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2007年3月6日火曜日

【Clip!アカデミー】第73回:問題号「心の総合図を捉えなおす」

【Clip! アカデミー】 第73回 2007/3/6
第2週 問題号「心の総合図を捉えなおす」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座
  http://www.clinicalpsychology.jp/



  
      ◆目次◆

            1)【前回のまとめ】
            2)【それでは問題です】
          【Q1】パラダイムシフトについて
          【Q2】研究方法とパラダイム
          【Q3】パラダイムの把握
              【次回配信日】
              【参考文献】
              【編集後記】


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   ○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○

    ◆ 【Clip!アカデミー】は、
     心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
     1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
     無料心理学メールマガジンです。
   
            ■ 基本サイクル ■
            第1週「エッセイ号」…問題提起
                 ↓
 ※【今回はこちら!】 第2週「問題号」…練習問題 
      ↓
         第3週「解説号」…確認とフィードバック
                 ↓
           第4週 基本的にお休み
         (特別号が配信される場合があります)
               ↓
            ■ 第2サイクルへ続く ■

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1)【前回のまとめ】
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心の総合図では、
これまでの心の捉え方の図式について
検討してきたことを捉えなおしながら、
パラダイムという概念を中心に、
心理学の特徴と、勉強の仕方について検討しています。

前回のエッセイ号では、
日々の勉強を、ジグソーパズルの空白を、
もくもくと埋めていく作業に例えました。

ひとつの知識を、
自分の持っている知識につなげていく。

その繰り返しが、日々の勉強ですが、
ときおり顔を上げて、全体を見渡すことも必要です。

そのとき、心理学という学問は、
どのように見えるのか…。

このとき見える全体像と、
パズル自体のルールなどを含めて、
本来はパラダイム(その時代のその学問の依拠する枠組み)
と呼ぶことがあります。

しかし、それは、
必ずしも1つの分かりやすい絵ではないかもしれない。

というよりも、いろんな角度から見るたびに、
違った捉え方が出来るのが、”こころ”の特徴です。

心理学も、研究対象の特徴を反映して、
分かりやすい全体像は示してくれません。

それを、日頃の勉強とは異なる視点から
見渡せる方法はないものか。

それが、
本メルマガの考え続けてきたテーマなのだといえるでしょう。


…心理学には、様々な角度から捉えられた、
様々な側面があるといえます。

そして、そのそれぞれについて、
空白を埋めながら、いつか、それぞれのジグソーパズルが、
うまくつながってくれないか、
と考えているのは、研究者も同じかもしれません。


●【心の総合図2】(イメージ)
============================
                     □
                       □
         ■   ■          □
      ■         ■        □
    ■    * * * *      ■      □
   □    * “心” *     ■      □
   □    *       ■      □
   □     * + + ■  ■       □
    □                 □
      □            □
         □   □
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※ □ …”心”についての様々な視点から見たジグソーパズル

このような視点から、
今回も、パラダイムというキーワードから
見た、心理学についての問題です。


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2)【それでは問題です】
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【Q1】パラダイムシフトについて

以下の文章は、
クーンの提唱したパラダイム・シフトの概念について
述べたものであるが、正しいものはひとつだけである。

以下の選択肢の中から、もっとも適当ものを選びなさい。


 =============選択肢=================

  a. 心理学史でいえば、パラダイムシフトとは、
    “こころ”の捉え方の進化の歴史である。

  b. パラダイムシフトとは、
    人々の価値観が時代とともにゆっくりと変わっていくことである。

  c. パラダイムシフトは、規範となる枠組みが、
    パズルに対応できなくなったときに生じる。

  d. 「パラダイムシフト」は、個人の価値観から、
    科学の枠組みの変化まで、様々なレベルに見ることが出来る。

 =================================


【Q2】研究方法とパラダイム

主観的な感覚を捉えるための方法として、
内観報告がある。

内観報告が有効なパラダイムを、
有効な順に1)~4)に並べると、どのようになるか。

A 精神物理学 B 行動科学 
C 認知心理学 D 臨床心理学

以下の選択肢からもっとも適当な組み合わせを選びなさい。


    ======選択肢=====

       1) 2) 3) 4)  

     a. A  B  C  D
     b. A  D  C  B
     c. A  C  D  B
     d. D  A  C  B
  
    ==============


【Q3】パラダイムの把握

(A)~(D)には、R(response)O(organism)S(stimulus)
のいずれかの記号が入る。
以下の選択肢の中から、その組み合わせについて、
もっとも適当なものを選びなさい。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
【パラダイム】 【研究対象】 【研究目的】   【検証法】
=================================
 行動科学 |  R  |(A)の制御 |(B)の統制による実験
=================================
 認知科学 | (C) |(C)に関する|Sと(D)の関係についての
      |     |モデルの構築 |統計的解析
―――――――――――――――――――――――――――――――――

 ========選択肢=========

   (A) (B) (C) (D)

a.   S   S   R   O
b.   R   S   O   R
c.   S   R   O   O
d.   R   S   R   O

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【次回配信】
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   次回 【解説号】… 3月13日(火)にお送りする予定です。

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【参考文献】
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● 現代心理学〈理論〉事典 2001 中島義明 編 朝倉書店

● 心理学者のための科学入門 1999 中丸茂 北大路書房

● 流れを読む心理学史 世界と日本の心理学 サトウタツヤ 高砂美樹
  2003 有斐閣 

● 心理学物語-テーマの歴史 R.C.ボールズ著 富田達彦訳 2004 北大路書房
   

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【編集後記】
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パラダイムを、道具として捉える試みをしましょう。

研究対象を捉えるには、
道具として適切な研究法が必要です。

その際には、ひとつのパラダイムに従って、
その中に存在する選択肢の中から
ふさわしい研究法を選ぶことになります。

パラダイムは、
その時代、その学問において活動する
研究者が従うべき、当然のルール、
すなわち、規範である、という側面があります。

ですから、当然、
パラダイム自体を道具と捉えることはできません。

現代サッカーのルールに従わなければ、
サッカーの試合に出られないのと同じです。

しかし、心理学の場合、
選択肢である研究法の背景には、
異なるパラダイムがあることがしばしばあります。

異なるパラダイムの概念や研究法は、
どうしても取り入れるのが難しいものです。

とはいえ、日本の心理臨床においては、
近年では、折衷主義という、
ひとつの治療パラダイムのみにこだわらないスタイルが、
ひとつの層を形成しています。

臨床心理学の研究においても、
折衷主義的な研究、
は認められてもいいのかもしれません。

ただ、こうした研究が厳しい批判にさらされるべきであるとしたら、、
この点に無自覚なまま、不明瞭に様々な理論を
つぎはぎで用いた場合でしょう。

実際の研究においては、
先行研究のレビューをしていくなかで、
その選択肢は決まってくることが
多いと思います。

先例を辿っていれば、
そう簡単にレールをはずれることはないはずですが、
自分の取り組んでいる仕事に自覚的であるならば、
心理臨床家にとっても、
研究はもっと楽しくなるような気がします。

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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 
 http://www.clinicalpsychology.jp/  
 ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座に帰属します。   
 無断転載・転用を禁止します。

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