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2006年5月2日火曜日

【Clip! アカデミー】 第41回:問題号 「心の対象図の再検討」

【Clip! アカデミー】 第41回 2006/5/2
第2週 問題号「心の対象図の再検討」

◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座
  http://www.clinicalpsychology.jp/
  
      ◆目次◆

            1)【前回のまとめ】
            2)【それでは問題です】
          【Q1】「概念」と「実在」についての問題
          【Q2】高次活動の説明についての問題
          【Q3】「関係性」についての問題      
              【次回配信日】
              【参考文献】
              【編集後記】

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   ○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○

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            ■ 基本サイクル ■
            第1週「エッセイ号」…問題提起
                 ↓
 ※【今回はこちら!】 第2週「問題号」…練習問題 
      ↓
         第3週「解説号」…確認とフィードバック
                 ↓
           第4週 基本的にお休み
         (特別号が配信される場合があります)
               ↓
            ■ 第2サイクルへ続く ■

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1)【前回のまとめ】
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●心の対象図2
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     ┌-----┐   ┌-----------┐
A    |”こころ”| ⇔ |     対象    |
     └-----┘   └-----------┘
       ↑
    ┌------┐   ┌-----┬-----┐
B   | 構成概念 | ← | 概念  | 実在  |
    └------┘   └-----┴-----┘

=============================

心の対象図検討の第3回目となった
前回エッセイ号では、
構成概念を通じて”こころ”を捉えようとする試みの、
限界について検討していきました。

”こころ”を直接観察し、
研究することは誰にもできませんから、
我々は普段、対象の対比(⇔)から、
人間の”こころ”について知ろうとします。

ここでいう”対象”とは、
衣服やパソコン、イス、部屋、街灯、他人、
地面や大気、地球、…と無限に広がる、
”こころ”以外のもの、ということにしておきましょう。

それを科学的な手続きとして行った場合、
現在よく用いられている方法が、
心の対象図2のBの図です。

構成概念は、
それなくしては”こころ”について説明しきれない
のだけれど、まだ明確な根拠が示されていない部分について、
仮に置いておく仮説であるということができます。

そう考えると、
”こころ”という言葉そのものが、
それなくしては人間について説明しきれないのだけれど、
まだなんだか分からない、という、
構成概念のような言葉であることが分かります。

前回のエッセイ号では、
この人間を「説明しきれない」という現状について、

「いつか構成概念なしに説明しきれるはずだ」という立場と、
「説明しきれないのだ」という立場の、
二つについてご紹介しました。

そして、「説明しきれないのだ」という立場を、
科学的に乗り越えようとするアプローチとして、
「関係性」を重視する立場について触れてしめくくりました。

哲学的なテーマが中心の心の対象図検討、
今回も、心理学周辺分野から、
補足の問題三問をどうぞ。


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2)【それでは問題です】
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【Q1】「概念」と「実在」についての問題

対象を概念と実在に分けるというのは、
今回の議論のために立てた、
便宜的な試みだが、同様のテーマは哲学において
重要なテーマとして論じられている。

対象 → 概念 + 実在

の図式のうち、「概念」と「実在」それぞれに対応する
概念としてもっとも適当なものの組み合わせを、
以下の選択肢から選びなさい。


1) ソシュールの「記号」 
2) カントの「物自体」
3) スキナーの「マンド」
4) マッハの「感覚与件(センスデータ)」

   ======選択肢=====

      「概念」 「実在」

     a.  1)   3)
     b.  1)   4)
     c.  3)   2)
     d.  4)   2)

   ==============


【Q2】高次活動の説明についての問題

急進的行動主義における、
人間の高次活動を説明するものとして、
もっとも適当な概念を以下の選択肢から選びなさい。


   ===選択肢===

    a. モデリング
    b. シェイピング
    c. スキーマ
    d. なし

   =========


【Q3】「関係性」についての問題

対象間での「関係性」を強調する立場として、
もっとも不適当なものを、以下の選択肢から選びなさい。


   =====選択肢====

    a. コネクショニズム
    b. 生態学的心理学
    c. 社会的構成主義
    d. 対象関係論

   ============


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【次回配信】
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   次回 【解説号】… 5月9日(火)にお送りする予定です。

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【参考文献】
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● 心理学物語-テーマの歴史 R.C.ボールズ著 富田達彦訳 2004 
  北大路書房

● 現代心理学「理論」辞典 中島義明 2001 朝倉書店

● はじめての構造主義 橋爪大三郎 1988 講談社現代新書

● 絵でわかる現代思想 VALIS DEUX 2000 日本実業出版社

● エコロジカル・マインド-知性と環境をつなぐ心理学 三嶋博之 
  2000 NHKブックス

● あなたへの社会構成主義 ケネス・J.ガーゲン 著 東村知子 訳
  2004 ナカニシヤ出版



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【編集後記】
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今回の問題号は、
言語学・哲学など、
心理学周辺領域からの出題になっているためです。

特に、マッハのセンスデータ、
などという言葉は、
心理学を勉強されている方でも、
初めて耳にした人がほとんどではないでしょうか。

もちろん、
大学院受験には直接役立たない知識なのですが、
科学としての心理学を考える上では、
知っていて損はない人物です。

なので、今回は、参考文献に、
入門書をたくさん載せました。

ソシュールにはじまる、
構造主義言語学についても、
入門書程度で充分なので、
ぜひ読んでみてください。

心理学自体についての見方が
変わる可能性大です。

心の対象図の検討も残りわずかですが、
もう少しお付き合いください。


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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 
 http://www.clinicalpsychology.jp/  
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