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2008年1月29日火曜日

【Clip!アカデミー】第109回:展開号「心理学研究法から:条件統制(condition-control)」

【Clip! アカデミー】 第109回 2008/1/29
第3週 展開号「心理学研究法から:条件統制(condition-control)」


◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座
 http://www.clinicalpsychology.jp/

  
      ◆目次◆

           1)【現在地】
           2)【条件統制の拡大解釈】
           3)【解説:知識の展開】
             【次回配信日】
             【参考文献】
             【編集後記】

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   ○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○

    ◆ 【Clip!アカデミー】は、
     心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
     1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
     無料心理学メールマガジンです。
   
            ■ 基本サイクル ■
            第1週「理論号」… 知識のタネをまく
                 ↓  (用語説明から)
            第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす 
      ↓  (具体例を中心に)
 ※【今回はこちら!】 第3週「展開号」… 知識をつなげる
                 ↓  (テーマを展開する)
           第4週 基本的にお休み
         (特別号が配信される場合があります)
               ↓
            ■ 第2サイクルへ続く ■

   ○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  ○

 ※ 【初めてお読みになる方は、こちらもご覧ください。】

 ● 0ヶ月目 ガイダンス号
   http://clipseminar.blogspot.com/2007/04/clip.html

 ● 0ヶ月目 ガイダンス号2
   http://clipseminar.blogspot.com/2007/09/94clip.html 


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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 2巡目5ヶ月目 心理学研究法から
        「心理学研究法から:条件統制(condition-control)」

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        0ヶ月目 (ガイダンス号)   
        1ヶ月目 心理学の歴史から
   2ヶ月目 基礎心理学から1
      3ヶ月目 基礎心理学から2
        4ヶ月目 臨床心理学から
  【NOW!】5ヶ月目 心理学研究法から 
   |    ↓
    |  【※違うテーマではじめから繰り返します。】
   |  ======================
   ↓

 ● 第1週「理論」号
  「心理学研究法から:条件統制(condition-control)」はコチラ↓

 http://clipseminar.blogspot.com/2008/01/107condition-control.html

 ● 第2週「応用」号
  「心理学研究法から:条件統制(condition-control)」はコチラ↓

 http://clipseminar.blogspot.com/2008/01/108condition-control.html

 ● 第3週「展開」号
  「心理学研究法から:条件統制(condition-control)」はコチラ↓


   ~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~

   知識は、知識とつなげることで、はじめて意味を持ちます。

   取り入れた知識を、自分の中に根付かせるためには、
   他の知識とつなげていくことを同時にやらなければなりません。

   展開号では、
   これまでに紹介してきたテーマを、さらに展開していきます。

   関連する様々なテーマを紹介することで、
   立体的な理解と、
   心理学の中での位置づけが、
   容易になるでしょう。
   
   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

※ その他バックナンバーはコチラ↓

http://clipseminar.blogspot.com/


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2)【条件統制の拡大解釈】
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前回の応用号では、
実験計画法を体系化したフィッシャーを例に、
実験における条件統制について
具体的に検討しました。

今回の展開号では、
「統制」という概念について
より大きな視点から考えを広げてきましょう。


● 実験と統制群

統制群とは、
実験において、均質な被験者を二つに分けたとき、
独立変数の影響を調べるための操作を行わない方の群を指す。

それに対して、独立変数の操作を行った群を実験群と呼ぶ。

たとえば被験者にある課題を行ってもらう場合、
あらゆる条件が同じであれば、
統制群も実験群も、結果は変わらないはずである。

しかし、結果が変わるようであれば、
それは操作を加えた変数が、
課題の実行に影響を与えたことになる。


●質問紙調査と無作為抽出

無作為抽出(random sampling)とは、
調査対象となる母集団の中から、
実際に調査を行う部分を決定するための、
ひとつの方法である。

調査を行うためには、
必ず調査対象である母集団を、
明確にする必要がある。

校内の友人関係を調査するならば、
学校を母集団として、
生徒全員を対象とする、全数調査が行われる。

しかし、実際には、
全数調査を行うことが困難な場合も少なくない。

その場合、母集団の一部を抽出し、
その結果から統計的に母集団の全体傾向を推定すること
が一般的である。

無作為抽出は、
母集団から無作為に(つまりデタラメに)調査対象を
抽出する手続きを指す。

この手続きによって、
抽出されたデータの偏りを統制することで、
母集団全体を代表しているという前提から、
調査を進めることが可能となる。


●心理臨床とリミット・セッティング

心理療法面接における
セラピストとクライエントとの関係は、
専門的援助関係であり、
そのために必要なルールや設定が設けられている。

枠組みを設定するための基本ルールとしては、
面接契約、面接時間、面接場所、料金、情報の取り扱い、
などが含まれる。

面接における枠組みの設定は、
セラピストとクライエントの両方を守り、
心理療法という特殊な人間関係を保障するために機能する。


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3)【解説:知識の根っこ】
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統制という概念は、
実証的な研究をする上では、
厳密に設定し、運用していく必要があるでしょう。

しかし、実践という意味合いからは、
様々な応用が存在しているようです。

心理臨床における実践は要因が複雑に絡み合い、
条件の統制は困難なことがほとんどです。

そのため、実験のような厳密な条件統制による、
仮説検証的な研究は難しいと考えられています。

しかし、こうした基本ルールに従って
面接の枠組みを設定することは、
セラピストにおけるクライエントについての見立て(見立て)や、
事例研究における事例通しの比較検討といった、
実践における仮説検証には大きな意味を持っています。

こうした用いられ方は
狭い意味での統制とはいえませんが、
それは、実践における「仮説」や「統制」が、
研究のように実証のためのものではないからでしょう。

仮説を証明するためではなく、
次の一手を模索し、実践を先に進めるための枠組みと考えると、
仮説が証明されたか否か、
という問いの重要性は低下します。

むしろ、実践を先に進めるために有効な
枠組みの開発と洗練化が重要になるでしょう。

「心理療法とは何かといえば、
このような専門的関係のルールといってよい」(鑪,名島ら;2000)


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【次回配信】
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   次回 【展開号】… 2008年2月12日(火)にお送りする予定です。

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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣

●  心理学マニュアル 質問紙法 鎌原雅彦 宮下一博 大野木裕明 中澤潤
  編著 1998 北大路書房

● 新版 心理臨床家の手引き 鑪幹八郎 名島潤慈 編著 2000 誠信書房 


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【編集後記】
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今回は、条件の統制という概念を、
少し拡大解釈して考えを広げてきました。

展開ということは、
このように、
今まで考えて見なかったことも
同じ考え方から説明できないかどうかを
試していく中からしか始まりません。

その意味で、試行錯誤の域を出ないもの、
といってもいいのではないかと思います。

今回の展開号も、
こう考えてみたらどうか、
というお誘い程度のものと考えて、
そこから先を、
こんどは皆さんがご自分で展開していってくださることを
期待しています。


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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座 
 http://www.clinicalpsychology.jp/    
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