臨床心理士指定大学院受験講座メールマガジン
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【Clip! アカデミー】 第4回
第1週 エッセイ号「心の側面をどう捉えるか」
◆目次◆
1)【前回のまとめ】
2)【心の側面をどう捉えるか】
3)【理解の道具としてのストーリー】
4)【コンビニの経営者が見ているもの】
5)【まとめの図解】
【参考文献】
【編集後記】
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1) 【前回のまとめ】
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前回までの3回では、
「みなさんはどんな勉強をしていますか?」
と題して、
今回からは、しばらくの間、
心理学の諸側面、心の仕組みについて、
様々なストーリーや比喩を通して、
枠組みを与えていく試みをしていきたいと思います。
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2) 【心の側面をどう捉えるか】
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心は、いくつもの側面を持っていると、
心理学では理解されています。
まず始めに思いつくのは、意識、ですよね。
ほかには、無意識。
これだけで、心は二つの側面を持っている、
ということができます。
二つならまだいいのですが、
心理学の勉強を始めていれば、行動や、認知過程、
なども心の側面として出てくるのではないでしょうか。
感情や、思考、記憶、感覚・知覚、動機付けなども、
よく心理学概論書でお目に掛かります。
心理学自体も、それに伴って、
○心理学、××心理学、△△心理学…、と、
際限なく分類できます。
このように、
心理学おいては、心の側面を挙げていくと限りがありません。
心は、元々目に見えない部分がほとんどですから、
基本的にはどういう側面を仮定してもかまわないわけです。
しかも各側面は、その成り立ちも、研究のされ方もバラバラ。
● ここで、心理学を勉強する上での問題が1つ出てきます。
それは、とても憶えにくい。
ということです。
◆ お互いにどんな関係で、
◆ どのように心理学という全体を構成しているのか、
という勘どころ、すなわち、
心理学全体が見えてくる
までには、結局かなりの時間が経過していることになります。
もともと、人間の記憶は、一度に7個の要素が限界とされています。
バラバラに並んだ情報は、記憶に負担をかけます。
心理学を学び始めた人のぶつかる壁。
それが、
==========================
よくわからないけれど、
とにかく暗記する以外ないか
==========================
と思わせる、心理学の特徴なのです。
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3) 【理解の道具としてのストーリー】
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それでは、
どうすれば、心理学で扱われている心の各側面を、
全体として理解することが可能になるでしょうか。
ここで、問題をこう読み代えてみましょう。
==============================================
暗記するしかない
イコール
こころの持つ様々な側面をまとめて理解するための、
一貫した枠組みがない
==============================================
ということです。
たとえば、人間の身体の構造について理解する場合を考えてみます。
心臓や肝臓、手足、神経などなど、
人体は無数の複雑なパーツで出来上がっています。
それでも、混乱を防ぐことができるのは、
我々が、人体という全体に、
各パーツが位置づけられるのかを、
具体的にイメージすることができるためです。
つまり、バラバラの各側面をバラバラに記憶するのではなく、
整理しながら理解するためには、
なんらかの枠組みが必要だということです。
このことは、第1回においても、
先行オーガナイザーの有効性という形でご説明しました。
そのため、
情報を構造化して、ストーリーにすることで、
記憶にかかる負担を軽減することが、
学習のコツに数えられるわけです。
ルート5=2.23620679=富士山麓にオウム鳴く。
これもその1つです。
もともと枠組みがないところに、
無理やり枠組みを持ち込むということは、
それだけ、一面的で、強引な枠組みにならざるを得ません。
ただ、枠組みからはみ出すところを議論していくことは、
逆に、我々に興味深いトピックスを提供してくれるはずです。
その点を議論する中で、新しい枠組みを建てていく。
その積み重ねの中から、心理学という学問の全体が、
おぼろげながら、姿を現すのではないでしょうか。
ということで、
今回からは、心理学の各側面を整理し、
心理学全体をストーリーの中に位置付けていく、
という試みをしていきたいと思います。
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4) 【コンビニ経営者が見ているもの】
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さて、以上のような議論を受けて、
今回は、
コンビニの仕組み
を通して、
心にどのような側面を置くかを検討していきましょう。
あまりに唐突で、面食らった方もいるかもしれませんが、
まずは、ウォーミングアップ。
身近なコンビニを思い浮かべてみましょう。
そして、
あるとき、本社の社長が、
================================
今、現場はどうなっているんだろう。
================================
と、考えたとします。
ここで心でいうなら、
【社長=意識】
です。
意識とは、人間にとって、直接体験している感情や感覚など、
「私」が存在している、という感覚の根拠となっている部分です。
さて、次に、社長が、現場の状況を知るにはどうすればいいでしょうか。
これは人間でいえば、
我々が外界を認識するために、どうするか、
ということに当たるでしょう。
現場を視察するにしても、
チェーン店は全国にあります。
仮に全国のチェーン店をすべて回れば、
現場の状況を理解することができるでしょうか?
