【Clip! アカデミー】 第115回 2008/3/25
第3週 展開号 「基礎心理学から1:行動(behavior)」
◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆ http://www.clinicalpsychology.jp/
◆目次◆
1)【現在地】
2)【エソロジー】
3)【解説:知識の展開】
【次回配信日】
【参考文献】
【編集後記】
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○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○
◆ 【Clip!アカデミー】は、
心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
無料心理学メールマガジンです。
■ 基本サイクル ■
第1週「理論号」… 知識のタネをまく
↓ (用語説明から)
第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす
↓ (具体例を中心に)
※【今回はこちら!】 第3週「展開号」… 知識をつなげる
↓ (テーマを展開する)
第4週 基本的にお休み
(特別号が配信される場合があります)
↓
■ 第2サイクルへ続く ■
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※ 【初めてお読みになる方は、こちらもご覧ください。】
● 0ヶ月目 ガイダンス号
http://clipseminar.blogspot.com/2007/04/clip.html
● 0ヶ月目 ガイダンス号2
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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 3巡目2ヶ月目 基礎心理から1
「行動(behavior)」
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0ヶ月目 (ガイダンス号)
1ヶ月目 心理学の歴史から
【NOW!】2ヶ月目 基礎心理学から1
| 3ヶ月目 基礎心理学から2
| 4ヶ月目 臨床心理学から
| 5ヶ月目 心理学研究法から
| ↓
| 【※違うテーマではじめから繰り返します。】
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↓
● 第1週「理論」号
「基礎心理学から1:行動(behavior)」はコチラ↓
http://clipseminar.blogspot.com/2008/03/113behavior.html
● 第2週「応用」号
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● 第3週「展開」号
「基礎心理学から1:行動(behavior)」はコチラ↓
~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~
知識は、知識とつなげることで、はじめて意味を持ちます。
取り入れた知識を、自分の中に根付かせるためには、
他の知識とつなげていくことを同時にやらなければなりません。
展開号では、
これまでに紹介してきたテーマを、さらに展開していきます。
関連する様々なテーマを紹介することで、
立体的な理解と、
心理学の中での位置づけが、
容易になるでしょう。
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2)【エソロジー】
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●比較行動学(ethology)
動物行動学とも呼ばれる。
種に固有の行動に注目し、
環境への適応において
その行動が持っている機能や、
その進化の過程などを比較研究することを目的とする。
研究においては、
生活圏における自然観察を重視するが、
実験的な手法も用いられる。
ただし、実験的な手法を用いる際も、
人工的な介入は極力制限される。
ティンバーゲンのイトヨの研究や、
ローレンツの鳥類の刻印付けの研究がよく知られる。
●生得的解発機構
ティンバーゲンは、
川魚であるイトヨの生殖行動を対象にある実験を行い、
本能的行動の仕組みとして、
生得的解発機構と呼ばれる仕組みを提唱した。
イトヨのオスは、
腹の肥大したメスが縄張りに侵入すると、
ダンスを踊る。
メスがそれに対し求愛のディスプレイを
行うことで、生殖活動が始まる。
このことから、
イトヨのメスの「肥大した腹部」は、
本能的行動を触発するための刺激(触発刺激)
として機能していると考えられる。
このことは、
メスそっくりの腹部の肥大しない模型と、
肥大したあまり似ていない模型では、
肥大した模型においてのみダンスが見られたことで
確かめられた。
触発刺激によってスタートした触発行動が、
また次の触発行動を触発する、
というメカニズムによって、
本能的行動が制御されていることを、
生得的解発機構と名づけたのである。
●刻印付け(imprinting)
ティンバーゲンのイトヨの研究は、
本能的行動が、
生得的なメカニズムによって制御されていることを、
明らかにした。
一方、ローレンツは、
初期の獲得的行動においても、
生得的な基盤が存在するために、
本能的行動として分類可能なものを発見した。
それが刻印付けである。
たとえばハイイロガンの一種では、
ヒナは生まれて数時間の間に、
行動様式を身に着けるべき対象を学習することが
報告されている。
これは通常ヒナの親だが、
その数時間の間であれば、
世話をしているのが別の種であっても、
刻印付けの対象になることが分かっている。
この行動は、
一度の学習ですぐに獲得され、
長期間消去されない点で、
一般の獲得的行動と異なっているとされる。
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3)【解説:知識の展開】
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種に特有のある行動は、
動物の中でなんらかの機能を果たしている、
と考えられます。
なぜなら、
その行動が生存に有利に働かないならば、
その種はそれまで生き残ってこれなかった。
もしくは、
別の種類の行動を選択していたはずだからです。
このような仮説は、
現在でも、ダーウィニズムとして
広く用いられています。
このような前提に立って、
動物や人間の行動を観察し、
行動の持つ進化論的な意義や機能を
比較検討するのが、エソロジーと呼ばれる領域です。
そのために、
生得的行動の研究が中心であり、
また、生得的な種に固有の行動は、
人間においては新生児の乳幼児反射など、
領域が限定されるため、
動物における研究が中心となっています。
しかし、
行動主義における経験論全盛の中で、
生得的行動について
様々な発見をした意義は大きく、
ティンバーゲンとローレンツは、
その業績からノーベル賞を受賞しているほどです。
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【次回配信】
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次回 【理論号】… 2008年4月8日(火)にお送りする予定です。
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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣
● 誠信 心理学辞典 外林大作 辻正三 島津一夫 能見義博 編
1981 誠信書房
● キーワードコレクション 心理学 重野純 編 1994 新曜社
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【編集後記】
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ローレンツの刻印付けの研究は、
発達障害の説明にも登場します。
早期発見早期療育の
根拠として用いられるのです。
ただ、
刻印付けによる学習が、
時期を逃すと取り返しがつかないのに対して、
人間にはそこまで融通の利かない初期学習は
みられないようです。
ですから早期療育は、
どちらかというと、
生得的要因のために、
必要な経験や学習が不足したり
歪められたりすることを、
少しでも防ぐためのものと考えることが出来ます。
とはいえ、その”生得的要因”なるものも、
いまだ明確になっていないのが現状です。
人間は、
鳥類と違ってそれなりに融通が利く代わりに、
ずいぶんと不確かなものに、
人生や生活を左右されてしまうもののようです。
どちらが幸せだといえるでしょうか?
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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 http://www.clinicalpsychology.jp/ ※Clip!アカデミーの記載内容は臨床心理士指定大学院受験講座 に帰属します。無断転載・転用を禁止します。
2008年3月25日火曜日
【Clip!アカデミー】第115回:展開号「基礎心理学から1:行動(behavior)」
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