業と報酬が不協和を起こすため、
代わりに「作業へのやりがい」を高く評価することで、
それを回避する、
と認知的不協和理論は考えます。
一方、自己知覚理論では、
個人が自分の行動の動機を解釈し、
説明する際に、
どのような情報を持っているかを重視します。
20ドルもらった場合、
報酬が、作業への動機付けとして十分であるため、
「作業へのやりがい」は、高く評価されません。
しかし、
そうした情報がない1ドルの方は、
個人は自分の動機を、
自己の内的状態からしか推測できない。
そのため、
「作業へのやりがい」を、
高く評価せざるを得ない、と考えたのです。
こうしたベムの自己知覚の考え方は、
自分の行動の原因を、何に帰属させるか、
という、帰属理論に近いものがあります。
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【次回配信】
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次回 【理論号】… 2008年9月23日(火)にお送りする予定です。
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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣
● キーワードコレクション心理学 重野純 編 1999 新曜社
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【編集後記】
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認知的斉合性理論は、
個人の態度変容や
動機を理解するための、
ひとつの考え方として役に立ちます。
その意味では、
かなり実践的な研究であり、
さすがは、応用心理学としての
社会心理学の面目躍如といったところでしょう。
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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 http://www.clinicalpsychology.jp/ ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座 に帰属します。無断転載・転用を禁止します。
2008年9月9日火曜日
【Clip!アカデミー】第133回:展開号「基礎心理学2:認知的斉合性理論」
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