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2008年12月17日水曜日

【Clip! アカデミー】第136回:展開号「臨床心理学から:ゲシュタルト療法(Gestalt Therapy)」

【Clip! アカデミー】 第136回 2008/10/27            

第3週 展開号 「臨床心理学から:ゲシュタルト療法(Gestalt Therapy)」

      ◆提供:臨床心理士指定大学院受験講座◆ 
      http://www.clinicalpsychology.jp/  
       

       ◆目次◆

           1)【現在地】
           2)【全体性を重視する治療】
           3)【解説:知識の種】
             【次回配信日】
             【参考文献】
             【編集後記】

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  メルマガの最後に【Outlook Express・Netscape Messengerの場合】
  のフォント設定のやり方を載せてあります。

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   ○ ~~~~~~Clip!アカデミーサイクル~~~~~~ ○

    ◆ 【Clip!アカデミー】は、
     心理用語を紹介するだけの従来の心理系メルマガとは異なる、
     1ヶ月(3週)1サイクルで完結するユニークな
     無料心理学メールマガジンです。
   
                ■ 基本サイクル ■
    第1週「理論号」… 知識のタネをまく
                     ↓  (用語説明から)
    第2週「応用号」… 知識の根を伸ばす 
                     ↓  (具体例を中心に)
 ※【今回はこちら!】 第3週「展開号」… 知識をつなげる
                      ↓  (テーマを展開する)
               第4週 基本的にお休み
         (特別号が配信される場合があります)
                      ↓
                ■ 第2サイクルへ続く ■

   ○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  ○

 ※ 【初めてお読みになる方は、こちらもご覧ください。】

 ● 0ヶ月目 ガイダンス号
   http://clipseminar.blogspot.com/2007/04/clip.html

 ● 0ヶ月目 ガイダンス号2
   http://clipseminar.blogspot.com/2007/09/94clip.html 




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【お詫び】
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  ○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  ○

    10月7日(火)配信予定だった、
    展開号をお送りします。

    配信が遅れましたことをお詫びいたします。

    申し訳ありませんでした。


                Clip!アカデミー事務局
  ○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  ○

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1)【現在地】
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【現在のテーマ】 4巡目4ヶ月目 臨床心理学から
        「ゲシュタルト療法(Gestalt Therapy)」

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        0ヶ月目 (ガイダンス号)   
        1ヶ月目 心理学の歴史から
        2ヶ月目 基礎心理学から1
        3ヶ月目 基礎心理学から2
  【NOW!】4ヶ月目 臨床心理学から
    |   5ヶ月目 心理学研究法から 
    |            ↓
    |  【※違うテーマではじめから繰り返します。】
    | ======================
    ↓

