◆【Clip! アカデミー特別号】2005/07/12
不定期連載「心理“学外”人物伝(第2回)デュルケム」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆
http://www.clinicalpsychology.jp/
◆目次◆
1)【心理“学外”人物伝とは】
2)【エミール・デュルケム】
【次回配信日】
【参考文献】
【編集後記】
====================================================================
○ ~~~~~~~~~お知らせ~~~~~~~~~~ ○
【Clip!アカデミー特別号】をお送りします。
特別号では、皆さんに役立つ様々な情報を、
今後不定期で発信しています。
配信は、主にアカデミー休刊の、火曜日を予定しています。
【Clip!アカデミー】ともども、
これからもよろしくお願いいたします。
Clip!アカデミー事務局一同
○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1)【心理“学外”人物伝とは】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
哲学、文化人類学、社会学…などなど、心理学に大きな影響を与えた巨人を、
心理学の“外”からピックアップして読者の皆さんにご紹介するコーナー
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【心理“学外”人物伝】第1回 デカルト はこちら↓
http://k.d.mail-magazine.co.jp/t/k9wv/40goqrz0d8eo8rxcac
● 心理学そのものより、関連分野こそ、ガイドを必要とする分野です。
● ここであげる人々や、彼らの代表する学問全てについて、
知識を深める必要はありません。
● ただ、ひとりでも関心を持った人がいれば、
その分野を読み進め、自分の世界を広げてみてください。
● 自然科学、人文科学の区別はさておき、
外にひとつでもお気に入りの学問を持つことで、
心理学をまた新しい視点から見ることが出来るようになるでしょう。
特別号今回の 心理“学外”人物 は、
社会学界の巨人エミール・デュルケムです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2)エミール・デュルケム(Durkheim, 1858-1917) 【社会学】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
かつての世界観が、
神の存在を絶対視する単一の価値観から成るものであったことは
既に第1回目の心理“学外”人物伝で述べた。
そうした価値観が、教会の根強い支配により、まだ続いていた頃
デュルケムが生まれる少し前から自殺率が急激な上昇を見せ始めていた。
そのような社会的事象に対し、
集団単位で客観的かつ実証的な分析を始めたのが、
社会学の巨人、デュルケムであった。
エミール・デュルケムは1858年に
北フランスのエピナルのラビ(ユダヤ教の律法学者)の家系に生まれた。
成績は優秀で、コレージュ時代は学年を二つ、飛び級した程であった。
彼は彼の主著である「自殺論」の中で、
自殺をその原因に従って以下の4類型に分けている。
◆ 宿命的自殺‐ 閉鎖感など欲求への過度の抑圧から起こる
◆ 自己本位的自殺‐ 孤独感や焦燥感など
エゴイスティックなものによって起こる
◆ 集団本意的自殺‐ 自殺せざるを得なくなるような
集団の圧力によって起こる
◆ アノミー的自殺‐ 社会的規則・規制がない状態において起こる
特筆すべきは彼の造語であるアノミーという語を用いた
アノミー的自殺であろう。
アノミー(anomie)とは、
規制や規則がなく自由な状態において、
個人が不安定な状況に陥ることを指す。
デュルケムはこれを近代社会の病理とみなし、
自殺率の上昇もこれによって説明した。
即ち、これまでと違い、多くの価値が認められ始めたからこそ人々が迷い、
その結果、自殺が増えたと説いたのである。
このように、自殺率の増加といった現象を、
社会の変動や価値観の変化などといった社会的要因から考察するところに、
社会学の今日的意義がある。
デュルケムは、その中興の祖として、
今でも社会学の学習に不可欠な古典となっているのである。
【デュルケムの主な著作】
●『社会分業論』(1893)
●『社会学的方法の規準』(1895)
●『自殺論』(1897)
●『宗教生活の原初形態』(1912)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【次回配信日】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
次回、
フェルディナン・ド・ソシュール(Ferdinand de Saussure, 1857- 1913)
【言語学】
※ 特別号のため、心理“学外”人物伝は不定期連載となります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【参考文献】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
● 『社会分業論(上)講談社学術文庫』 1989 デュルケム, E. 著
井伊玄太郎 訳 講談社
● 『社会分業論(下)講談社学術文庫』 1989 デュルケム, E. 著
井伊玄太郎 訳 講談社
● 『エミール・デュルケム-社会の道徳的再建と社会学』2001
中島道男 東信堂
● 『自殺論 中公文庫』 1985 宮島喬 中央公論社
● 『デュルケム「自殺論」を読む 岩波セミナーブックス(29)』 1989
宮島喬 岩波書店.
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
社会現象、という言葉があります。
例えば、「引きこもり」「アダルトチルドレン」「ADHD」などの概念も、
一度マスメディアに載って社会に出回ることによって、
社会現象化していくと考えられます。
「最近“引きこもり”がちでさ」
「おれ“ADHD”だから」
それまで、存在はしていても人の目に触れなかった現象が、
一度名前を与えられることで、周辺的な現象まで含みながら
強烈に意識されるようになっていく。
それは、しばしば、
新しいレッテルになって、いじめや差別につながっていくこともあります。
こうしたレッテル貼りや、差別といった現象も、
社会学者の関心事のひとつです。
しかし、それが個人の身に降りかかったとき、
心理学、特に臨床心理学にとっても大きな関心事になります。
個人の問題にかかわる人間にとって、心理学的な側面だけでなく、
こうした社会学的な側面も、もちろん意識しておく必要があるのだと思います。
コラムの延長のような編集後記になってしまいました。
ただ、この点は、Clip!アカデミーでも大切にしている視点なので、
これからも再三繰り返していきたいと思っています。
不定期ではありますが、
Clip!アカデミーともども、よろしくお願いいたします。
====================================================================
送信者:臨床心理士指定大学院受験講座
http://www.clinicalpsychology.jp/
※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座に帰属します。
無断転載・転用を禁止します。
□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
2005年7月12日火曜日
◆【Clip!アカデミー特別号】不定期連載「心理”学外”人物伝(第2回)デュルケム」
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