【Clip! アカデミー】 第120回 2008/5/13
第2週 応用号 「臨床心理学から:行動療法(Behavior Therapy)」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆ http://www.clinicalpsychology.jp/
◆目次◆
1)【現在地】
2)【ADHDへの行動療法的アプローチ】
3)【解説:知識の根っこ】
【次回配信日】
【参考文献】
【編集後記】
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○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○
◆ 【Clip!アカデミー】は、
心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
無料心理学メールマガジンです。
■ 基本サイクル ■
第1週「理論号」… 知識のタネをまく
↓ (用語説明から)
※【今回はこちら!】 第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす
↓ (具体例を中心に)
第3週「展開号」… 知識をつなげる
↓ (テーマを展開する)
第4週 基本的にお休み
(特別号が配信される場合があります)
↓
■ 第2サイクルへ続く ■
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※ 【初めてお読みになる方は、こちらもご覧ください。】
● 0ヶ月目 ガイダンス号
http://clipseminar.blogspot.com/2007/04/clip.html
● 0ヶ月目 ガイダンス号2
http://clipseminar.blogspot.com/2007/09/94clip.html
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 3巡目4ヶ月目 臨床心理学から
「行動療法(Behavior Therapy)」
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0ヶ月目 (ガイダンス号)
1ヶ月目 心理学の歴史から
2ヶ月目 基礎心理学から1
3ヶ月目 基礎心理学から2
【NOW!】4ヶ月目 臨床心理学から
| 5ヶ月目 心理学研究法から
| ↓
| 【※違うテーマではじめから繰り返します。】
| ======================
↓
● 第1週「理論」号
「臨床心理学から:行動療法(Behavior Therapy)」はコチラ↓
http://clipseminar.blogspot.com/2008/05/119behavior-therapy.html
● 第2週「応用」号
「臨床心理学から:行動療法(Behavior Therapy)」はコチラ↓
~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
知識のタネをまいたら、
次にすることは、水をあげること。
いろいろな方向から刺激してあげることで、
知識を様々なイメージで膨らませていくことが出来るでしょう。
応用号では、
理論号で紹介した概念について、
今度は具体例などを紹介しながら肉付けしていきます。
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http://clipseminar.blogspot.com/
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2)【ADHDへの行動療法的アプローチ】
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●「読んで学べるADHDのペアレントトレーニング
~むずかしい子にやさしい子育て~」
シンシア・ウィッタム著
から、落ち着きのないADHD児への
行動療法的アプローチの例について
検討してみましょう。
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5歳になるADHD(注意欠陥多動性障害)を持つ息子が、
電話をしているときでもお構いなしで騒ぎ続け、
いくらしかっても、
逆にちょっかいを出してきてとめられない
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という場合を想定してみます。
まず、子どもの行動を1週間ほど詳細に観察し、
●「してほしい行動」
●「してほしくない行動」
●「許しがたい行動」
に分類します。
これは、行動療法におけるもっとも
シンプルなアセスメントになっています。
「してほしい行動」を強化するための、
もっとも基本的な戦略として、
ここでは「ほめる」が挙げられます。
「してほしい行動」が、
「電話中はしずかにする」だったとすれば、
”うるさいとき”に怒るのではなく、
”しずかにしているとき”に、
「しずかにしていること」に対して、
そくざに「しずかにできてえらいね」と、
フィードバックすることが、それにあたります。
「ほめる」が有効に使えるようになったら、
次は「してほしくない行動」に対して、
「注意を取り去る」ことに進みます。
「してほしくない行動」が、
「電話中にうるさく騒ぐ」ことだったとすれば、
「騒ぐ」という行為に対して、
「騒ぐ」のをやめるまで一切の反応をせずに、
その行為に気づかないフリをします。
つまり、語弊はありますが、
一切の注意を向けずに、
”無視をする”ということです。
しずかにしているとほめてもらえ、
うるさくしていると自分に気づいてくれないようだ、
ということを学習すると、
次第に子どもはしずかにしているようになる、
というのが、このアプローチの概要です。
このふたつの方法に加えて、
「許しがたい行動」をする場合に用いる、
補助的な方法も紹介されています。
詳しくは、参考文献を参照してみてください。
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3)【解説:知識の根っこ】
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行動療法の中でも、
特にオペラント条件付けを中心とした、
アプローチの手順を簡単にご紹介しました。
参考文献の手続きは、
母親が自分自身で取り組めるように
構成されていることもあり、
非常に簡便なもので、特別な知識は必要ありません。
それでは、
これでうまく問題が解決するでしょうか。
おそらく、うまく行かない人も多いでしょう。
独学と、専門家との共同作業とでは、
どこが違うのでしょうか。
行動療法におけるアセスメントは、
生育暦や親子関係などを問題にするよりも、
具体的な行動について、
引き金となる状況、具体的な行動、周囲の反応、
などが詳細に検討されます。
それによって、
望ましくない行動を強化している要因、
すなわち強化子を特定し、
望ましい行動を強化するための手続きを
検討することが容易になります。
このプロセスが非常に重要であり、
取り組みの成否を分けることになるのです。
「ほめる」ことは、
オペラント条件付けにおいても、
もっとも一般的な強化子ですが、
行動療法的には、
いつ、どのタイミングで、どのような行動をほめるか、
すなわち、ターゲット行動を明確にしなければ、
効果は望めないとされています。
上述の電話の例では、
強化すべきなのは、
例外的に「電話中でもしずかにしている」ときです。
これは見過ごされている場合が多いため、
行動の観察と分析が重要となるのです。
「注意を取り去る」のは、
「してほしくない行動」を強化している強化子を、
取り去ることを目的としています。
それはたとえば、
怒りの表情や視線、激しい口調や叱責、
など、広い意味で、
「注目しているサイン」になります。
この場合も、
母親本人は、自分では無視しているつもりで、
子どもをにらみつけ、イライラしている様子
はまったく変わっていないことがあります。
そのため、
子どもの行動に変化がないならば、
何が強化子となっているのか、
再度検討しなおす必要が出てきます。
こうした、
行動の観察→分析→仮説の修正→リトライ
のプロセスをていねいに検証していくところが、
行動療法の強みであり、
行動療法を用いる心理療法家の
専門性であるといえるでしょう。
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【次回配信】
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次回 【展開号】… 2008年5月20日(火)にお送りする予定です。
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【参考文献】
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● 読んで学べるADHDのペアレントトレーニング
-むずかしい子にやさしい子育て シンシア・ウィッタム著
明石書店 2002
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【編集後記】
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参考文献は、
ADHDを対象にしていますが、
実際には、ADHDの児童に用いて成功すれば、
どんな子にも用いられる方法です。
また、オペラント条件付けが、
我々の生活の中で、
非常に自然に用いられているし、
用いることができることも
お分かりになったのではないでしょうか。
こうした汎用性の高さは、
行動療法の魅力のひとつです。
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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 http://www.clinicalpsychology.jp/ ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座 に帰属します。無断転載・転用を禁止します。
2008年5月13日火曜日
【Clip!アカデミー】第120回:応用号「臨床心理学から:行動療法(Behavior Therapy)」
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