 ● 第1週「理論」号
「ゲシュタルト療法(Gestalt Therapy)」はコチラ↓

http://clipseminar.blogspot.com/2008/10/clip134.html

 ● 第2週「応用」号
「ゲシュタルト療法(Gestalt Therapy)」はコチラ↓

http://clipseminar.blogspot.com/2008/10/clip135.html

 ● 第3週「展開」号
「ゲシュタルト療法(Gestalt Therapy)」はコチラ↓


   ~~~~~~~~~~【今週】~~~~~~~~~~~~~~

   知識は、知識とつなげることで、はじめて意味を持ちます。

   取り入れた知識を、自分の中に根付かせるためには、
   他の知識とつなげていくことを同時にやらなければなりません。

   展開号では、
   これまでに紹介してきたテーマを、さらに展開していきます。

   関連する様々なテーマを紹介することで、
   立体的な理解と、
   心理学の中での位置づけが、
   容易になるでしょう。
   
   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


※ その他バックナンバーはコチラ↓

http://clipseminar.blogspot.com/


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2)【全体性を重視する治療】
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●人間性心理学

精神分析や行動療法に対する、
第三の心理学として提唱された立場である。

実存主義の影響を受け、
人間を、自由意志を持ち、
主体的な決断をなし得る存在として捉えようとする
点に特徴がある。

主な賛同者としては、
実存分析のヴィクトール・フランクルや、
欲求5段階論のマズロー、
来談者中心療法のロジャーズなどがあげられる。

また、アドラーやユングなど、
精神分析と分かれ独自の分析理論を立ち上げた
分析家たちとも、共通する点が多い。

心と体を含めた人間の全体性を重視する
ゲシュタルト療法のパールズも、
人間性心理学の立場に入ると考えられる。

●心身医学

病原菌や身体器官の器質的・機能的な損傷など、
疾患の主要な原因を特定することを、
まず第一としてきた従来の医学に対し、
「心身相関」の立場から、
疾患の発生を、生物学的要因に加え、
社会的・心理的要因から見ることを重視することから
派生した医学を指す。

心身相関とは、
心と体が、単にどちらがどちらに影響するというものではなく、
複雑に相互作用しあい、
原因と結果が切り離せない循環的な在り様をしているという
身体と精神の関係を示したものである。

主に、疾患の原因を特定することが困難な、
心身症や生活習慣病などの治療を得意とし、
日本では、心身医学的な治療をする科は、
「心療内科」と呼ばれている。

●自己実現

自己の中の可能性を実現し、
自己の全体性に向かって己を成長させ、
統合していこうとすること。

または、人間の中にあるそのような傾向を指す。

人間性心理学において重視される
概念のひとつであるが、
何を持って自己の全体性とするかによって、
用い方は異なる。

はじめに自己実現について論じたのは
ユングであるが、
後に個性化という概念を用いるようになる。

彼のいう全体性とは、
通常の自分(自我:ego)ではなく、
無意識を含む人格の全体としての「自己(self)」である。

マズローやロジャーズの自己実現は、
多少の違いはあれ、人格の成熟である。

自己の認めがたい側面をも受容し、
より大きな自律性や統合を目指す。

パールズにおいては、
身体と心の調和に基づいた「全人的な存在」
として、「今、ここ」に充分に存在できることが
重視される。


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3)【解説:知識の展開】
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ゲシュタルト療法は、
ヴェルトハイマーらのゲシュタルト心理学と、
直接の関係はなかったとはいえ、
医学や心理療法が、そこから受け取った、
非常に大きなインパクトを如実に表現しているといえます。

それは、個々の要素ではなく、
関係や状況、人間の全体を取り扱おうという視点であり、
それによって、
それまでアプローチすることが難しかった領域にも、
うまく手を差し伸べられるのではないか、
というインスピレーションでした。

20世紀の後半、
反戦運動や、ヒッピーブーム、カルト運動の隆盛した、
アメリカでは、
積極的で、人間を肯定できるような
人間観が求められていたということができます。

人間性心理学を標榜した人たちは、
多くが、
元は精神分析によって
臨床を行っていた経験を持っていましたが、
そうした流れの中で、
実存主義的な人間観、
人間の人格や、心と体といった全体性への指向、
などを共有しあいながら、
精神分析とは異なる理論を確立していったのです。

現在では、心療内科を含め、
そうした影響の生み出したものは、
一般社会にも広く認知されつつあります。

一方で、
たとえば「自己実現」といった言葉は、
あまりに広い意味で用いられるあまり、
ほとんど意味のない言葉にさえなりつつある感もあります。

また、
ゲシュタルト療法をはじめ、
精神分析から出発して、
独自の治療理論を確立した心理療法の中には、
科学的な効果の検証や、理論構築を嫌ったものが、
少なくありませんでした。

科学的な研究や理論構築は、
確かに、言葉に置き換える過程のなかで、
事例やクライエントその人、
臨床の場で生じた変化の全体性を損ない、
変質させてしまう危険性をはらんでいます。

しかし、
結果として、そうした治療法は、
その治療効果を創始者や治療者の個人的な才能や、
パーソナリティに負っており、
彼らがいなくなった後は、
心理療法としての発展を滞らせてしまう結果にも
つながってしまいました。

心理療法は、
理論を構築したり、
実証するために実践されるものではありません。

しかし一方で、
言葉にすることが出来ないことを
言葉にしようと努力し、
主観的なものを、客観的に検証しようとする努力を
あきらめてしまうことも、
心理療法家は充分警戒する必要があるでしょう。


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【次回配信】
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   次回 【理論号】… 
   2008年10月21日(火)にお送りする予定でしたが、
   予定を変更し10月27日(月)にお送りします。

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【参考文献】
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● 心理学辞典 中島義明 編 1999 有斐閣


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【編集後記】
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全体性という言葉も、
認知や社会、知覚の文脈の中で用いている分には、
充分共通の土台を持ち合わせているように
感じられるのですが、
一歩その外に出てしまうと、
非常に感覚的で、感性的な言葉になってしまいます。

スピリチュアルという言葉は、
WHOの健康の定義に加えようという動きも
あるくらいであり、
日本においても、近年市民権を得つつありますが、
心理学においては、
まだまだ自戒し、警戒する必要があるでしょう。

他人に開かれ、
他人の批評の余地がある言葉や、
土台を通してしか、
我々は学問や理論を先に進めることが出来ません。

特に、
主観的な体験である心的現象については、
特にそういった点に禁欲的になる必要があると
考えられるからです。


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送信者:臨床心理士指定大学院受験講座
http://www.clinicalpsychology.jp/index.shtml    

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