● 結論からいうと、社長(=意識)は、
“現場の状況”なるものの全貌を見ることは出来ないのですね。
というよりも、
そもそも“現場の状況”などという現実そのものは、
存在しない、ということができます。
存在しているのは、
従業員たちが、様々な現場で日々働いている、
という事実です。
ここで、
【従業員=身体】
と言えるでしょう。
ここでいう身体の中には、実際に動く手足という以外に、
【感覚器官および、脳を含む神経ネットワーク】
も含まれます。
かれらは、その仕事の中で、様々なお客さんと接し、
棚卸や清掃まで、様々な作業を繰り返しています。
バイトがレジに値段を打ち込んだり、
店長に引き継いだり、日誌を書いたりすると、
様々な形で体験が他の形式の情報に変換されていきます。
神経ネットワークでいうならば、
光の波長や、振動など、様々な形で感覚器官が捉えた外界の変化が、
電気信号や化学物質に変えられて神経を運ばれるプロセス
と比較することができるでしょう。
そして、そうした現場の情報は、
レジから入力された統計情報や、
日誌や報告書に記入された記述として、
中間管理職たちによって集約され、加工されます。
【レジ=認知過程】
ここには、自分たちや外部に関する、
様々な憶測や仮定、願望も入り込みます。
その中には、店長が売り上げを水増しするなど、
店長の個人的野望など、感情的な要素も
入ってくるかもしれません。
【店長の野望=潜在意識】
そうして最終的にまとめられた最終報告書が、
社長の見ることの出来る“現場の状況”なのです。
社長が見ているこの最終報告書が、人間でいえば、
最終的に認識されるべく構成された知覚、
我々が今ここで見ている世界です。
【報告書=知覚】
ただし、知覚の特徴として、
ひとつの世界=ストーリーとして統合(体制化)されている点を
上げることが出来ます。
コンビニで言えば、ここで上がってくる報告書は、
おそらく現場で社員達が生み出している断片的な情報ではなくて、
それらを集約した1つのストーリーとしての性質を
持っているでしょう。
このストーリーは、単なる断片的な情報の総和ではなく、
社員一人一人からの情報に還元することが出来ません。
こうした特徴を、心理学では、ゲシュタルトといいます。
つまり、報告書は、
ゲシュタルトとして体制化されていることになります。
【報告書=ゲシュタルト】
ゲシュタルトという性質は、知覚以外にも、様々な領域で見られる、
心の基本的な側面ということができるでしょう。
こうして社長は、存在しないはずの“現場の状況”を、
1つのストーリーとして手にします。
このストーリーは、現実の中には存在しない、
という意味で厳密にはフィクションですが、
会社の意志決定には役立ちます。
社長はそれを元に、状況を判断し、会社としての基本方針を決定し、
現場に販売の方針を提示しなければなりません。
【販売=行動】
我々が、自分の現状を認識するまでに、
このような多くの心的プロセスがかかわっているのです。
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5) 【まとめの図解】
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ここで、これから心理学の勉強をたどっていくために、
今回コンビ二の例でたどってきた心の仕組みを、
図式にまとめてみます。
心の各側面
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┃ ┃ | | ┃ ┃ |
┃ ┃ 知覚 | | ┃ ┃ |
┃意識┃ゲシュタルト|潜在意識|認知過程┃身体 ┃行動|
┃ ┃ | | ┃ ┃ |
┃ ┃ | | ┃ ┃ |
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コンビ二の各側面
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┃ ┃ | | ┃ ┃ |
┃本社┃ 報告書 |店長の野望| レジ ┃従業員┃販売|
┃社長┃ | | ┃ ┃ |
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この6つの側面に、
◆ 他者との比較=個人差
◆ 過去との比較=発達
◆ 他者との関わり=コミュニケーション
という外界との関係で生じてくる3つの側面を加えると、
心理学が対象とする心の側面は、大体出揃うことになります。
これからは、これらの側面を、様々な角度から
検討していく予定なので、今回はこの図式だけでも
頭に入れておいてください。
次回は、今回見てきた心の各側面について、
基礎的な知識を確認する問題号をお届けします。
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【参考文献】
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※ 今回は、心理学概論を新しい枠組みで捉えようという、
野心的な参考書をご紹介したいと思います。
● 【心理学物語-テーマの歴史】 2004 R.C.ボールズ 北王子書房
● 【比喩から学ぶ心理学-心理学理論の新しい見方】 2000 田辺 敏明
北王子書房
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【編集後記】
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いよいよ本論に入りました。
特にゲシュタルトという概念は説明が難しく、
日常にどうつながるかわかりづらいため、
皆さん理解に苦労するところのようです。
そうした概念も、全体の流れの中に位置づけてみると、
やはり心理学にとって、重要な側面なのだということが
わかるかと思います。
この説明でもわかりづらいかな・・・。
簡単すぎるという方も、
これからの展開の中で、
より詳細に、より専門的な内容も織り込んでいく予定なので、
お待ちください。
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□■■■■■■送信者:臨床心理士指定大学院受験講座■■■■■■■□
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※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座に帰属します。
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2005年5月24日火曜日
【Clip!アカデミー】第4回「心の側面をどうとらえるか」
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